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2017年8月1日

初級

スタンダールの生家
©Matthieu Riegler

今回もロナルプ地方です。テキストには、グルノーブル生まれのスタンダール Stendhal が登場。『赤と黒 Le Rouge et le Noir 』の作者です。タイトルの赤は軍人、黒は聖職者の衣の色を表しているそうです。時は19世紀。軍人・貴族・聖職者の支配層のどれにも属していないジュリアンは、聖職者になって立身しようと考えています。が、貴族の婦人との恋を出世の道具にしたと非難されて事件を起こし、死刑判決をくだされます(と書いてしまうと随分殺伐とした感じですが、小説はもっと細やかです)…。

パリコミューンを先導
したルイーズ・ミシェル
Louise Michel

テキストには『サクランボの実る頃 Le temps des cerises 』の歌も載っていましたので、やや古いながらも、コーラ・ヴォケール Cora Vaucaire のしっとりとした歌声を聴いてみました。教室でも歌ってみましたが、なかなかの名調子でした !! この歌、一説にはパリコミューンを歌ったものとされているようです。パリコミューンも19世紀のこと。ちょっとタイムスリップした今回のレッスンでした !!

次回はp41からです。

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中級

1954年5月7日のLe Praisien紙
© 2017 ARTE G.E.I.E.

今週は14課、タイトルは『ディエンビエンフー Diên Biên Phu』。インドシナ戦争にかかわるとても重いテーマです…。

ベトナムは、1954年まで70年間近くフランスの植民地でした(ダナンの戦いを含めれば100年近く)。 De 1887 à 1954, la France avait une colonie...au Vietnam... ベトナムの人が自分の土地・国を取りもどし、独立したいと願うのは当然のこと。時はウィシー政権下。インドシナでのフランスは弱体化していましたが、ディエンビエンフーに基地を置き、大攻勢を計ります C'est là( à Diê Biên Phu) que la France a installé son camp militaire pour attaquer son ennemi 。アメリカの支援も受けてはいましたが、このディエンビエンフーで大敗。ベトナムは独立を果たすものの、ジュネーヴ協定で国が北と南に分断。その後も平和が訪れなかったことはご存知の通り…。

テキストの前書きにも記されていましたが、日本もベトナムに力づくで入り(仏印進駐)、フランスと共同でベトナムを統治をしていました…。インドシナ戦争の前のことです。

全てフランス語ですが、こちらのINA(フランス国立視聴覚研究所)のサイトで、当時の映像を見ることができます。

© "A la page 2017" Editions Asahi

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上級

"The Stranger"
by L.Visconti

(テキストでは、ムルソーが一人称で語っていますが、このまとめでは三人称で記しています)

今週は"L'Etranger" です。

証人の喚問は終わりました。つづく論告を、ムルソーは思い返しています…「検事も弁護人も、私(ムルソー)が犯したことより、私の性格や日常についてばかり取り沙汰していた…」と je peux dire qu'on a beaucoup parlé de moi et peut-être plus de moi que de mon crime 。ムルソーに発言する機会はほとんどなく、まるで当事者抜きの裁判であるかのよう on avait l'air de traiter cette affaire en dehors de moi。自分の運命が他人にゆだねられているようでもありました Mon sort se réglait sans qu'on prenne mon avis 。とはいえ、ムルソーがなにかを訴えたいかというとそうでもなく Mais réflexion faite, je n'avais rien à dire 、検事の論告もうる覚えです。

ただし断片的な記憶ながら、ムルソーにとってはショックなことばもありました Ce sont...des fragments...détachées de l'ensemble, qui m'on frappé...。

検事は陪審員に向かって熱弁。「これは単なる殺人ではなく、十分に考えぬいた上の犯行であり、情状酌量の余地はない il ne s'agit pas d'un assassinat ordinaire, d'un acte irréfléchi que vous pourriez estimer atténué par les circonstances 」。「実際にあった出来事と、ムルソーという男の心理面との両方から、犯行は計画的であったことを証明してみせる j'en ferai la preuve, messieurs, et je la ferai doublement 」というものでした。

次回も、検事の言葉の続きです。Cet homme, messieurs, cet homme est intelligent. からです。

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2017年8月8日

初級

マリア・
レティツィア・ボナパルト

いよいよ最後の課となりました。旅先はコルシカ島。まずはガイドさんに案内してもらって、レティツィア広場です " Mesdames et messieurs, nous sommes maintenant sur la petite place Letizia" 。レティツィアとは、ほぼ女手一つで8人の子供を育てあげた女性。そしてその2番目の子がナポレオン・ボナパルト。

広場の目の前にその生家 la Casa Buonaparte があります。

次回は7行目から。コルシカの自然とコルシカの人達に触れることになりそうです !!

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中級

今週は15課『ラスコーの洞窟』です。モンティニャック Montignac の森で、青年たちがたまたま見つけた穴 L'entrée de la grotte de Lascaux a été découverte par hasard. Des adolescents se promenaient...Il y a vait un trou...。それが世紀の大発見になりました。全長 250m の洞窟には、高さが 7m もある"部屋"があるそうです。描かれた牛の絵は、教科書の写真などで見てはいましたが、それが 2m もあるとは知りませんでした。

レプリカの作製現場

フランス国立考古学博物館のこちらのページで、3D の洞のなかを進んでいきながら、でこぼこの壁に描かれたウシ・ウマ・シカ・バイソン…を見ることができます。躍動してダイナミックです。サイトを見るだけでも圧巻。眼福でした !!

