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2021年3月2日

初級

今回は、二コラ・プッサンの『アルカディアの羊飼い』のテキストを読む…はずでした。が、少々カン違いをして新しい課の文法をしてしまいました m(__)m 。おさらいした内容は「代名動詞」と「過去分詞の性数一致」。

「過去分詞の性数一致」の決まりとは ・・・

  •  ① 複合過去形の文で、
  •  ② 直接目的語が
  •  ③ 動詞 ( 過去分詞 ) より前に位置していたら、

  • ⇒ 直接目的語の性数に応じて、過去分詞が変形します。例えば・・・
  • Voilà les fleurs que j'ai achetées tout à l'heure.
  • Ces fleurs, je les ai mises dans une vase.
  • Nous nous sommes vus hier.
  • Nous nous sommes parlé hier.( ... nous は間接目的語です。直接目的語ではないので、過去分詞は変化なしです)

© Au Musée du Louvre, Editions Asahi

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中級

© STR(FILES) 左端に
坐っているのがクーベルタン

今回のタイトルは『 Paris prépare les Jeux-Olympiques 2024 2024年のパリ・オリンピック開催に向けて 』。

オリンピックを創始したのはクーベルタン氏ですが、当時の考古学調査(les) fouilles menées par des archéologues もオリンピック開始に一役買ったようです。氏は、発掘された古代競技場でのオランピヤードに魅せられ、現代オリンピックの再興をめざしたとのこと Le Baron de Coubertin a été fasciné...par "les Olympiades" pour son projet de rétablissement des Jeux Olympiques

パリ・オリンピック会場

ところで2024年のオリンピックはパリで開かれますが、「コンパクトな大会」を目指しているそうです。ですから競技会場の 8 割は、オリンピック・パラリンピック村から10km 以内にあります。しかももともとある建物が活用されるとか。たとえばル・グラン・パレはフェンシング会場に…le Grand Palais abritera l'escrime 、シャンド・マルスはビーチバレー場に…、そして乗馬はベルサイユ宮殿の庭園でなされるそうです  les épreuves d'équitation auront lieu dans les jardins du Château de Versailles

© Perpectives - l'actualité française en 12 textes    白水社

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上級

今週は "L'homme qui plantait des arbres" です。前回の記録はこちらです。

家のなかは塵一つなく片付いており、よく見れば男の服もていねいに繕われてありました。男のかたわらには牧羊犬が静かに寄りそっています。

この家の周囲には、炭焼きで暮らしをたてている集落がいくつかあるはずですが、たどり着くのには一日半かかります。ですから私がこの家に泊まることを、男は、最初から当然のことと思っていたようでした。,

夕食後、男は小さな袋から木の実を取り出してテーブルの上に広げ、一つ一つ調べては選り分け始めます。手伝いましょうかと尋ねると、男は、いや、これは私の仕事だからと答えるだけでした。注意深く選り分けているさまを見ると、余計な手出しは無用でした。きず一つない粒揃いのドングリが100個になったところで作業は終わりました。

翌朝、私は男にもう一日、居させてもらえないかと尋ねます。もちろんという答えでした。人がいてもいなくても、なにかに惑わされることのない人なのでしょう。

彼は羊の放牧に出かけていきました。昨晩のどんぐりの袋もたずさえています。私も散策のつもりで羊の群れと並ぶようにして歩いて行きました。そんな時です。めったに口を開かない男に、もしよければこちらに来ないか、と誘われたのでした。

© Folio cadet "L'homme qui plantait des arbres"

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2021年3月9日

初級

今回のテキストは二コラ・プッサンの『Bergers d'Arcadie アルカディアの牧人』です。テーマは " メメント・モリ " 。

* * * * *

ここは理想郷とされているアルカディア...nous sommes en Arcadie...。石碑のまえに 3 人の羊飼いと女神(と思しき女性)がいます。碑にはラテン語で " Et in Arcadia ego " と刻まれています。羊飼いの一人はどうやら女神にむかってその意味をたずねているようです Un berger semble lui(la déesse ) poser une question 。はてさて、その答えとは…

Barthelemy d'Eyck
アルカディアの墓

" アルカディアのような理想郷にさえ、「私 = 死」は存在する "…そんな意味であったようです。

© Au Musée du Louvre, Editions Asahi

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中級

© STR(FILES)
スタートアップ支援機構のロゴ

今回のタイトルは『 La France, une nation de startups? フランスはスタートアップの国か』です。

スタートアップ( la startup あるいは la sart-up 。女性名詞です)とは何ぞやということはちょっと置いといて…、フランスは、アメリカやシンガポールに次ぐスタートアップ大国。スタートアップにはリスクがつきものなのですが、フランス政府はそれを見越した支援体制を整えているのだそうです。

