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Article 9. Aspirant sincèrement à une paix internationale fondée sur la justice et l'ordre, le peuple japonais renonce à jamais à la guerre en tant que droit souverain de la nation, ou à la menace, ou à l'usage de la force comme moyen de reglement des conflits internationaux. Les hommes naissent et demeurent libres et égaux en droits.

かまくらフランス語教室

備 忘 録

Les hommes naissent et demeurent libres et égaux en droits.
かまくらフランス語教室
Article 9. Aspirant sincèrement à une paix internationale fondée
備 忘 録
sur la justice et l'ordre, le peuple japonais renonce à jamais à la guerre en tant que droit souverain de la nation, ou à la menace, ou à l'usage de la force comme moyen de reglement des conflits internationaux.

2023年11月7日

中級

今週のテーマは『 鳥類と生物多様性 Les oiseaux et lq biodiversité 』でした。

フランスでは鳥の数が、この 30 年で 30% もへったそうです " En France le nombre d'oiseaux a baissé de 30 % en trente ans. " 。産業革命以来の人間の活動が、生物の多様性におおきな変化をもたらしているようです "...depuis le début de la révolution industrielle, ...elles (les activités humaines ) ont de graves conséquences sur la biodiversité "

鳥がたくさんいることは環境が良いことの証しなのですが、一定の鳥が増えることは必ずしも歓迎することでありません。あらゆる環境で生きられる鳥 (= les oiseaux généralistes...qui peuvent s'adapter à tous les milieux ) が増えれば、その地域だけでしか生息できない鳥を駆逐してしまうからです。それによって生物の多様性もそこなわれてしまいます " Cela provoque une uniformisation de la biodiversité "

© A la page 2023, Editions Asahi

上級

前回から新しい小説を読みはじめました。ミュエル・バルベりの『優雅なハリネズミ』です。

主人公はルネ。8 つのアパルトマンがはいっている広大な住まいの管理人をしています。実はとても教養ある人です。いつも精神を高めたいと秘かに思っています。しかし世間は管理人をそういう目でみてくれません。ですのでルネは、周囲が思うとおりの管理人を装うことに腐心してきました。そんな書き出しでした。

* * *

周囲がえがく管理人像は、例えば、たえずテレビを見ていて管理人の住いから、その音がもれている…そんなイメージです。あるいは始終、煮込み料理を作っていて、その匂いを辺りにプンプンと漂わせている・・・そんな像でしょうか。

しかしルネは実は、たいへんな美食家。世間の管理人像に従うのなら、カスレやらポトフやらをいつも作っていなければなりません。
ところが 27 年も前のことですが、2階に住む上院議長のドゥ・ブログリ氏が管理人になりたてのルネにむかって、こう忠告したのでした。「庶民くさい匂いをこの住いに漂よわせることは厳に慎むように」と。慇懃でしたが、有無をいわさぬ口調でした。ルネが内心ホッとしたのは、言うまでもありません。まわりの思い込みにしたがって、煮込み料理を作らねばならないとしたら大きな苦痛をともなったことでしょうから。

こうしてとにもかくにも料理の問題ははやばやと片づいたのですが、テレビのほうは少しやっかいでした。夫のリュシアンが存命中は問題ありませんでした。彼が四六時中テレビをつけていて、その音がホールに漏れ届いていたからです。しかしリュシアン亡きあとは工夫が必要でした。テレビはそのままにし、ルネは奥の部屋にこもることにしました。こもってしまうと、住人の出入りが確認できません。ですから赤外線装置をとりつけて、把握できるようにしました。そして一人、奥の部屋で古典を読み、マーラーを聴き、『ベニスに死す』に心を震わせていたのでした。

* * * ある女の子の独白 * * *

( どうやらこの女の子は、ルネが管理人をしているアパルトマンの住人のようなのですが… )
「大人は、時には腰をおちつけて人生という災厄を見つめることもあるのね。でもあの人たちは、ブンブン言いながらガラス窓にぶつかっているハエみたい。人生の歯車にからめとられて、嘆いてみたり、落ち込んでみたり…。頭のいい人は、ブルジョアの人生は空疎だ、なんて悟ってみせているけど」。

次回は p19の " Il y a des cyniques dans ce genre qui dînent à la table de papa... " からです。

© " L'élégance du hérisson ", Muriel Barbery , Editions Gallimard

2023年11月14日

中級

今週は最終課 (!!)『 ペール・ラシェーズ墓地 Le cimtière du Père-Lachaise 』についてです。

パリは活気ある大都市ですが、しずかな散策をのぞむのであれば、ペール・ラシェーズ墓地は恰好の場所です。広さは 44 ヘクタール。7 万のお墓 ( の区画 ) があるそうです "...elle ( la nécropole ) s'étend sur 44 hectares et totalise 70 000 concessions "
いろいろな生き物や植物も生息しています。除草剤の使用を禁止したことが功を奏したようです。

歴史に名をのこした人たちがたくさん眠っていますし、意匠を凝らした墓石や廟などが見られます。ですから「屋根のない美術館」と呼ばれることもあるそうです " On qualifie souvent le cimetière du Père-Lachaise de musée à ciel ouvert " 。

オスカー・ワイルドの墓

ところで、19 世紀までのパリの墓地は不衛生でした。そのため、それにかわる墓地として東にペール・ラシェーズ墓地が、そして北にモンマルトル墓地、西にパッシー墓地、南にモンパルナス墓地がつくられたのだそうです。撤去されたお墓にあった骨は、パリのカタコンブ ( 地下納骨堂 ) Catacombes de Paris におさめられました。

