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2021年5月11日

初級

今週から第12課です。絵はルイ・ダヴィドの『le Sacre de Napoléon 1er ( ナポレオン一世の戴冠式 ) 』ですが、いつものごとくまずは文法から。1) 単純過去と 2) 現在分詞とジェロンディフ、そして 3) 前置詞をともなった関係代名詞の三点を見ました。

モーパッサンのテキストにこんな文がありました。一つの文に単純過去も関係代名詞もあり ! です。単純過去が緑、関係代名詞が赤になっています 。

  • ...après un silence de quelques instants pendant lequel ils se regardèrent...
    彼らはしばし黙ったまま互いを見合っていたが…
  • Héraclius alors fut emporté dans une grande pièce froide au milieu de laquelle était un bassin sans eau.
    ヘラクリウスは冷え冷えとした大部屋につれていかれたが、その真ん中には乾いた水盤があった。
  • Elle aima ... cette côte, au pied de laquelle fumaient les cheminées...
    彼女はこの(切り立つ)海岸が好きだったが、海岸の下の方では煙突から煙がでていた。

© Au Musée du Louvre, Editions Asahi

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中級

1848年二月革命

今週は最終課 『 いつもとは違った 2017 年の大統領選 』です。

見開き 2 ページのテキストに、たくさんのテーマがてんこ盛り!?で、少々頭を整理しながら読む必要がありました…。大筋ではこんな感じでしょうか。

18世紀末にフランス革命が起きて君主 ( 王・女王・皇帝・天皇 ) 制ではなく、共和制がうまれました。しかしテキストで述べられている通り、共和制が確立するまでの道のりはながく、19 世紀は王政や帝政に戻ることが何度もありました。共和制の確立は、革命から約 100 年たってからでした。

誰もが投票できるようになるのは 1945 年。大統領が直接国民から選ばれるようになったのは 1958 年。

そして 2017 年の大統領選は、今までにないことが起きました。一つは右派候補か左派候補かという従来の図式がなくなったこと。そしてもう一つが選挙戦にインターネットが大いに活用されたこと、だったそうです。

う~ん、濃縮ジュースをそのまま薄めずに飲んだような感じでしたが、再考をうながされることしきりでした。折しも来年はふたたび大統領選…。

手品師と揶揄される
ルイ・フィリップとギゾー

© Perpectives - l'actualité française en 12 textes    白水社

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上級

今回から ( いよいよ ! ) 『Zazie dans le métro 地下鉄のザジ』を読みます。

ガブリエルが姪っ子のザジを迎えにオステルリッツ駅までやってきました。駅にたちこめる匂いに「一体どっから来るんだ、このくっせいのは!」と口ごもります。ところがとなりに立つ婦人が「まあいやな臭い」とガブリエルのつけている香水にいちゃもんをつけます。ガブリエルは「お宅の体臭がバラよりいいとでも思ってのか」と応じれば、「んまあ」とばかりに婦人は夫君に加勢をたのみます。しかしこの夫君は小柄で弱気。それでも虚勢をはったために、ガブリエルが一発くらわせる素振りをみせます。すると、なんと自分からさっさと地べたに到れてしまいました。

と、ちょうどそんな時に列車が到着。皆の視線が電車から降りてくる人たちに注がれます。ザジも降りてきました。「アタシ、ザジ。絶対、おじさんがガブリエル伯父さんだよね」。そのとおりと、ガブリエルはザジを抱き上げ、ザジにキスをし、ザジにキスをしてもらって、ザジを下に降ろします。さあ、ザジのパリ滞在の始まりです !!