化粧品調合器

で、肝心のスタートアップですが…新規の技術やアイデアを持っている人と、それに投資してくれる人とが一緒になって起こす企業を指す (?) のだそうです。投資するのはベンチャー・キャピタル société du capital-risque 。フランス政府は、コロナ禍で低迷する経済復興の柱にしているようです。

テキストには、資金調達に成功した新規事業の一例としてこんな製品が載っていました…自宅でできる化粧品の調合装置 !!
十分も経たぬうちに、自分にぴったりのクリーム、香水、シャンプー、歯磨剤が作れてしまうのだとか En moins de dix minutes, elle(la machine) vous réalise des crèmes, du parfum, du shampoing ou des dentifirices personnalisés (これは家になくてもいいかなあ…)

© Perpectives - l'actualité française en 12 textes    白水社

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上級

今週は Pierre et Jean" です。

ピエールは、" 誰かに話しを聞いてもらいたい、慰めてもらいたい" そんな思いにかられて...il se sentait au coeur... une envie de parler, d'être écouté et consolé …、薬屋のマロウスコ氏を訪れます。

マロウスコ氏はピエールが約束どおり開業してくれれば、少しは生活が楽になると、前々から期待を寄せていました。そのピエールがやってきて、「船医になって来月にはアーヴル港を発つ」と伝えたのです。マロウスコ氏は思わずメガネをはずし、何ですって聞き返します Marowsko ôta ses lunettes... "Vous...vous... qu'ests-ce que vous dites là? "

ポーランドからの亡命者であるマロウスコ氏には思うところがあり「あなた方フランス人は約束を守らない註1...le Polonais...faisant allusion...à des événements pollitiques...Vous autres Français, vous ne tenez pas vos promesses とピエールを責めます。ピエールもまた、「それはあんまりだ Vous êtes injuste, père Marowsko 。そうせねばならない止むにやまれぬ理由があっての決心なのにPour se décider à ce que j'ai fait, il faut de puissants motifs 、わかってもらえないとは」と言いのこしてマロウスコ氏のもとを去ります。 

ビヤホールにも寄りましたが、店は人とたばこの煙でごった返していて La brasserie était...remplie de monde et remplie de fumé 、お目当てのウェートレスには相手にしてもらえずじまいでした。次回は Quand il rentra, le soir, à la maison,sa mère lui dit ...からです。


註1 ポーランドでは、1830年、ロシアの実質的な支配に対する蜂起がありました。フランスはポーランドを支援する約束をしていましたが、これを反故にしました。そのためワルシャワは陥落。マロウスコ氏にはこのことが念頭にあったのかもしれません。ちなみにショパンは旅先で首都の陥落を知り、『革命』を作曲したそうです。

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2021年3月16日

初級

"メズダン"
A.Watteau

今週は 9 課。アントワーヌ・ワットー Antoine Watteau の絵を観ます。が、まずは練習問題。文法三昧でした ネエ…

その中でfaire と laisser の問題がでてきましたが、(なんと ! ) 以前にも練習をしていたようです。どうぞこちらをのぞいてみてください。

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中級

グループ・アクロップ
© M.Cavalca

今回のタイトルは『L'immigration et la culture française 移民とフランス文化』です。

カデル・アトゥ Kader Attou は、1974年生まれのストリート・ダンサー。アクロラップ Accrorap というグループを起ちあげ、その見事な振り付けと踊りで注目を浴びます。その後は、リヨンのダンス・ビエンナーレで成功したのをかわきりに、クラシカルなダンスとは異なる舞台を世界に披露しているとのこと。

カデル・アトゥはリヨン郊外の出身です。テキストの言葉をかりるなら、「郊外」は、移民(とその次の世代)がおおく住んでおり、フランス社会と「憂慮すべき断絶」状態にあると言いますOn y observe ...un clivage social inquiétant...。そして「郊外」の若者たちはいわゆるお墨付きの文化やアカデミックな芸術教育から遠ざけられているとのこと...certains jeunes...éloignés de la culture officielle et marginalisés par l'enseignement académique de l'art...

