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2019年2月5日

初級

ディジョン : フィリップ・ルボン(ブルゴーニュ公)の
塔からの眺め

今週は、6課『Dijon に到着する』の文法。代名動詞です。

代名動詞の練習というと必ず出てくるのが、se lever, se coucher ですが、ちょっと趣向を変えて s'excuser(謝る), s'occuper de (面倒みる)などを練習してみると使いでがあるかも(?) しれません。「ごめんなさい」なら、Je m'excuse. (Excusez-moi.) 高い所の物をとろうとして、手が届かない友達がいたら、Je m'en occupe ( 私がやってあげる) 。「もう面倒みれない、もうやってあげない」だったら Je ne m'en occupe plus !!

カイエット : ホウレンソウ入りの豚のパテ

© Paris - Bourgogne Editions Asahi

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中級

市(町村)庁舎での結婚式
手前の背をむけているのが
市(町村)長さん

今回のテーマは PACS ( Le pacte civil de solidarité )。通称パックス。民事連帯契約 と訳されているようです

ミンジ・レンタイ・ケイヤク…ムムム、分かりにくいですね。結婚しなくても、この手続きをすることで、公的にカップルとしてみとめられるという法律で、1999年11月15日に議会で可決されて日の目を見たようです。パックスを結ぶことで、結婚とおなじように、税金や相続、社会福祉などにまつわる優遇措置がうけられるようになるのだそうです" ...si on se pacse, on a beaucoup des avantages sociaux et fiscaux du mariage ""。

当初は、同性のカップルを念頭においてつくられたパックスでしたが、ふたを開けてみると、異性同士がパックスを選ぶケースが増えたとのこと。テキストに記された数字では、パックスの 93% が異性同士で交わされたとのことでした" Si en 1999, 40% des PACS étaient signés par des couples homosexuels, en 2006, c'était seulement 7%."

mariage pour tous
に反対する人たち

ながい年月、議論して生まれたパックスでしたが、その後、2013年に同性の結婚 ( パックスではない ) が認められました( mariage pour tous : 万人のための結婚 )。大変な反対もありましたが、当時の司法大臣C.トビラさんは確かこんなことを言っていたと思います。"いろいろな家族が現実にいるなかで、これまでの法律は排除を生んでいなかったでしょうか。違いが差別を生んでいなかったでしょうか" と…。


クリスティアンヌ・ドビラさん

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上級

今週は、第37回目の " Le collier rouge " です。こちらにまとめました。

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2019年2月12日

初級

ブルゴーニュ風フォンデュ

ディジョン駅についたミカさん。エンゾが迎えに来てくれていました。初対面の挨拶を交わしたところで、エンゾがこんなことを言っていました。Mika, si ça ne dérange pas, on peut se tutoyer ? " 良かったら、(vousではなくて) tu で話そう ?

話し相手にむかって Tu をつかうか、Vous をつかうか…フランス人同士のあいだでも微妙なところのようです。あまり親しくない人、" 上 " の立場の人、年配の人…そんな人には Vous 。店の人と客との間も(常連であっても) Vous 。家族、恋人、友達は Tu 。若者同士であればのっけから Tu 。

一方が Vous で、他方が Tu という場合も。例えば先生と生徒、大人と子供の間…一応これが巷の了解事項でしょうか。ただ、当初は Vous で話しかけていても、だんだん親しくなるにつれて、いつまでも Vous では…とそんな転機があるようです。そんな時はこんな質問がとびだすことも。

  • Voulez-vous qu'on se tutoie?
  • On pourrait peut-être se dire tu?
  • Nous pourrions nous tutoyer, si vous le voulez bien.
  • Ça vous dérangerait si on se tutoyait?

