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Les hommes naissent et demeurent libres et égaux en droits. Article 9. Aspirant sincèrement à une paix internationale fondée sur la justice et l'ordre, le peuple japonais renonce à jamais à la guerre en tant que droit souverain de la nation, ou à la menace, ou à l'usage de la force comme moyen de reglement des conflits internationaux.

かまくらフランス語教室

備 忘 録

Les hommes naissent et demeurent libres et égaux en droits.
かまくらフランス語教室
Article 9. Aspirant sincèrement à une paix internationale fondée
備 忘 録
sur la justice et l'ordre, le peuple japonais renonce à jamais à la guerre en tant que droit souverain de la nation, ou à la menace, ou à l'usage de la force comme moyen de reglement des conflits internationaux.

2023年9月5日

中級

© 2023 CMCAS Thionville I

今週も 13 課の『 異世代同居 La cohabitation intergénérationnelle 』です。

異世代同居は、高齢者の住まいの一室を、若い人に安く貸して、共に暮らす試みだそうです。知らない人同士が一つ屋根の下で気持ちよく暮らせるようにするために、2018 年から法的な枠組みが出来上がっているようです。エラン法 Loi ELAN というのだそうですが " Ce dispositif est encadré depuis 2018 par la loi Elan ..." 、その内容をほんの少しだけ拾ってみました。
例えば…シニアが自分の住まいの一室を若者に提供する場合、賃貸の住まいでもかまわないそうです。その場合は大家さんの許可は不要で、報告だけをすればよいそうです ヨ " S'il s'agit d'une location, l'accueillant doit simplement informer son propriétaire, sans avoir besoin d'autorisation"

© A la page 2023, Editions Asahi

上級

今週は『地下鉄のザジ Zazie dans le métro 』です。

前回は、ガブリエル一行がおとずれたビストロでのアレコレ (ドタバタ) でした。なにしろ仲間の一人のテュランドが少々羽目をはずし、そのために、二人のボーイにかかえられて、店の外に放りだされてしまったのでした。が、これを見たガブリエルはこの二人のボーイをやっつけます。そしてそれを見た別のボーイがガブリエにサイフォンを投げつけようとしましたが、今度はそれを目にしたグリドゥが別のサイフォンをこのボーイに投げつける…という騒動がおきていたのでした。

* * *

そとに放り出されたテュランドはなんとか立ち上がり、再びビストロに入ってきました。闘う気まんまんです。ですが、この時、これでもかというほどの沢山のポーイが厨房から、地下倉から、棚から…次から次へと飛び出してきました。そしてたちまちのうちにテュランドとグリドゥを押しつぶしてしまいました。そしてガブリエルにも飛びかかります。しかしガブリエルはからだをブルンブルンと震わせ、次から次へとボーイをあっちに放り、こっちに投げだします。

しかし多勢に無勢。さしものガブリエルも押し寄せるボーイたちに、けたたましい音とともに押しつぶされます。ここでザジとムアック夫人が奮起。サイフォンでボーイたちの頭をなぐりガブリエルを救出。グリドゥとテュランドも床に倒れていましたが、ザジとムアック夫人にソーダ水をぶっかけられ、息を吹きかえします。

ここで形勢が逆転。勢いにのったガブリエル、テュランド、グリドゥが、パンチと空手チョップとキックとでボーイたちを退治。床に転がったボーイたちは次から次へと、ザジとムアック夫人によって店の外に引きずり出されていきました。

この大混乱のなか唯一、闘いに参加しなかったのはオウムのラヴェルデュールだけでした。乱闘がはじまるやお尻に瀬戸物の破片があたって、鳥籠の中でのびていたからでした。うずくまったままラヴェルデュールはなぜか、いつもの「おしゃべり、おしゃべり、お前にできることはおしゃべりだけ」というセリフではなく、「今日はよい晩、今日はよい晩」と呻いていました。
ボーイを片っぱしからやっつけることに成功したガブリエルの最初の一言は、「さて、カフェクレームでもいただくか」でした。
次回は p230 の " Bonne idée, dit Turnadot qui passa derrière le zinc... " からです。






