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2017年07月04日

初級

ストラスブールの路面電車

今週はアルザス地方。
鉄や石炭が豊富であることから、フランスとドイツはこの地をもとめて何世紀ものあいだ争ってきました。たった11日間 (!)、どちらの国にも属さない「アルザス-ロレーヌ共和国」として独立していたこともありました。今ではヨーロッパの要として、欧州連合理事会や欧州議会の所在地になっています Aujourd'hui, Strasbourg est le siège du Conseil de l'Europe et du Parlement européen : c'est le carrefour de toute l'Europe 。

この地には、暖かい季節になると必ずコウノトリが戻ってきてくれます les cigognes,... toujours fidèles, reviennent chaque printemps nouveau 。若い娘さんが自分の方にコウノトリがやって来るのを見たら、その娘さんは間もなく婚約できるのだそうです ! Si une jeune fille voit cet oiseau venir vers elle, c'est l'annonce de ses fiançailles ! 。

ストラスブール大聖堂の正面には塔が一つしかありません。しかし当初の計画では2つだったそうです。

来週はp47 の練習問題 2 からです。

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中級

© EPA

今回のテーマは「フランスにおける大麻 Le cannabis en France」。

フランスでは大麻が大きな問題になっていますが、法律は1970年以来変わっていないのだそうです Le cannabis est interdit en France depuis 1970(d'après Ouest-France) 。厳しい罰則はまったく功を奏しておらず、先の大統領選でようやく各候補がこれを取りあげました Pour la première fois dans une campagne présidentielle, quatre des cinq principaux candidats à l’Elysée proposent de faire évoluer la loi du 31 décembre 1970(© Le Monde.fr )。処罰の対象から外すと、犯罪の温床や健康被害等々が減っていくのでしょうか…。テキストは「フランスも、すでに大麻を処罰の対象外とした他の国々にならっては? Plusieurs pays ont déjà dépénalisé la consommation de cannabis...pourquoi pas la France ? 」と結んでいました。

次回は、第11課(p41)です。

© "A la page 2017" Editions Asahi
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上級

フェルナンデル(喜劇俳優)
© ina

(テキストでは、ムルソーが一人称で語っていますが、このまとめでは三人称で記しています)

施設で母親と昵懇だったペレズが証人台にたちました。息子のムルソーとは埋葬の時に初めて会ったこと、大変つらい一日で気絶してしまったために、周囲のことは目に入らなかったことなどを述べます Parce que c'était pour moi une très grosse peine. Et même, je me suis évanoui. Alors je n'ai pas pu voir monsieur 。「ムルソーが泣いているのを見たか」という検事の質問に「いいえ」と答えるものの、これに弁護士が「ではムルソーが泣いてないところは見たのか」と応酬。ペレズが「いいえ」と答えるや、傍聴席から失笑が起こります。弁護士は片袖をたくし上げ「この通り、真実は五里霧中なのであります」と言い放ちます ...mon avocat, en retroussant une de ses manches, a dit d'un ton péremptoire : "...Tout est vrai et rien n'est vrai !" 。

次の証人は、食堂オーナーのセレスト。「ムルソー氏はあなたの顧客ですね?」と問われ「そうですが、友人でもあります」。どんな人物かという問いには「たしかに内気な男だが、言わなくてもいいことを言わないだけだ s'il avait remarqué que j'étais renfermé et il a reconnu seulement que je ne parlais pas pour ne rien dire 」と返答。ムルソーの犯した罪については「私に言わせれば、あれは災難だった、災難だったんだ Pour moi, c'est un malheur. Un malheur...」と繰り返しますが、裁判長から「私達はそういう"災難"すべてを裁かねばならないのです。席にお戻りください Mais nous sommes là pour juger les malheurs de ce genre」と促されます。セレストは万策尽きたというさまで Comme s'il était arrivé au bout de sa science et de sa bonne volonté...、唇を震わせながらムルソーの方を振り返ります。ムルソーは無言・不動のままでしたがセレストを抱きしめたいと思いました。