ちなみにケベックでは、フランスよりはるかに Tu をつかうことが多いそうです

© Paris - Bourgogne Editions Asahi

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中級

今回のテーマは Grandes Écoles 。

各界の精鋭や国家的主導者を育てるグランゼコル。大学と並んで存在する高等教育機関ですが、大学とはだいぶ趣きがちがいます。大学は医学部も含めて、学費はほぼ無料ですし、入学時はバカロレアさえあれは、万人に開かれています。

しかしグランゼコルは入学そのものが難関。国立でない場合は学費が高く、méritocratie (実力本位)とは言いがたいのが実態のようです。一方の国立のグランゼコルの場合は、大学同様、無料。無料どころか、逆に、研修等いろいろな形で手当てを支給される由。その分しばりがあり、卒業後は国の機関で最低10年間、働くことが義務付けられているのだそうです...dans certaines écoles qui préparent à la fonction publique, l’État rémunère la formation de l'étudiant à condition qu'il s'engage à le servir durant dix ans au minimum. (© Observatoire des inégalités)" 10 年間、公的機関で働かなった場合は、返さねばならないとのこと。

2016年12月5日のル・モンド紙によると、マクロン大統領は、民間で働き始めたために本来は国にお金を返さなければならないところを、未返還だったとか…

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上級

突然の霧で、凍えながら家に戻ったピエールでしたが、気分は晴朗。あの目星をつけておいたアパルトマンを借りれば、すぐにでも医院を開業・・・前途は洋々・・・と晴れやかです Il...pensait à son avenir, qui serait beau, et à la douceur de vivre ...。

家では、母のロラン夫人とジャンが何やら相談しています。「あそこの廊下は、素晴しいわ。花と活けましょうね。内装も変えましょう…」と。何の相談 ? と、ピエールが聞けば " 'De quoi parlez-vous donc?' demanda le docteur. "、ジャンにとても良いアパルトマンが見っかったと言います。廊下はガラス張りだし、食堂は円天井なの、とも "Il a...une galerie vitrée et une petite salle à manger en rotonde..." 。弁護士にはぴったりのアパルトマンと、胸を張り、あなたにも分相応のアパルトマンを見つけてあげないとね、と夫人は付け加えます。

ピエールは絶句します。先程まで自分のアパルトマンと見込んでいたものが、弟の手中におさまってしまったのですから。

気分がふさいだまま、昼会の席に着き、ピエールは質問をします。(ジャンに遺産を遺した)マレシャル氏とはいつ知りあったのか、と。記憶の定かでないロラン氏が、夫人に助舟を求めます "Roland...ne se souvenant plus de rien, il fit appel à la mémoire de sa femme " 。58年よ。ピエールが3才の時だったわ。あなたが星紅熱にかかった時よ。ここでロラン氏が、そうだった、と思い出します。薬をとり行ってくれた。親身に私たちを支えてくれて、おまえが治った時は、おまえを抱きしめてくれた、と。

ピエールは考えます。「そのようなマレシャル氏がどうして弟のジャンにだけ遺産と託したのか、と。もはや質問する気力も失せ、食事もそこそこに、外に出ます。行くあてはなく、足は自ずと、モロウスコ氏の方に向かいます。相変らずモロウスコ氏は店先でまどろんでいますが、ピエールに気づくや、グラスを 2 つと自作のグロゼイエット(スグリ酒)を運んできてくれました "...le vieux pharmacien dormait toujours. En reconnaissant Pierre...il alla chercher deux verres et apporta la groseillette" 。

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2019年2月19日

初級

エポワス : ディジョン西にある
エポワス村のチーズ

今週も、「実際に使ってみる代名動詞!!」と謳って教室で対話です。文法規則は理解した、単語も覚えた…でも使えない。耳で聞いた音がとらえられない、言葉が口をついて出てこない…そういう歯がゆさを少しでも解消できればいいですが…。

je, tu, il...とすべての人称を活用すると「違い」が目立ちます。違いより「類似」があった方がなじみやすいので、とりあえず、こんな対話です。

Vous vous     levez    à quelle heure ?
Vous vous   couchez    à quelle heure ?
Vous vous   chargez   de quoi ?
Vous vous   moquez   de moi ?
   - Je      me    lève   à six heures et demie.
   - Je      me   couche   à onze heures.
   - Je      me   charge   de tout.
   - Je ne me   moque pas   de toi!!