現在、実際に訪れることができるのはレプリカの洞窟ですが、本当の洞窟を忠実に再現しているそうです

© "A la page 2017" Editions Asahi

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上級

今週は、第七回目の " Le collier rouger" です。こちらにまとめました
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2017年08月22日

初級

コルシカ島をもって全12課終了 !!

パリを皮切りに、随分と足をのばしました。楽しい旅でした…。

次回は巻末の練習問題をいたします。

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中級

カキ用のきれいなお皿

今回のテーマは『カキ』。フランスのカキの生産は、ヨーロッパの90%を占めるほど盛んなようです。カキの種類はごまんとあるようですが Il y a plusieurs variétés d'huîtres dans le monde 、養殖ガキの90%は "Crassostrea gigas" というもの(舌をかみそうです…) ...La "Crassostresa gigas" représente 90% des huîtres d'élevage 。英語ではパシフィク・オイスターといい、その実、はやい話しが日本のマガキなのだそうです。

1970年代、フランスのカキは病気で絶滅の危機に。その際に、病気に耐性のあるマガキが日本から送られ、養殖産業の持続が可能になったそうです。そして2011年の大震災。壊滅的な被害にあった三陸に、養殖機材や交配用の母貝がフランスから空輸されたそうです。「フランスお返し」というプロジェクトだったそうです Cette opération d'aide a été appelée "France O-Kaeshi" 。

最後に、テキストに書かれてあったアドバイス。「カキは飲み込んではいけません。よく噛んでいただきましょう Attention : il ne faut pas la(=l'huître) gober, mais il faut la mâcher! 」。

© "A la page 2017" Editions Asahi
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上級

今週は"L'Etranger" です。

「この男は利発な男です。自分のしたことを理解していないわけがありません 」と検事。利発という言葉が何度か繰り返されました。"被告だと、利発であることが重い枷になるのか "と検事の言葉を反芻するムルソー...je ne comprenais pas bien comment les qualités d'un homme ordinaire pouvaient devenir des charges écrasantes contre un coupable 。

検事は被告席の方に向き直り、ムルソーを指さしながらなおも糾弾を続けます il s'est tourné vers moi et m'a désigné du doigt en continuant à m'accabler ...。「この男は自分のしたことを一度でも悔やんだことがあるでしょうか。予審のあいだも決して心の動揺を見せたことがありません Pas une seule fois au cours de l'instruction cet homme n'a paru ému de son abominable forfait 。」

検事の畳みかけるような言葉に、ムルソーは、丁寧に反論してみたいとも考えますが、それも叶いません。

「この男には魂がない Il disait que...je(=Meursaut) n'en avais point, d'âme...。人間的な心を持つことができなかった。この法廷では、その心の欠落を憐れむだけで済ますわけにはいかないのです」。こう詰め寄りながら、ムルソーが母親にたいしてどう振る舞っていたか、すでに弁論で何度も語られてきたことを繰り返す検事...il a parlé de mon attitude envers maman...a répété ce qu'il avait dit pendant les débats 。

もはやムルソーはうだるような暑さも感じなくなっていましたが、検事はなおも続けます。「明日この同じ法廷で親族殺人が裁かれます。この世に出してくれた親に手をかけた男と、精神的に母親を抹殺していた男とは、どちらも人間社会に背をむけた者であるという点で違いはありません...un homme qui tuait moralement sa mère se retranchait de la société des hommes au même titre que celui qui portait une main meurtrière sur l'auteur de ses jours 。母を精神的に抹殺したことが次の殺人を生んだだけでなく、それをこの男は正当化しているのです」。検事は顔に光る汗をぬぐいながら「死刑を求刑します Je vous demande la tête de cet homme 。これまでにも死刑を求刑したことはあります。つらいが義務として果たしてきました。しかし今日ほど晴朗な気持ちでこの務めを果たしたことはありません。」

次回は、"Quand le procureur s'est rassis il y a eu un moment de silence ..." からです。

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2017年08月29日

初級

しばらく巻末の文法問題をします。
時々気分転換しながら、総おさらいをしましょう。

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中級

© Carol Bertolotti

今週のテーマは『ゲンスブール』です。詩を書き、曲をつけ、歌う C'était...un grand auteur, compositeur et interprète 。絵も描けば、役もこなし、映画も作る Il était...peintre, acteur, réalisateur …多才なゲンスブール。タブーとされるテーマをあつかい Dans certains films et chansons, il parlait de sujets tabous 、必ずしも多くの人に理解されてはいなかったようです Le public et les médias ne comprenaient pas toujours son oeuvre 。毀誉褒貶も激しければ Il était à la fois admiré et critiqué 、人の好き嫌いもはっきりしていた(?) のかもしれません…。

とはいえ、その声は、けだるいのに太くてよく通る低音。歌詞に酔うこともあれば、隠れた意味にドキリとしたり(個人的にはアリャマと思ったり)…。

© "A la page 2017" Editions Asahi
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上級

今週は、第八回目の " Le collier rouge " です。こちらにまとめました

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2017年8月