マリーが証人台にたちます。とてもきれいでした。緊張しているマリーに向かってすぐに質問がはじまります。「いつから知り合いか、ムルソーとはどんな関係か、いつから関係をもったか」。マリーの答えに、検事は、つまり埋葬の翌日ではないかと指摘 。「あなた(マリー)の微妙な立場もあるだろうし、また忸怩たる思いもあるだろうが、ここは儀礼的にすますわけにはいかない...il a dit...qu'il ne voudrait pas insister sur une situation délicate, qu'il comprenait bien les scrupules de Marie, mais...。私(検事)には義務というものがある...que son devoir lui commandait de s'élever au-dessus des convenances 」と言葉を強め、その一日について話すよう迫ります。

海水浴、映画そしてムルソーの家…映画はフェルナンデルのお笑いもの…検事は立ち上がり、ムルソーを指さし Le procureur s'est alors levé...le doigt tendu vers moi...、陪審員にむかってゆっくりと語ります。「この男は母親が亡くなった翌日に海水浴に行き、あらぬ関係をもち、お笑い映画で笑っていたのです。これ以上付け加えることはありません。」法廷が静まりかえるなか、マリーは、そうじゃない、自分が思っていることと違うことを言わされた Marie a dit que ce n'était pas cela...qu'on la forçait à dire le contraire de ce qu'elle pensait...と泣き出しますが、官吏に伴われて席に戻ります。

次回は、 "C'est à pein si, ensuite, on a écouté,..." からです。

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2017年07月11日

初級

バリの『自由の女神』

今週は 10 課の『アルザス L'Alsace』と、11課の文法を少々。

p47に載っているバルトルディ Baltholdi はアルザス出身の彫刻家。『自由の女神 la Liberté éclairant le monde 』の作者です。写真の女神はニューヨークではなく、セーヌ川(!)のグルネル橋にたっている女神です。

ところでアルザスの代表料理といえば、シュークルート choucroute 。この発酵したキャベツはもともと中国で食されていたそうですが、それをジンギスカンが、ヨーロッパにもたらしたとか (確かそう聞いた記憶が…)

© CIVA

発泡ワインのクレマン・ダルザス crémant d'Alsace と一緒にいただくなんていうのはいかがでしょう 。いや、それならシルヴァネ sylvaner かリースリング riesling でしょうという声も聞こえてきそうですが。とにかく Bon appétit!!

来週はp49から。ロナルプ La région Rhône-Alpes を訪れます!

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中級

今回のテーマは「レジオン・ドヌール la Lésion d'honneur 」です。

フランスでの勲章は、革命を境にすべて廃止されたのですが、1802年、ナポレオンがふたたび創設。階級は5つあるものの、徽章の形は同じで、つける場所が違うのだそうです。

テキストによれば、時代に応じて受勲者の傾向が変わるそうで La Légion d'honneur s'adapte aux différentes époques 、60年代はオリンピックの金メダル選手 ...dans les années 1960, elle a été donnée aux médaillés d'or des Jeu olympiques 、今日では企業のトップやデジタル経済(1)の立役者など De nos jours...à des chefs d'entreprise...des acteurs de l'économie numérique であるとのこと。

さてこのレジオン・ドヌール、これを辞退する人も少なくないようです。辛辣な風刺版画家であったドーミエ、 マリー・キュリー、 カミュ、 近年ではT.ピケティ、 そして去年は女優のソフィー・マルソーも…。

七月王政の風刺
ドーミエ作 © BnF

(1) デジタル経済というのは何でしょう…。ネット通信がつくりだす経済 ? デジタル技術がけん引する経済 ? ご教示いただければ幸いです…m(__)m

次回は、第12課(p45)です。

© A la page 2017 Editions Asahi
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上級