© "Zazie dans le métro ", Raymond Queneau, Folio

2023年9月12日

中級

今週は、15 課の『 狩猟 La chasse 』です。

狩猟は、かつては生きるためのいとなみであったのですが、中世以降は余暇となりました "...depuis le Moyen Âge jusqu'à nos jours, elle (= la chasse ) est devenue essentiellement un loisir "。今日も愛好家は少なくなく、狩猟免許をもつ人の数は 100 万人以上いるのだだそうです。

一方で、狩猟に反対する人も少なくありません。狩猟は野生の生き物だけでなく、狩猟のために飼育した動物を放って、それを撃つこともあるそうです "...beaucoup d'animaux chassés ne sont pas sauvages ; ce sont des animaux d'élevage qui sont lâchés dans la nature " 。狩猟による人身事故も毎年起きていると言います "Chaque année, elles (= les armes de chasse ) provoquent des dizaines d'accident, dont plusieurs mortels "

とはいえ狩猟に賛成か反対かの議論はかみ合うことがなく、なかなか決着がつかないのが現状だそうです。狩猟人気が根強いのはロビー活動が強いせいである"...le lobby de la chasse est puissant " というのが 、テキストの結論でした。

個人的には、どんな生き物でも、猟犬や馬にのった人間に追いつめられたら、どんな恐怖を味わうだろうか…と想像せざるを得ません…。



© A la page 2023, Editions Asahi

上級

今週は『 Le voleur d'ombres 影泥棒』です。前回、『ミッテランの帽子 Le chapeau de Mitterrand 』を読了しました !  ですので、心機一転です。
小学生の「僕」の語りですから、読みやすいフランス語になっているのではと、教室一同期待しているのですが、さてどうなりますことか。僕がどう成長していくのか楽しみです。

* * * *

新学期。「大丈夫。うまくいくから」とお母さんは言った。でも、転校生の僕は校庭のプラタナスの木に寄りかかって、ぽつんと一人でみんなを見ていた。バカンスが終わって、みんなは久しぶりに再会して、肩をたたきあったり、バカンスの話しをしたりしていた。でも転校したての僕にはバカンスの話しをできる子はいなかった。鐘が鳴って、教室にはいると、眼鏡をかけているのは僕をふくめて 3 人だけ。しかも僕はまたしてもクラスで一番ちび。ちびだと、黒板消しをさせられたり、体育館のボールの片付けをさせられたりと、いいことがあまりない。

そのうえ、最初の日から僕はマルケスに目をつけられた。僕とマルケスとは何もかもが正反対だ。僕は遅生まれ。早生まれの子より半年は得していると、お母さんは言うけれど、マルケスは 2 年も留年している。しかも普通の子より 10cm も背が高い。僕は文学派、マルケスはスポーツ派。僕は虫を見るのが好き。マルケスはつかまえた虫の羽をもぎとるのが好き。唯一共通しているのは、クラスのエリザベスがすてきだなと思っていること。でもこの共通点はライバル意識と表裏一体だ。

新学期の第一日目。すぐに授業が始まって、英語のシェファー先生が「単純過去」について説明してくれた。よりによって僕を指して、この単純過去の例を示しなさいと言った。だから冗談交じりに答えたら、教室のみんなはポカンとしていた。けれどエリザベスだけは笑ってくれた。これがマルケスの反感を買ってしまった。だから、この日、つまり転校第一日目から僕は地獄の日々を送ることになってしまったんだ。
今回はここまで。次回は p24 の " J'héritai illico d'une colle de Mme Schaeffer, sentence applicable dès le samedi matin suivant. " からです。

© " Le voleur d'ombres ", Marc LEVY, Editions Robert Laffont

2023年9月19日

中級

© 2023 Milan Presse

今週は前回とおなじ「狩猟」がテーマ。こちらの子供新聞『狩猟ってなあに C'est quoi, la chasse 』などを読みました。

狩猟は、" 余暇で、生き物を殺すこと " ですから、これに反対する人は少なくありません。また銃をつかう活動ですから、いくつもの規制があります。狩猟免許が必要ですし、"...il faut passer un examen : le permis de chasse. Il faut... respecter des règles strictes..." 解禁期間も設けられています 。