パリのカタコンブ

© A la page 2023, Editions Asahi

上級

今週は『影泥棒 Le voleur d'ombres 』です。
前回は、僕が学校で罰をうけたことで、お父さんにしかられるかもしれないと、はらはらしながら帰宅したところからでした。お父さんはしかるどころか、僕の手をにぎって「お母さんと別れることになった」と告げ、家を去ったのでした。悲しげなお母さんのかたわらで、僕はすっかりマルチスのいじわるのことを忘れていました。週明け、学校の休み時間には案の定、マルクスにいびられましたが、やがて用務員のおじさんのイヴが深刻な顔をして、僕のところにやってきて…というところまででした。

* * * *

「お父さんのことは、気の毒だったね」とイヴが言いました。なぜイヴが僕の家のことを知っているのか、僕は心底おどろきました " Comment pouvait-il connaître la nouvelle ? "。イヴはさらに付けくわえます。「私の父親はひどい人だった。だから私が先に家を出たよ。私に手をあげることはなかったけれど」と。

でも僕はイヴの影を踏んだせいで、イヴがお父さんに折檻されていたことを知っていました。だから「それは違う。お父さんにぶたれていたじゃないか " Je sais bien que votre père vous frappait...vous donnait une rouste avec sa ceinture " 」とつい口をすべらせてしまいました。もしかしたら、イヴに僕の不思議な影のことを知ってもらいたかったのかもしれません.

でもイブはまず、僕の家のことを知った経緯を話してくれました。「たまたま校長室に手紙を届けたら、校長先生と僕のお母さんが電話で話しをしていて、それで知ったんだ」と説明してくれました。だから今度は、僕がなぜイヴの小さい頃のこと知っているのかを話す番だったのですが " Bon, je t'ai dit comment j'ai su pour ton père, reprit Yves, maintenant à ton tour " 、ちょうどその時、授業の始業ベルがなったのでした。。

次の英語の授業も、お昼ごはんの時も、午後の休み時間でも、僕はずっと「母さんはなぜ校長先生に僕たちのことを話したのか…」と不思議で仕方ありませんでした。帰ったらお母さんに問いつめなくちゃと思っていましたが、でも家につくや、思い返しました。そんなことをしたら、イヴを裏ぎることになるからです。 
次回は、p38の " En compromettant le gardien, je conpromettait aussi les chances que notre camaraderie devienne un jour une belle amitié " からです。



© " Le voleur d'ombres ", Marc LEVY, Edition Robert Laffont

2023年11月14日

お休みさせていただきました。m(__)m

2023年11月14日

中級

今週もテキストの最終課です。テキストを読了しました !!     とても嬉しいですね。
20 課のテーマは『 ペール・ラシェーズ墓地 Le cimtière du Père-Lachaise 』でしたから、これにあわせて、フランスのお墓事情を少しのぞいてみます。

フランスでは墓地は、市町村 ( la commune ) が管理していて、すべて公設なのだそうです。ですので自治体に区画の使用届けをだして使用料を払って、お墓をたてます。使用期間 ( la durrée de la concession ) は 5 ~50 年。永代契約 ( la concession perpétuelle ) もあるそうです。

そして期限がすぎると更新がないかぎり、市町村に返されます。埋葬されていたものは掘りだされて、共同の納骨堂 ossuaire に入れられるそうです。

© A la page 2023, Editions Asahi

上級

今週は『影泥棒 Le voleur d'ombres 』です。
前回は、僕が学校につくと、イブが深刻な顔をして話しかけてきたところからでした。イヴは、僕のお父さんとお母さんが別れたことを知っていました。僕はとても驚きましたが、それは、お母さんが校長先生に電話で話したからで、そこにたまたまイヴが居合わせていたのだそうです。

僕は僕で、イヴの子供時代のことをうっかり口にしたために、どうしてそんなことを知っているのかをイヴに説明せねばならなかったのですが、始業のベルがなって果たせませんでした。

* * * *

お父さんが出ていってしまって以来、お母さんはほとんど口をきかなくなりました " Depuis le départ de papa, elle ne parlait presque plus... " 。イヴは、「時には時間が解決してくれることもある」と言っていたけれど、しばらくしたらまたお母さんは以前のように、寝室にきておやすみのキスをしてくれるようになるのでしょうか。

10月は曇天続きでした。あの不思議な影のことが気になって、いつ太陽がでてくるかと空をうかがっていたけれど " je guettais l'apparition d'un rayon de soleil..." 、ようやく青い空が戻って来ました 。

© ledemocratebergerac.fr

ある晴れた日、僕たち 6C のクラスは、草花の標本づくりのために、貸し切りバスで森にでかけました。マルケスはまるで軍曹になったみたいに、みんなを先導していました " Marquès guidait la marche tel un sergent-chef " 。でもぼくはコナラの木の根元に生えていたキノコに気をとられていたので、知らないうちにみんなから外れてしまっていました。先生の呼び声がかすかに聞こえました。僕もあらんかぎりの声で叫びました "J'entendis au loin notre professeur crier mon prénom... ... ...je hurlai de toutes mes forces ... " 。でもとうとう誰の声も届かなくなってしまいました。高いカエデの木をみあげました。太陽が傾き始めています。僕はだんだん怖くなってきました。そして考えました。もし今晩、僕が帰れなかったら、お母さんは一人ぼっちでどうなるだろうかって。
次回は、p41の " Jamais elle ne me pardonnerait de l'avoir abandonnée ainsi, ... " からです。

© " Le voleur d'ombres ", Marc LEVY, Edition Robert Laffont