しかしカデル・アトゥはその断絶をバネにしたようです。カデル・アトゥが演出するダンスは、人間にとっての普遍的なテーマ des sujets universels を呼びおこし、市井の誰もが抱く、ルーツや人生にかかわる問い l'interrogation perpétuelle...autour de l'origine et la vie d'un homme anonyme を見事に表現しているのだそうです。

© Perpectives - l'actualité française en 12 textes    白水社

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上級

今週は "L'homme qui plantait des arbres" です。

男について行くと、男は地面に鉄の棒で穴をあけ、そこにどんぐりの実を一つ入れ、土をかぶせました。カシの木を植えていたのでした。この土地の所有者が誰なのかは知らないとのことでしたが、知らないことを気にしている様子はありませんでした。

昼食後、男はふたたび木の実の選別をはじめます。私がしつこく尋ねたせいか、男はようやく口を開きはじめました。3 年前から、すでに10万のドングリを植えたとのこと。芽を出したのは 2 万本。そのうち 1 万のカシが育ちつつあるあるのだそうです。男の名はエルゼアル・ブフィエ。55 歳。家族を亡くしてからは山へうつり住み、犬と羊と暮らしているとのことでした。

「私」は年が若かったせいか、うっかりブフィエ氏の年齢を考えもせずに「30年もすれば見事な森になっているでしょうねえ」などと言ってしまいましたが、ブフィエ氏の答えはこうでした。「万が一生きていればの話しだが、そうだとすれば、もっと植えているはずだから、今の1万本などはほんの一部でしかなくなっているはずだ」。事実、ブフィエ氏はカシだけでなくブナやカバの木について調べ、小屋の横にカバの木の苗床をつくっていました。

翌日、私はブフィエ氏に別れをつげました。

翌年、第一次世界大戦が勃発。私は歩兵として 5 年間従軍。この間、ブフィエ氏のことはすっかり忘れていましたが、戦争が終わり私はふらりとあの荒れた高地を再び訪れてみることにしました。戦地で多くの死に接したせいか、ブフィエ氏が健在なさまを想像することができませんでした。

次回は p28 Il n'était pas mort. Il était même fort vert. からです。

© Folio cadet "L'homme qui plantait des arbres"

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2021年3月23日

初級

L'Embarquement
pour Chthère

今週はアントワーヌ・ワットーの『L'Embarquement pour Chthère シテール島への船出』のテキストを読みました。

乗船を待つたくさんの男女が描かれています。行き先は美と愛の女神が生まれたとされるシテール島 Cythère ...l'île où...Vénus ( Aphrodite ) est née 。画面右手のカップルをみてみると、男性が女性の耳に何かをささやいていたり l'homme chuchote quelque chose à l'oreille de la femme 、女性を立ち上がらせようと自分に引き寄せていたり l'homme tire à lui la femme assise pour essayer de la relever

ワットーはロココ時代(18世紀前半)の画家。バロック(17世紀)が荘厳で豪華絢爛な建築や芸術作品の時代だとすると、それに次ぐロココは、遊びが加わり(?)華奢で優美な表現が基調の時代ということのようです。

バロック (左) と ロココ (右)

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中級

今回のタイトルは『Paris, une ville verte ? パリは緑の都 ?』です。

パリは環境問題では、模範的な都市に変容しつつあるそうです...Paris se transforme en ville exemplaire en matière d'écologie 。建物が立っていない場所に占めるコンクリートの割合を大幅に削減し、公園での殺虫剤を禁止、2万本の樹を植え…といろいろな措置で、パリに生き物をよびもどしているようです。

© Time 大気汚染でかすむエッフェル塔

一方、大気汚染では北京の数値を超えることもあったパリですが、排気ガスの削減のために公共交通の無料化 les transports en commun gratuits を試みたり、日にちを変えて車の使用を禁止したり la circulation alternée 、バスや電車の「汚染対策割引券 " Forfait Antipollution" 」を設けたり…。

ところで2018年の G 7 サミットでは、「海洋プラスチック憲章」が取りまとめられました。フランスを含む5ヵ国は署名をしましたが、日本とアメリカは署名を拒否をしたとのこと En 2018...la France s'est engagée à signer avec les autres pays du G 7 une charte contre la pollution des océans ...le Japon seul avec les Etats-Unis a refusé de signer cette charte

汚染対策用の交通機関の割引チケット

© Perpectives - l'actualité française en 12 textes    白水社

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上級

今週は "Pierre et Jean" です。

ピエールが自宅に戻ると、ロラン夫人が伏し目がちに「下着と服は注文したけれど、他にまだ必要なものがあるんじゃない ? 」とピエールに尋ねます...sa mère lui dit, sans oser lever les yeux sur lui :"...n'as-tu besoin de rien autre...?" 。「いや、ない」というそっけない返事が口から出かけましたが、なんとか「船会社に問い合わせてみます」と穏やかに答えます。

