今週もクールベの『画家のアトリエ "Atelier du peintre" 』です。ヨコ 6m、タテ3.6m (!) という大きな大きな作品です。
絵のまん中にはクールベ自身がいますが、
その右にはクールベと親交をむすぶ人たち、そして左にはクールベが嫌う世界が描かれているのだそうです
" Courbet a mis ses amis à droite et à gauche le monde qu'il déteste "。 右の隅で、本を読んでいるのはボードレール
" On voit Beaudelaire ... dans le coin à droite" 。 本をややかたむけています
" Il est en train de consulter un livre qu'il tient incliné" 。 明るくして読もうとしているのでしょう
"...probablement pour essayer de le voir en pleine lumière " 。プルードンや妹などもいます。
一方の左には、ナポレオン三世とおぼしき男性、金満家、その餌食になる人等々…。「7年間の画家生活」を描いた絵とのことですが、当時の社会を映し出してもいるようです。
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この絵は2014年から1年かけて修復がなされたそうです。展示しながらの、公開作業だったとか。美術館の別の役割を見れたわけですね。見てみたかったなあ…
© Au Musée d'Orsay Editions Asahi
今回のテーマは、『ツグハル=レオナルド藤田 : " F(o)ujita " 』。
日本での表記は Fujita ですが、フランスでは Foujita と記されます。テキストによれば、1913年に3年間の予定で渡仏したものの、帰国したのは16年後 "En partant du Japon en 1913...Il voulait habiter pendant 3 ans à Paris...Mais il est revenu 16 ans après " 。モンパルナスでエコール・ド・パリの画家たち(ピカソ、モジリアニ、シャガール…)と親交をもち、精力的に作品を描いて、1925年にはレジオンドヌールとレオポルド勲章(ベルギー)を受けたそうです " En 1925, Tsuguharu Foujita est déjà décoré de l'Ordre de Léopold et est fait chevalier de la Légion d'honneur en France" 。
フランスや南米では大成功をおさめましたが、戦後の日本では顧みられることがありませんでした。戦争画家であったことやGHQとの関係を指弾されそしておそらく画壇の豹変による失意もあり、1949年にフランスにもどります " Sa collaboration au militarisme sera à l'origine de critiques durant l'après-guerre et de son départ pour la France en 1949 " 。ランス Reims にアトリエを構え、フランスに帰化。カトリックの洗礼を受け、晩年は自ら建てた礼拝堂で壁画、ステンドグラス、彫刻などの制作に打ち込んだそうです " Son dernier travail majeur est la décoration de cette chapelle " 。
数々の逸話もあるようです。渡仏して間もなく、当時としてはとても珍しいお湯のでる湯舟をアパートにおいて、モデルたちに喜ばれたとか "Beaucoup de modèles y viennent pour apprécier ce luxe.、また1917年にはF.バレに一目惚れして、13日後には結婚した等々…。そうした話は別として、現在、663点もの作品が遺族の意思でランスに寄贈され、ランス美術館などに展示されているそうです。
『アッツ島玉砕』
© A la page 2013 Editions Asahi
© Academic, 2000-2017
今回は予定を変更して、『ピエールとジャン』ではなく、雑誌の記事などを読みました。次回は "Le collier rouge " の予定です。
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