狩猟愛好家にとって、狩猟は伝統であり、自然界のバランス維持にも一役買っていると主張する人もいます "Certains chasseurs pensent avoir un rôle à jouer pour la biodiversité "

賛成派と反対派の溝は深いようですが、それでもうまい着地点をみつけようと、両者ともにいろいろ考えを練っているのだそうです " Actuellement, chasseurs et non-chasseurs réfléchissent au moyen de mieux vivre ensemble.。ちなみに、猟は猟でも、徒歩ではなく、馬を駆り猟犬をつれての猟は、la vénerie または la chasse à courre, 「狩猟の」という形容詞は cynégétique ですね。

© A la page 2023, Editions Asahi

© 2023 Milan Presse

上級

今週は『地下鉄のザジ Zazie dans le métro 』です。

前回は、ガブリエル一行と、ビストロのボーイたちとが、大乱闘をひきおこし、ガブリエルたちが全員をノックアウトして、「それではさて、カフェクレ―ムでも頂くか」ということになったところでした。

* * *

テュランドは、オオムのラヴェル・デュールが無事だったのみて一安心。早速、カウンターの背後にまわって、ガブリエルが所望するカフェ・クレームをつくります。が、機械がうまく作動しません。手にやけどをしたり、顔に蒸気がかかったり "...il commença par s'ébouillanter une main... ... ... venait de s'envoyer un jet de vapeur en pleine poire " 。 そこで、ノックダウンしているボーイを一人、起こして連れてきてカフェ・クレームを入れさせます。目をさましたザジは「私にはクリームの膜をつけて ! 」などと注文をつけています。

ガブリエルは、そろそろザジを駅まで送り届けないと…と思っているところでしたが、グリドゥに「店の外を見たか」と問われます。 見ればなんと軍隊が陣取っているではありませんか !!

* * *

「マルセリーヌに電話をしなくちゃ」とあわてるガブリエル。ボーイは「こりゃ、大変なことになる」とこぼします。これを聞いたムアック夫人はすかさずボーイに向かって「あんたはお呼びでないの」とチクリ。実は、この台詞、かつてムアック夫人自身がザジに言われたものでしたが…。

ガブリエルが戻ってきました。「マルセリースが電話にでない」と気をもんでいます。
けわしい顔の軍服の兵士たちが少しずつ近づてきます。その軍人の真中にいるのは、なんとトルスカイヨン !!    かの偽巡査です。ムアック夫人は思わず駆け寄ろうとしました "...la veuve Mouaque manifesta l'intention de se précipiter vers les assaillants " 。

が、その夫人に向かって機関銃がはなたれました。ムアック夫人は、自分の腑を手につかんで、その場に倒れてしまいました。ザジは卒倒。
トルスカイヨンは前に進み出て、店にはいり、ムアック夫人をまたいで、こう述べます。

「我が名はアルン・アラシド。貴殿らがすでに御存知の者だ。ある時は女子供を追いまわし、ある時は巡査に変装した男。私は変幻自在。不確かさと過ちとを身にまとう男。滑稽も愚行もなんのその。私は、貴殿らの軽佻な意識から姿を消したものの、ただちにこうして今再び、この世に君臨する者として姿をあらわしたのだ " A peine disparu par vos consciences légès, je réapparais en triomphateur..." 」と、こう述べて胸を反り返らせます。

そこヘオウムのラヴェデュールが「おしゃべり、おしゃべり、おまえの・・・」とお決まりのせりふを吐いたものですから、すかさずトルスカイヨンことアルン・アラシドは「おや、食ったらうまそうだな」と脅し、脅されたチュラントは大あわてで「とんでもない」と鳥かごを大事にかかえこむのでした。

次回は p236 の " Sur ces mots, il commence à s'enfoncer dans le sol ainsi d'ailleurs que Gabriel, Zazie et Gridoux. " からです。