© Paris - Bourgogne Editions Asahi

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中級

1429年 黄:フランス 濃灰:ブルゴーニュ
薄灰:イギリス
By Andrei nacu

今回のテーマは "Jeanne d'Arc, héroïne nationale "

ジャンヌ・ダルクは、100年戦争で劣勢であったフランスを救ったとのことですが、その100年戦争に先立つこと300年。フランスはイングランドを征服 ( ノルマンディー公のノルマン・コンケスト )しています。

『カレーの市民』ロダン作

映画『冬のライオン』

以後イングランドではフランス系の王家が続きます。この王家とフランス本土の王家という同朋の争いが 100 年戦争 ( となるということでしょうか…)。この間、カレーの町がイングランド軍に包囲されることもありました。その様子を作品にしたのが、ロダンの『カレーの市民』。今回のテキストのおかげで、ばらばらだった " パズルのピース " がちょっと一緒になりました。

蛇足ながら、ノルマン・コンケスト以降 300 年、イングランドではフランス語が用いられていたそうですヨ

ノルマン・コンケストを刺繍で描いたバイユーのタピストリー

© A la page 2010 - 2012 Editions Asahi

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上級

今週は、第38回目の " Le collier rouge " です。こちらにまとめました。

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2019年2月26日

初級

クレーム・カシス・ドゥ・ディジョン :
クロスグリのリキュール
© Gabriel Bouldier

今週はミカさんの日記。早朝に起きて Je me suis levée tôt ce matin...、リヨン駅からTGVに乗り、ディジョンへ。ナオミさんのいとこのエンゾさんが迎えに来ていてくれていたようです ...le cousin de Naomi, Enzo, m'attendait 。なかなかの好青年のようで...il est très sympathique 、ミカさんのホテルまで送ってくれたとのこと Il m'a accompagnée jusqu'à mon hôtel 。荷物をおいたら、ディジョンの街を案内してくれるのだそうです。どこへ行くかは次の課のお楽しみ…。

© Paris - Bourgogne Editions Asahi

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中級

18世紀 青:フランス 赤:イングランド
黄:スベイン
By Andrei nacu

今回のテーマは "Le Québec, l'ancienne Nouvelle-France "

カナダの公用語は英語とフランス語ですが、東部のケベック州だけはフランス語のみが公用語。その理由は歴史にあり、と大航海時代以降をほんの少しのぞいてみました。

16世紀にフランスは、北米に探検家を送りだします。17世紀になって本格的な開拓がすすみ、アンリ4世の名のもと、 " ニュー・フランス(La Nouvelle France) " という植民地をどんどん拡大していきます。一方、イギリスも " ニュー・イングランド ( The New England Colonies ) " を拡張していきます。両国は争い、ニュー・フランスはイギリスに敗北。土地を割譲します。現在のケベックも英領になります。

アカディアを離れなければならなかった人達

ここにいたフランス人は強制移送されたり、脱出したりします。が、英領にとどまった人もいました。その数は6万人 60 000 "Canadiens frnaçais" sont restés. フランス語圏文化はこの人達と ( その子孫に ) よって守られてきたとのことでした Depuis cette époque-là, cette population a essayé de conserver...sa culture francophone.

かつては2千万人以上いたとされる
先住民(インディアン)の地図

© A la page 2010 - 2012 Editions Asahi

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上級

モロウコス氏はたずねます。「結局、ジャンは遣産を受けとったのかね」と "...Marowsko demanda si Jean, décidément, était en possession de sa fortune " 。ピエールの答えを聞いて、モロウコス氏は視線をそらし、黙りこみます。黙ってはいましたが、ピエールはモロウコス氏が何を考えているのか、はっきりと読みとれたように思いました "...Pierre croyait l'entendre penser,...lisait dans ses yeux détournés,...les phrases...qu'il ne disait pas...." 。「ジヤンに遺産を断念させるべきだった。さもなくば、君の母親のことが、人の口の端にのぼることになる」と。

ピエールは推し測ります。エロウコス氏は、ジャンがマレシャル氏の息子だと考えているのか・・・。それは確信か、疑っているだけか・・・。しかし、この3日間、その疑念をふりはらおうと葛藤していたのは、他ならぬピエール自身でした "Mais lui-même, lui Pierre,...ne luttait-il pas contre ce soupçon terrible ? " 。

ピエールは突如たち上がり、挨拶もせずに、霧の街へと出ていきます。自分が一番大切に思っている母親への疑念は、払拭されなければいけない…との思いがつのります。夜の街を歩きながら、マレシヤル氏にまつわる記憶をよびさまそうと必死でした "...il chercha dans sa mémoire avec une tension désespérée ...à reconnaître... cet homme " 。港の船が鳴らす気笛は、まるで自分の心が叫んでいるかのようでした。突堤に腰をおろしたピエールは、目をとじ両手で顔をおおうのでした。

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2019年2月