初級
ブルゴーニュ風フォンデュ
ディジョン駅についたミカさん。エンゾが迎えに来てくれていました。初対面の挨拶を交わしたところで、エンゾがこんなことを言っていました。Mika, si ça ne dérange pas, on peut se tutoyer ? " 良かったら、(vousではなくて) tu で話そう ?
話し相手にむかって Tu をつかうか、Vous をつかうか…フランス人同士のあいだでも微妙なところのようです。あまり親しくない人、" 上 " の立場の人、年配の人…そんな人には Vous 。店の人と客との間も(常連であっても) Vous 。家族、恋人、友達は Tu 。若者同士であればのっけから Tu 。
一方が Vous で、他方が Tu という場合も。例えば先生と生徒、大人と子供の間…一応これが巷の了解事項でしょうか。ただ、当初は Vous で話しかけていても、だんだん親しくなるにつれて、いつまでも Vous では…とそんな転機があるようです。そんな時はこんな質問がとびだすことも。
- Voulez-vous qu'on se tutoie?
- On pourrait peut-être se dire tu?
- Nous pourrions nous tutoyer, si vous le voulez bien.
- Ça vous dérangerait si on se tutoyait?
ちなみにケベックでは、フランスよりはるかに Tu をつかうことが多いそうです ヨ 。
© Paris - Bourgogne Editions Asahi
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中級
今回のテーマは Grandes Écoles 。
各界の精鋭や国家的主導者を育てるグランゼコル。大学と並んで存在する高等教育機関ですが、大学とはだいぶ趣きがちがいます。大学は医学部も含めて、学費はほぼ無料ですし、入学時はバカロレアさえあれは、万人に開かれています。
しかしグランゼコルは入学そのものが難関。国立でない場合は学費が高く、méritocratie (実力本位)とは言いがたいのが実態のようです。一方の国立のグランゼコルの場合は、大学同様、無料。無料どころか、逆に、研修等いろいろな形で手当てを支給される由。その分しばりがあり、卒業後は国の機関で最低10年間、働くことが義務付けられているのだそうです...dans certaines écoles qui préparent à la fonction publique, l’État rémunère la formation de l'étudiant à condition qu'il s'engage à le servir durant dix ans au minimum. (© Observatoire des inégalités)" 10 年間、公的機関で働かなった場合は、返さねばならないとのこと。
2016年12月5日のル・モンド紙によると、マクロン大統領は、民間で働き始めたために本来は国にお金を返さなければならないところを、未返還だったとか…。
© A la page 2010 - 2012 Editions Asahi
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上級
突然の霧で、凍えながら家に戻ったピエールでしたが、気分は晴朗。あの目星をつけておいたアパルトマンを借りれば、すぐにでも医院を開業・・・前途は洋々・・・と晴れやかです Il...pensait à son avenir, qui serait beau, et à la douceur de vivre ...。
家では、母のロラン夫人とジャンが何やら相談しています。「あそこの廊下は、素晴しいわ。花と活けましょうね。内装も変えましょう…」と。何の相談 ? と、ピエールが聞けば " 'De quoi parlez-vous donc?' demanda le docteur. "、ジャンにとても良いアパルトマンが見っかったと言います。廊下はガラス張りだし、食堂は円天井なの、とも "Il a...une galerie vitrée et une petite salle à manger en rotonde..." 。弁護士にはぴったりのアパルトマンと、胸を張り、あなたにも分相応のアパルトマンを見つけてあげないとね、と夫人は付け加えます。
ピエールは絶句します。先程まで自分のアパルトマンと見込んでいたものが、弟の手中におさまってしまったのですから。
気分がふさいだまま、昼会の席に着き、ピエールは質問をします。(ジャンに遺産を遺した)マレシャル氏とはいつ知りあったのか、と。記憶の定かでないロラン氏が、夫人に助舟を求めます "Roland...ne se souvenant plus de rien, il fit appel à la mémoire de sa femme " 。58年よ。ピエールが3才の時だったわ。あなたが星紅熱にかかった時よ。ここでロラン氏が、そうだった、と思い出します。薬をとり行ってくれた。親身に私たちを支えてくれて、おまえが治った時は、おまえを抱きしめてくれた、と。
ピエールは考えます。「そのようなマレシャル氏がどうして弟のジャンにだけ遺産と託したのか、と。もはや質問する気力も失せ、食事もそこそこに、外に出ます。行くあてはなく、足は自ずと、モロウスコ氏の方に向かいます。相変らずモロウスコ氏は店先でまどろんでいますが、ピエールに気づくや、グラスを 2 つと自作のグロゼイエット(スグリ酒)を運んできてくれました "...le vieux pharmacien dormait toujours. En reconnaissant Pierre...il alla chercher deux verres et apporta la groseillette" 。
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