ところでテキストの " Skeutadittaleur..." というくだり ( こう書いてある ) は " Ce que t'as dit tout à l'heure " を聞こえるとおりに記したもの。「もう一度言ってみろ」「何を ? 」と聞かれて、「今おまえが言ったことだよ」とガブリエルがドスをきかせて答えた時の台詞でした。5 音節 pentasyllabe だそうで、どれどれと発音記号になおしてみれば、[ skta di tu tɑ lœ:r ] 。確かに5つの音節に分かれています

© "Zazie dans le métro ", Raymond Queneau, Folio

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2021年5月18日

初級

戴冠式
ジョセフ2世
(ドイツ)

今週は第12課、ルイ・ダヴィドの『le Sacre de Napoleon 1er ( ナポレオン一世の戴冠式 ) 』についてのテキストを読みました。

フランス革命から15年。共和制がくずれ帝政が始まります。
ノートルダム寺院ではナポレオンの戴冠式が行われました" Le sacre de Napoléon 1er... eut lieu à Notre-Dame de Paris" 。各地での戦いで勝利をおさめたナポレオンは栄光の絶頂期にあり " ( Napoléon ) était à l'apogée de sa gloire "、戴冠式にはローマ教皇のピウス7世もやってきました…。次週も続きを読みます。

戴冠式
ハインリッヒ7世

© Au Musée du Louvre, Editions Asahi

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中級

今回から新しいテキスト『時事フランス語 2021年度版 (朝日出版社)』を読みます。第一課タイトルは「名前と姓」です。

ここ数年、もっとも多くつけられた子供の名前は、女の子はエマ、ジャド、ルイーズ、アリス、男の子はガブリエル、ラファエル、レオ、ルイだそうです "Ces dernières année, parmi les prénoms les plus donnés, il y a Emma, Jade, Louise, Alice pour les filles, et Gabriel, Raphaël, Léo, Louis pour les garçons" 。以上はファーストネームですが、姓はどうでしょう。

父の姓がそのままつくとは限らないようです。

とある専門家によれば、フランスでは夫婦別姓を許容する法的基盤がもともと整っていとたのこと。そこで2003年に、夫婦の姓だけではなく、子供の姓にかんする法律も定まったそうです。それによると、子供の姓は 1) 父の姓、2) 母の姓、3) 父-母の姓、4) 母-父の姓、の 4 つのいずれかを選べるのだそうです。子供が 2 人以上なら、どの子もおなじ姓を持つことになってるとか

© A la page 2021    Edition ASAHI

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上級

前回ジャン・ジオノの『木を植えた男』を読みおえましたので、今回から『Le chapeau de Mitterrand ミッテランの帽子』を読みます。

ダニエル・メルスィエはサン・ラザール駅にやって来ました。実家にもどっていた妻のヴェロニックと息子のジェロームを出迎えるためです。電車が到着しました。降りてくる乗客たちのなかにヴェロニックがいるかと、首を伸ばしてみると…いました。ヴェロニックもダニエルに気づきます。ヴェロニックは頭の上に手をやり、その手をくるりと回し、それ何 ? という素振りをしてみせます。合流したところで、再び「それ何 ? 」と質問。「ミッテランの帽子だよ」とダニエルが答えると、ヴェロニックは「そうね確かにミッテラン風の帽子だわ」。ダニエルは否定します。「ちがうよ、本当にミッテランの帽子なんだ」。

自宅につき、ダニエルが用意しておいた夕餉を皆で囲みます。ようやくのことダニエルが帽子をとります。帽子を手渡されたヴェロニックがフェルトの帽子を裏返してみると、金糸で縫われた F.M. の文字が…。

* * * * * * * * *

場面がかわり、その前日のこと。ダニエルは仕事場で最後の帳簿しらべをしながら、家にもどって一人で夕食する気にもなれず、かつて行ったことのあるブラッスリーに思いを馳せます。あの時は、豪華な魚介の盛り合わせにプイイ・フュイセ (ブルゴーニュ白ワイン)を注文した…。小さかったジェロームは嫌がって一つも食べなかったけ…などと思い返しています。独り身のときは、安給料でも一人で食事に行っていた…。今晩一人で外食するのも悪くないかも…。
ダニエルのモノログは続きます。

