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Article 9. Aspirant sincèrement à une paix internationale fondée sur la justice et l'ordre, le peuple japonais renonce à jamais à la guerre en tant que droit souverain de la nation, ou à la menace, ou à l'usage de la force comme moyen de reglement des conflits internationaux. Les hommes naissent et demeurent libres et égaux en droits.

かまくらフランス語教室

備 忘 録

Les hommes naissent et demeurent libres et égaux en droits.
かまくらフランス語教室
Article 9. Aspirant sincèrement à une paix internationale fondée
備 忘 録
sur la justice et l'ordre, le peuple japonais renonce à jamais à la guerre en tant que droit souverain de la nation, ou à la menace, ou à l'usage de la force comme moyen de reglement des conflits internationaux.

2023年12月5日

中級

今週からあたらしいテキスト『 T'en penses quoi ? これ、どう思う ? 』です。
第一課のテーマは『 Ne rien perdre なにも無駄にしない 』です。

昨今ではカフェやレストランで、きれいに盛り付けられたフレンチトースト " pain perdu " bien présenté が出されることがあるそうです。でもフレンチトーストはもともと固くなった古いパンを無駄にしないために、牛乳と卵にひたして焼いたパン "...c'est du pain qu'on trempe dans du lait et des oeufs battus, avant de faire cuire le tout " 。家庭で食べるのが一般です。

「もったいない精神」がいきた調理方法だったわけですね。

© T'en penses quoi ? Editions Asahi

上級

今週は、ミュエル・バルベりの『優雅なハリネズミ』です。

前回は、まずはとてつもなく豪華な建物の管理人ルネの自己紹介からでした。つづいてその建物のなかのアパルトマンに住む少女の独白でした。
ルネは深い教養の持ち主ですが、人づきあいがよくありません。周囲からは「管理人」のレッテルを貼られているので、もう何十年もそのレッテルどおりに過ごしてきました。一方、豪華なアパルトマンに住む少女の「私」は、人生に覚めています。パパの招待客たちは、知性と富をそなえた人なのですが、「私」からみれば虚ろな人生を歩んでいるようにしか見えません。

* * *

「私」は 12 歳。父は以前は大臣をしていました。今は下院議員。そのうち下院議長になって、オテル・ドゥ・ラセ ( l'hôtel de Lassay 下院議員議長公邸 ) に住むことになると思います。そのパパが招待する大人たちを見ながら「私」はこんなふうに思っています。「あの人たちは小さいころは、夢をいだき、人生に意味をみいだしていたのに、大人になったらそれらを見失ってしまったみたい」と。しかも「その見失った事実にふたをして、惰性で生きています "( on tente ) de se masquer le fait qu'on ne trouve aucun sens à sa vie..." 。ですから子供たちには、最初から、人生に意味などないのだと教えてあげればすむのに "Je me demande si'il ne serait pas plus simple d'enseigner dès le départ aux enfants que la vie est absurde. " …」と。

* * *

次回は p20の " Elle a un doctorat de lettres. Elle écrit ses invitations à dîner ... " からです。

© " L'élégance du hérisson ", Muriel Barbery , Editions Gallimard

2023年11月12日

中級

今週は " T'en penses quoi ? " の第二課『 S'habiller 着る 』がテーマです。「 La mode éthique ( カタカナですが、日本語ではエシカル・ファッション ) 」についてです。

洋服にたいする人々の意識が変わりつつあるそうです。たとえば消費者であれば、環境をこわさないような素材をつかった服をえらぶことも一つですし、メーカーであれば、服をリサイクルしたり la récupération et la réutilisation de vêtements usés 、大量廃棄が起こらないような作り方をしたりするのも一つです ...éviter...d'avoir énormément d'articles invendus 。また洋服を作っている人たちの労働環境に関心をもつことも大切なことかもしれません。いずれにしてもこれまで問題としてとらえていなかったこと、あるいは自分には関係ないと思っていたことが...les consommateurs ne se sont pas posé de questions ou ne se sont pas sentis concernés 、考えなおされつつあるようです。