© "Zazie dans le métro ", Raymond Queneau, Folio

2023年9月26日

中級

今週は16 課、テーマは『 ビデオゲーム Les jeux vidéo 』です。

昨今は、ヴァーチャルな世界で活動する人が増えているそうです。コロナ禍で外出が禁止された期間にはそれに拍車がかかりました。画面上で、美術館や博物館を訪れたり、友人と会ったり、買い物したり・・・そんなヴァーチャルな活動が可能になりました " A cause de la Covid-19... ... ... les gens pouvaient faire de nombreuses activités, virtuellement bien sûr : visiter des musés, rencontrer des amis, faire du shopping "

一方、ビデオゲームもヴォーチャルな世界を繰りひろげます。このゲームには、効果音や音楽が必須です。ビデオゲームの中でコンサートが開かれることもあるそうです。U2 という音楽グループは、音楽とビデオゲームとのフュージョンをいち早く手掛けたそうです。かくして今や、音楽業界とビデオゲーム業界とはまさしくウィン・ウィンの関係にあるのだそうです " Pour l'industrie musicale et pour celle du jeu vidéo, c'est gagnant-gagnant "

© A la page 2023, Editions Asahi

上級

今週は『 Le voleur d'ombres 影泥棒』です。前回、初めて読み始めました。出だしは「僕」が転校して新しい学校に入るところから。新学期。新しいクラスでは、僕みたいに眼鏡をかけているのは少数派。背もクラスで一番小さかった僕は、マルケスという何もかにもが僕とは正反対の同級生に目をつけられてしまった…という話しでした。

* * *

初めての英語の授業でシェファー先生にまじめに答えなかったせいで、僕は罰をくらった。土曜の休みの日に、罰として 3 時間、中庭の落ち葉掃きをするはめになった " J'héritai illico d'une colle de Mme Schaeffer ... : trois heures à ramasser les feuillles dans la cour. "
悪いことはそれだけじゃなかった。火曜と水曜には、マルケスに足払いをくらって大の字にたおれた。みんなが笑って、マルケスは満足げだったけれど、まだ序の口という顔をしていた。案の定、次の日には、ロッカーのなかに閉じ込められてしまった。たまたま掃除をしていた用務員のおじさんに助けてもらったけれど、算数の時間に遅刻。土曜日の 3 時間の罰が、4 時間に延長された。

© 2023 少年サッカー
育成ドットコム

金曜日はさらにひどかった。マルケスは食堂からトマトをかっさらってきて、それを力いっぱい投げた。トマトは僕の眼鏡のうえでつぶれた " Elle (la tomate) atterrit directement sur mes lunettes " 。すぐ前の物理の授業で、僕たちは万有引力のことを学んだ。それによれば 2 つの物体は互いに引きつけあっていて、その力はそれぞれの物体の重心に向かっているらしい。この理屈でいけば、マルケスの投げたトマトは僕のおなかにあたるはずだった…"...la direction empruntée par la tomate ne suivit pas du tout la droite passant par le centre de gravitéde mon corps " 。でもそうはならなかった。みんな笑った。エリザベスも…。

家に帰って、僕は、お母さんに罰の連絡帳をわたしたまま、おなかがすいていないと言って、2 階に上がって寝た…。

問題の土曜日。僕は一人校庭にでかけた。用務のおじさんに道具を渡してもらって、落ち葉掃きをはじめた。30 分もすると、おじさんがやってきて、手伝ってくれた。おじさんは「そう言えばロッカーに閉じ込められていたのも君じゃなかったかね。こんな罰をくらうなんて、何をしでかしたんだね」などと、いろいろ聞いてきた。しまいに「じゃあ君の得意なものはなんだね」とたずねられて、僕ははたと困った。いろいろ頭をひねった末に、「夜を思いどおりにあやつれること」と答えてしまった。イヴ --- イヴというのが用務員のおじさんの名前だ --- はあっはっはと声をあげて笑った。でも、すぐに「ごめんよ。思いもよらない返事だったから」と笑ったことを詫びた。

次回は p27 の " Et pourquoi voudrais-tu apprivoiser la nuit ? ... " からです。

© " Le voleur d'ombres ", Marc LEVY, Edition Robert Laffont