サロニカ

今週は"Le collier rouge" です。こちらにまとめました

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2017年07月18日

初級

リヨンとローヌ川
©:2016 - VaNuPied

今回は条件法の練習問題を少々。 動詞の条件法は、

  • ① 本当は違うけれど「もし~だったら、何々」と言いたいときに使います。「もし~」という"但し書き"をつけて使いますが、
  • ② 但し書き抜きで用いられることもあります。その時は「もしかしたら…」とか「できたら…」なんていうニュアンス含まれます。
以下、① の例文です。② は次回に…。

① 本当は違うけれど「もし X だったら Y 」と言いたいときは、X の部分の動詞は半過去形、Y の部分の動詞は条件法です。

  1. Si tu étais invisible, tu ferais quoi ?
    透明人間だったら、何する? ( 子供の頃、よく考えておりましたなあ… )
  2. 人間不信に陥ったタイモンの話しから。シェークスピア作であります !
    Si tu étais lion, le renard te duperait ; si tu étais agneau, le renard te mangerait.
    もしお前がライオンなら、キツネに騙されてしまうだろうし、羊なら、食べられてしまうだろうよ。
  3. 古い古い歌ですが、アダモがこんな風に歌っておりました。
    Si tu étais le vent, moi je serais voilier et je me gonflerais de toi.
    もし君が風なら、僕は帆になって君を体いっぱい受けとめる!!

来週も p49 ロナルプ La région Rhône-Alpes です !

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中級

今回のテーマは「アカデミーフランセーズ L'Académie française 」。16世紀、フランスの公式言語はラテン語からフランス語になりました。しかし規則がまだととのっていません。このため言語を統一して誰もが理解できるようにしようと、1635年にアカデミーフランセーズがつくられました。以来、辞書編纂をおこない、現在では第9版 (!!)の作成が進行中とのこと Actuellement, l'Académie est en train d'écrir la 9e édition 。

会員数は40名。終身会員で les membres...sont élus à vie 、新しい会員は、現役会員の推薦で決まるのだそうです。

蛇足ながら、会員がまとう重厚な刺繍の上着は、つくるのに6ヶ月もかかるのだそうで、刺繍のモチーフはオリーブの葉。糸は金と緑。そのために「緑の服」とも呼ばれています。会員には剣も与えられます。握りの部分は宝石職人がつくっています。メレリオ・ディ・メレの(こちらの)サイトでは、メレのアトリエで作られた剣の数々が見られます。

ちなみに、女性会員が生まれたのは1980年のこと。マルグリット・ユルスナールでした。テキストには、会員になることを辞退した作家の人達の名前も挙げられていましたね。上級クラスで今読んでいる『Le collier rouge』の作家J.C.リュファンはアカデミー会員ですが、以前に読んだ『L'œil du loup』の作家 D.ぺナックは辞退組です…

次回は、第13課(p49)です。

© "A la page 2017" Editions Asahi
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上級

"The Stranger"
by L.Visconti

(テキストでは、ムルソーが一人称で語っていますが、このまとめでは三人称で記しています)

今週は"L'étranger" です。

マッソンとサラマノ老人が証言台にたちます。二人は「ムルソーはまじめな男だ」「私の犬にも優しかった」などと話しますが、これが聴き入られることはほとんどありませんでした C'est à pein si...on a écouté Masson qui a déclaré que j'étais un brave homme...c'est à peine encore si on a écouté Salamano quand il a rappelé que j'avais été bon pour son chien... 。

最後の証人はレイモンです。「殺された男が嫌っていたのは私であって、ムルソーではない。ムルソーはたまたま浜辺にいただけだ...c'est lui que cette dernière haïssait...。ma présence à la plage était le résultat d'un hasard 」と述べます。

検事はこの"たまたま"という言葉をとらえ、つめ寄ります。あなた(レイモン)はあの殺された男の妹を叩いたが、その場にムルソーが居合わせたというのは"たまたま"なのか。警察ざたになって、ムルソーが署であなた(レイモン)を擁護したのも"たまたま"なのかと il a voulu savoir si c'était par hasard que j'avais servi de témoin au commissariat...。そしてとどめを刺すかのように、検事は「この証人の職業は買春の斡旋であり le témoin exerçait le métier de souteneur 、被告もこれに一枚噛んでいます。これはいかがわしいうえにもいかがわしい事件なのです Il s'agissait d'un drame crapuleux de la plus basse espèce...」と述べます。