2013年、バングラデシュで
有名ブランドの
縫製工場が崩壊しました

© T'en penses quoi ?     Editions Asahi

上級

今週は『影泥棒 Le voleur d'ombres 』です。
前回は、植物の標本づくりのために貸し切りバスに乗って、クラスで森に植物採取にでかけたところからでした。マルケスはクラスの皆を先導していましたが、僕は一人でキノコを眺めていて、皆と離ればなれになり挙句に道に迷ってしまったのでした。
森ではぐれてしまった僕の不安はつのるばかり。お母さんのことを思うと、キノコに気をとられて、右も左もわからなくなってしまった自分が腹立たしくなっていたのでした。

* * *

そんなときです。背のたかい 2 本のシダのあいだから、マルケスの顔がにょきりとあらわれたのです。「まったく、こんなところで何してんだよ、アホ " Mais bon sang, qu'est-ce que tu fiches, imbêcile ? " 」。マルケスの第一声でした。マルケスの顔を見て、はじめて嬉しいと思いました。「ここで夜を過ごしたくなかったら、はやく来い」と促されて、僕はマルケスのあとをついていきました。
ところがこの時、僕は、自分の影がやけに大きく、マルケスの影が小さくなっていることに気づきました " Je me suis rendu compte que...l'ombre que je traînais derrière moi devait mesurer un bon mètre de plus que la normale, celle de Marquès était toute peitite... 。またしても僕は知らないうちに、人の影をとってしまったようなのでした… " (je) lui ai piqué son ombre "

ようやく、クラスのみんなと先生が待つところに着きました。マルケスは獲物をとらえた猟師みたいにふんぞり返っています。僕はその獲物です。先生は心配したぞ " Le prof de sciences... me confia que je lui avais fichu une peur bleue " 、とは言ったものの、何事もなくてよかったと安堵してくれました。さいわい、日は沈みかけていて、誰も僕とマルケスの影が奇妙なことになっているとには気づきませんでした。


次回は、p44の " Je suis allé m'asseoir sur la banquette du fond et..." からです。

© " Le voleur d'ombres ", Marc LEVY, Edition Robert Laffont

2023年12月19日

中級

今週は、第二課のテーマ「エシカル・ファッション Mode éthique 」についてです。インタビューのテキストを読みました。

* * * * *

綿は自然な素材で、何千年も前から人間につかわれています "...il est utilisé pour fabriquer des vêtements depuis plusieurs milliers d'années " 。ですから環境によいようにおもうのですが、実はコットン栽培は、水や肥料を大量につかい、殺虫剤もたくさんまかれるのだそうです。

環境や働いている人にとっては決してよい素材とは言えないようです。
いったい、環境や人に優しいものを手に入れるにはどうしたらよいのか…困ってしまいますが、次回のテキストに答えが載っているかどうか…。

綿にかんする子供新聞の動画はこちらからどうぞ。

© T'en penses quoi ? Editions Asahi

上級

今週は、ミュエル・バルベりの『優雅なハリネズミ』です。

前回は、12才の「私」の独白でした。「私」はこれ以上ないと言えそうな恵まれた環境で暮らしています。
でも、大人たちを見るにつけ、人生に意味を見つけることができません。結局は金魚鉢の金魚のように一生を終えるのでしょうか。「私」は日本びいきなので、こんな一句をひねりました。

Poursuivre les étoiles
Dans le bocal à poissons
Rouges finir

「ゆめ」という
名の星々を追いかけて
流れて落ちる 金魚鉢かな
© 早川書房『優雅なハリネズミ』

* * *

「私」は飛びぬけた知性のもち主でもあります。同世代の人たちとは雲泥の差。深い深い溝があります " Il se trouve que je suis très intelligente...déjà, si on regarde les enfants de mon âge, c'est un abysse. " 。目立ちたくないのでわざと間違ったりしています。しんどいです。自慢でもなんでもありません " Je n'en suis pas...fière...