ロレーヌ号の出航が1週間前にせまります。ピエールは神経をとがらせ、家族につらくあたることがおおくなりました Il était nerveux...sa parole brutale semblait fouetter tout le monde 。ところが出発前日になると態度は一転。「明日は最後の別れに港まで見送りに来てくれます ? 」 と家族に尋ねます。ロラン氏は即答します、「当り前じゃないか、ねえ、ルイーズ Mais oui, mais oui, parbleu. N'est-ce pas, Louise? 」 。

次回は Pierre reprit : "Nous partons à onze heures juse. " からです。

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2021年3月30日

初級

今週から 10 課。ラファエル Raphël の『La belle jardinière 美しき女庭師 』にまつわるテキストを読みます。その前に、いつものごとくまずは文法。受身等々のおさらいです。未来形や前未来の復習もありましたので、受身文をいろいろな時制や法にかえてみましょう。 ややこしく思われがちですが、受身の " être + 過去分詞 " の être を変化させるだけです

Le livre est lu par tout le monde. この本は皆に読まれている
Le livre seralu par tout le monde.この本は皆に読まれるでしょう
Le livre a étélu par tout le monde.この本は皆に読まれた
Le livre seraitlu par tout le monde.この本は皆に読まれるかもしれません
Le livre aurait étélu par tout le monde.この本は皆に読まれていたかもしれません

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中級

オペラ座観客席・ハャガールの絵天井

今回のタイトルは『Le Ballet national de l'Opéra de Paris 国立パリ・オペラ座バレエ団』です。

このバレエ団を設立したのは太陽王ことルイ14世。1661 年のことです。

歴史あるこのバレエ団の現在のメンバーはおよそ 150 名。ソロでおどれるバレリーナはわずかですが、さらに優れたダンサーにはエトワルの称号が与えられます。

勅使河原三郎とオペラ座のダンサー

しかしこのエトワルは 42 歳には引退しなければなりません。アディウと呼ばれる最終公演の最後は、紙吹雪と拍手がいつまでもやまないそうです。

ところで日本の舞踏家の勅使河原三郎氏ですが、彼はパリ・オペラ座バレエ団の依頼をうけて3 度、振り付けを行いました。3 度も依頼を受けたのは氏一人だそうです ...Saburo Teshigawara est le seul chorégraphe sollicité... trois fois"

© Perpectives - l'actualité française en 12 textes    白水社

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上級

© O. Descaux

今週は "L'homme qui plantait des arbres" です。

ブフィエ氏は亡くなってはいませんでした。むしろ若やいでいたくらいです。ブフィエ氏がかつて植えていたナラの木は私の背を超えていました。なんと 11km 先までずっと植わっているそうです。私は言葉を失いました。ブフィエ氏はもともと無口ですから、私達はおのずと黙ってあたりを散策することになりました " J'étais littéralement privé de paroles et, comme lui ne parlait pas, nous passâmes...en silence à nous promener....

© O. Descaux

ナラだけでなくブナの木も私の肩の高さまで育っていましたし、低地に植えられたカバノキの木立も見事でした。1915年、つまり私がヴェルダンで戦っていた頃に植えられたものでした。やや低地に植樹したのは、ブフィエ氏がそこに水脈があるにちがいないと踏んだからでした。驚いたことに、木々が植えられたことで、乾ききっていた河床にせせらぎがもどってきていました。この辺りは、考古学者たちによって、ガロ・ロマン時代の釣り針が発見された所だそうですが、人々が釣りをしていたのははるか昔のこと。それ以後、ここはずっとながい間、乾ききった土地だったのです。それがなんと、ブフィエ氏の植樹のおかげで、川がよみがえったのでした。

こうして、かつての荒涼とした山地は、木々のしげる山へと変わっていきましたが、あまりにゆっくりとした変化であったので気がつく人は誰もいませんでした。役所でさえ気づきませんでした。ブフィエ氏の、一つずつ実を植えていくという、この上なく単純で粘り強い作業の結果であることを知る人は誰もいないのでした。

次回は p37 " Il avait, pendant un an, planté plus de dix mille érables"からです。

© O. Descaux

© L'homme qui plantait des arbres par Jean Giono, Gallimard-jeunesse

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2021年3月