レイモンと弁護士は反論を試みますが認められず、検事はなおも続けて、母親の葬式後のムルソーの振る舞いを糾弾します。これにはさすがに弁護士が、"この裁判は母親の弔いの仕方を裁いているのか"と揶揄します。が、これに対して検事は、埋葬と殺人とは別個のことではあるが、両者は深く本質的なところで痛ましいほどにつながっていると主張 ...il y avait entre ces deux ordres de faits une relation profonde, pathétique, essentielle 。

弁護士もムルソーも法廷の空気ががらりと変わったことを感じます Cette déclaration a paru faire un effet considérable sur le public 。

閉廷し、護送車に乗りこむムルソーは、夏の夕刻の匂いや色を感じとります。道中、護送車の窓の外を流れるのは、新聞売りやサンドイッチ売りのかけ声、路面電車のきしむ音、港に広がる黄昏時の空…ムルソーがよく知る光景でした Dans l'obscurité de ma prison roulante, j'ai retrouvé un à un...tous les bruits familiers...le cri des vendeurs de journaux...l'appel des marchands de sandwiches, la plainte des tramways...。

次回は、"Le concierge m'a regardé alors avec un peu d4étonnement..." からです。

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2017年07月25日

初級

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今回も11 課 La région Rhône-Alpes : le panorama sur les Alpes です。
リヨン Lyon、グルノーブル Grenoble、シャモニー Chamonix の町や村が紹介されていましたネ。ローヌ川の流れるリヨンは、サンテクジュペリ Saint-Exupéry の生誕地 Le Rhône arrose la ville de Lyon, où Saint-Exupéry est né 。グルノーブルはアルプス山脈の峰々が見わたせる町。そしてシャモニーは登山家やスキーヤーにとってのメッカ。モンブランにそそり立つエギュイユ・ミディ l'Aiguille du Midi にはロープウェーで行くことができますが、終着地には「走らないでください 」という張り紙があるそうですヨ En sortant du téléphérique, on voit une affiche qui nous dit : " Ne courez pas!" 。酸欠のおそれがあるからのようです…なにしろ標高が 3.842m …

ちなみにフランス語では、小数点は点ではなくコンマ、そして 3桁ごとの印はコンマではなく点です。日本語と逆です。ですからモンブランの標高はフランス語式だと 4.807m 、円周率は 3,14 !!


2016年、地域圏の改革でロナルプは
オーヴェルニュ・ロナルプに拡大されました。

次回はp51から。もしかしたら最後(!)の12課 「コルシカ島 La Corse 」に行けるかもしれません。

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中級

コローの作品

今週のタイトルは「オラドゥール・スュール・グラヌ Oradour-sur-Glane 」。

とても重いテーマでした。オラドゥール・スュール・グラヌはリモージュに近い小さな村。

19世紀、C.コローはこの地方の美しい自然を描きました Au XIXe siècle, Camille Corot a peint les paysages de cette région 。しかし第二次世界大戦時、この村の住民は虐殺され、村の建物は徹底的に破壊されました。1944年6月10日のことです。一日にしてすべてが灰塵に帰した日です。後に村は再建されましたが、廃墟はそのまま残されました De nos jours, à Oradour-sur-Glane, il y a les ruines de l'ancien village... 。

ヘレロ、アルメニア、南京、カチン、広島・長崎、ソンミ、ルワンダ、スレブレニツァ、ダルフール、信川……人はこれからも同じ狂気を繰り返すのでしょうか…ハンナ.アーレントによれば私たちの誰もが狂気にのまれる可能性をもっています…

次回は、第13課(p49)です。

"Le vieux fusil" : 6月10日を
描いたロミー・シュナイダー
主演の映画   ©Allociné  

© "A la page 2017" Editions Asahi

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上級

今週は"Le collier rouger" です。こちらにまとめました

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2017年7月