しかも、どんなにすぐれた知性をもっていても、人生の行きつく先はわかりきっているのです。悲しくて泣きたいほどです "...pour une personne aussi intelligente ...aussi différente...,la vie est déjà toute tracée...c'est triste à pleurer... "

ですから、「私」は実行することにしました。けっして華々しくはしません "...je ne compte pas faire ça en fanfare " 。大人がどんな反応をしめすかはわかっていますから、誰にもさとられないようにします。実行日は6月16日。「私」はこの日に命を絶ちます。

次回は p23の " Quand je dis mon côté japonais, je veux dire mon amour pour le Japon ... " からです。

© " L'élégance du hérisson ", Muriel Barbery , Editions Gallimard

2023年11月12日

中級

今週も第二課『 S'habiller 着る 』がテーマです。重いテーマが続きます…。ベルギー発の「ファッション・レボリューション」というグループで活動する女性のインタビューを読みました。日本語のサイトもあるようです。こちらです。

* * *

ところで、前の課は " Ne rien perdre ( 無駄にしない、もったいない ) " がテーマでしたが、関連するキーワードとして「カヌレ canelés 」が出ていました。なぜカヌレなのでしょう…。カヌレがボルドーでうまれた理由は ? といろいろ不思議に思いちょっと調べてみました。

諸説あるようですが、起源は 16 世紀 La naissance des cannelés remonte au 16ème siècle 。ワインは、寝かせる前にコラージュという手順をふんでワインを澄ませるのだそうです。このときにつかわれる清澄剤が、卵の白身なのだそうです On utilise énormément de blanc d'oeuf pour "coller les vins"。というわけで卵の黄身がたくさん残ります。その黄身をふんだんに使ったお菓子がカヌレだったというわけです。
ボルドーには大きな港があり、小麦粉、バニラ、ラムが手に入れやすかったことも一役く買っているようです ヨ   Au port de Bordeaux, on trouve alors de la vanille, du rhum et de la farine.
「余り物を無駄にしない精神」から生まれたお菓子だったわけです ネ

© T'en penses quoi ?     Editions Asahi

上級

今週は『影泥棒 Le voleur d'ombres 』です。
前回は、「僕」が森の中で迷子になった話しでした。理科の授業で標本をつくることになり、バスを貸しきって森に出かけたのですが、「僕」は一人、皆とはぐれてしまいました。助けてくれたのはなんと、あのいじめっ子のマルケス。

マルケスの後をついて、皆が待つバスの停車所に戻れば、先生は怒ることもなく無事でよかったと言ってくれました。一件落着したのはよかったのですが、一つ、困ったことに「僕」はどうやらマルケスの影をぬすんでしまったようなのです。マルケスの足元には僕の小さな影が、僕のつま先には大きなマルケスの影があったのです。

*  *  *

家に戻ると、学校からお母さんに連絡が入っていたらしく " Elle devait être reliée par talkie-walkie avec la directrice de l'école..." 、お母さんは僕を痛いくらい抱きしめ、温かい風呂に入りなさいと盛んにすすめました。夕飯は僕の大好物ばかりでした。

翌朝7時。お母さんに起こされましたが、マルケスの影のことを思うと、このままベッドに居続けたくなります。しかしそうも行きません。登校しながら、考えました "...je marchais vers l'école en réfléchissant à mon problème " 。どうやったら影をもとの持ち主にもどすことができるか・・・。どうやっても僕はマルケスに近づかねばなりませんし、誰にも気づかれずに incognito 、影を交換せねばなりません。

学校の柵が見えてきました。マルケスがベンチの背に腰かけ、友達がまわりを囲んでいました。僕は大きく息をすいこんで柵の中に入りました "J'insipirai un grand coup avant d'entrer "


次回は、p46の " J'avançai vers le groupe. Marquès avait dû sentir ma présence..." からです。

© " Le voleur d'ombres ", Marc LEVY, Edition Robert Laffont