© " Le chapeau de Mitterrand ", Antoine Laurain, J'ai lu

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2021年5月25日

初級

ピウス7世
L.ダヴィッド

今週は『le Sacre de Napoleon 1er ( ナポレオン一世の戴冠式 ) 』のテキストの続きです。

ルイ・ダヴィッドはナポレオンのお抱え画家。第一帝政での出来事を絵にして、それを後世に残す役割をになっていたとのこと (註1)" David était le peintre favori de Napoléon qui le chargea d'immortaliser les grands événements de son règne"

戴冠式の絵を描くことは、国から受けた公的な任務。ですからダヴィッドはその期待に十分に応えたいと考えました。またその任務の命ずるところに従って、人物の一つ一つ特徴をできるかぎり正確に描いたそうです " Cette mission officielle à laquelle le peintre veut répondre entièrement, lui ordonne aussi de dessiner le plus précisément possible chaque trait du visage "
テキストのフランス語がだんだん複雑になってきました !! ガンバリマショ ...

( 註1 ) 画家のダヴィッドは、実際にはナポレオンの時代だけでなく、王制、革命期・共和制と目まぐるしく変わったどの時代にも第一線にいた画家だそうです。
そればかりか驚いたことに、革命期には国民公会議の議員でもあったそうです !!

マラーの死
L.ダヴィッド

© Au Musée du Louvre, Editions Asahi

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中級

今週は第2課。タイトルは『 Jacques Chirac ジャック・シラク 』です。

1995年から2007年まで大統領職をつとめたシラク氏。特に評価されているのは 2003 年のアメリカ主導のイラク戦争に反対したこと。第二次世界大戦中、ユダヤの人の強制移送にフランスの国がかかわった事を認めたこと。

他方で、批判を受けているのが、架空雇用事件で有罪判決(執行猶予付)を受けたこと。経済政策や社会保障で特段の成果を上げることができなかったこと。

とはいえ世界のさまざまな文明、文化に関心をよせ、ケ・ブランリ美術館を開設したことでも知られています。欧州以外の美術・工芸品や、トロカデロの人類博物館 le Musée de l'Homme から引き継いだ文化人類学上の"資料"などが展示されています。

いずれにしても、在任中はともかく退任後のシラク氏にたいする人気はとても高いとのことでした 。

新聞によると、アフリカとの歴史的な関係について歴史家グループが膨大な調査をおこない、官製とは一線を画す報告・提言書を大統領府に出したとのこと(Rapport de B.Stora ; Rapport de V.Duclert ) 。大統領の真の評価はこうしたことも視野に入れてなされていくことになるのでしょう。

© A la page 2021    Edition ASAHI

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上級

今週は " Zazie dans le métro " です。

ガブリエルは、ザジの旅行かばんを持ち上げ「さっ、行くぞ」と勢いよく歩き始めます。小走りに後ろからついていくザジはたずねます。「ねえ、地下鉄に乗る ? 」「無理だね。ストで動いていない」とガブリエル。ザジは怒りだします。なにしろパリには、地下鉄に乗りたくてやってきたのですから。

ガブリエルはもう一度片手でかばんをもち、もう一方の手でザジを引っぱり、タクシー乗り場まで連れていきます。タクシーの運転手はシャルル。ガブリエルの義弟です。

ザジは「ぼろっちいタクシーね」とまずはごあいさつ。ガブリエルがザジの横に腰をおろすと「あたしを押しつぶす気?」。車中で「ほら、あれが地下鉄の高架線だ」と教えられると「うそばっか」。
「先が思いやられる…」とシャルルがつぶやきます。

ガブリエルは気をとりなおして「ほ~ら綺麗だろ、パリは。あれがパンテオンだ」とそびえる建物を指します。が、すぐにシャルルから「あれはパンテオンじやない」と物言いがつきます…。
次回はp19 Napoléon mon cul, réplique Zazie からです。今少し珍道中がつづきます。

© "Zazie dans le métro ", Raymond Queneau, Folio

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2021年5月