2022年6月7日
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今週は15課。ナナさんとエリックのサッカー談議です。
OM ( オリンピック・マルセイユ Olympique de Marseille ) と PSG ( パリ・サンジェルマン Paris Saint-Germain ) の試合を観戦中のエリック。エリックは PSG のサポーター。しかしナナさんは OM のファン。それを知ってエリックは、Quoi ? Vade retro Satan ! ( なに イ ? 消え失せろ ! ( 冗談口調です )) とナナさんを悪魔扱い。でも応援しているチームが違う方が、観戦が刺激的になる Ça va pimenter la soirée ! と鷹揚なところを見せるエリックでした !!
© Maestro 2, Editions Asahi
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今週は「フェア・トレード Commerce équitable 」についてです。 重い問題です…
発展途上の国々は、植民地の時代を経て独立をはたしたものの、先進国との取引で不公平な立場に立たされていることが多いと言います。特に生産者に対しては、公正な支払いがなされておらず、そのような実態を正していくことを目指して生まれたのがフェア・トレードなのだそうです "Le commerce équitable est né dans le but de proposer de meilleures conditions de commerce aux producteurs en situation désavantageuse dans les pays en voie de développement..."。その始まりは1940年代とのことですが、広がりをみせたのは 1970年代あたりからだそうです。
フェア・トレードの対象になる製品は農産物が多いようですね。テキストの本文にはこんなことが記されていました " Ces gens (les paysans dans les pays du sud ) travaillent sans sécurité, sans droits et vivent dans des conditions difficiles こうした人たちは ( 途上国の農業従事者 ) は、権利を奪われ、危険な条件下ではたらき、厳しい生活をおくっています ) "。 しかしこのような状況は農業従事者だけに限らないようです。IT 産業などに欠かせない鉱物の採掘などについても、それに携わる人たちの労働環境が問題視されています… … …。
© 『聴いてわかるフランス語ニュース』 第三書房
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今週は『Le chapeau de Mitterrand ミッテランの帽子』です。
ピエールは考えます…。6年間、フルマンベルグに診てもらっても、私のうつは、何ひとつよくならなかった。あの日、帽子をひろったおかげで私はうつを脱することができたのだ。帽子を手に入れなかったら、ひげをそることもなく、大晦にラジエーターの上で帽子があの匂いを放つこともなかった。私の人生はあの時のままだったにちがいない・・・。
まあ、いずれにしても、もしフルマンベルグの診療室に通わなければ、モンソー公園を通ることはなかったし、もしそうであれば公園のベンチで帽子を見つけることもなかった。その意味では、フルマンベルグの所に通ったことが役にたった・・・と、こう結論づけたところで、ピエールは、フルマンベルグに小切手を切って送ることにしました。翌日、小切手は届いているはずでしたが、診療所からは何の返事もありませんでした。ただその日のうちに、小切手の額面がピエールの口座から引き落とされていたのでした。
…と、そんなこんなをつらつらと考えていたピエールでしたが、テーブルには、豪華な大皿が運ばれてきました。ピエールとエステルとエリックは海の幸を堪能。そして帰路につきます。三人はタクシーの後部座席へ。ピエールのひざの上には、黒いフェルト帽が鎮座していますが、息子のエリックが何気なくこの帽子を手にとります。「B.L.って誰 ? 」とエリック。帽子の内側のイニシアルを見て尋ねます。ピエールはエリックの手から帽子をとります。見た目は全く同じ帽子ですが、たしかに別のイニシャルがほどこされています…。そう、クローク・ルームです。クローク・ルームの女性に違いありません。あの女性がピエールに間違った帽子を手渡したのでした。
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新しい章です。書き出しは " Cher Monsieur " 。小説家の卵のファニーが、最初の帽子の持ち主のダニエルにしたためた手紙です。ダニエルが出した「探し物」の掲示欄を読んで、手紙を書いたのでした。
「掲示欄に書かれてあった < パリ=ル・アーヴル 06781の列車 > は< ル・アーヴル=パリ 67854 > と列車名は変わりましたが、まさしく私もその列車に乗りました。そしてお探しの帽子もかぶりました。ただ残念ながらその帽子をお届けすることはできないのですが…」という書き出しの手紙です。次回は、p105 Je suis montée dedans en gare du Havre à 21 h 25 le soir même où... からです。
© " Le chapeau de Mitterrand ", Antoine Laurain, J'ai lu
6月14日はお休みさせていただきました。
2022年6月21日
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ボルドワイン Ad viatam aeternam
今週も 15 課。今も使われているラテン語の表現を少々。
本文では、エリックが、" Vade retro Satana 悪魔よ消えろ = あっち行け !! " などと言っていましたが、ほかにもこんな例があります。
- Quid novi ? クゥイドゥ・ノヴィ - なにか新しいことない ?
- Curriculum vitae キュリキュロムヴィテ - 履歴(書) - CV ( セーヴェー ) とも言いますね
On doit rédiger un curriculum vitae, pour être accepté. ( 採ってもらうには、履歴書を書かなきゃ ) - Ad hoc アドック 専用の、そのための
Il suffit pour cela d'une ampoule ad hoc. 専用の電球をつけるだけでいい - sine qua non スィネクァノン 絶対に必要な
L'accès à l'enseignement est une condition sine qua non du respect des droits de l'enfant. 教育を受けられるようにすることは、子どもの人権の尊重に欠かせない条件だ - Ad viatam aeternam アドヴィタメテルナム 永遠に
Elle se croit sûre de pouvoir rester ici ad vitam aternam 彼女は永遠にここに居られると信じている
© Maestro 2, Editions Asahi
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今週も、「フェア・トレード」のテキストを読みました。
フェアトレードでは、途上国の生産者は、買い手(製品を購入・販売する業者)とパートナー契約 convention de partenariat というものを結ぶのだそうです。この契約によって、従来の不平等な賃金を上回る収入が保障されるとのこと " Il lui assure une part de revenus plus importante que celle qu'il obtiendrait dans le commerce conventionnel " 。そして製品の市場価格が変動しても、最低限の収入が確保できるようになるのだそうです " le commerce équitable garantit un revenu minimum, quelles que soient les fluctuations du marché " 。
またこのフェアトレードは末端の消費者への意識改革も促しています。消費者は安さだけを求めるのではなく、第三世界でつくられる商品が公正に取り引きされているかについても、目を向けてみることか求められているようです ソノトオリデスネ 。
© 『聴いてわかるフランス語ニュース』 第三書房
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今週は『Le chapeau de Mitterrand ミッテランの帽子』です。
ファニーが、ダニエルにしたためた手紙の続きです。 「帽子にきざまれたイニシャルはFM。まさしく私のイニシ ャルと同じです。これは縁気が良いと、雨が降っていたことも手伝って帽子を拝借しました」。
ファニーは続けて「不躾にも長々と私事を書きますが・・・」などと前置きをしながらも、エドワードとの腐れ縁が切れるまでの一切合切を赤裸々に語ります。「それもこれも皆、あの帽子のおかげですし、新たな人生を踏み出せたのもあなたの帽子おかげ。 エドワードとの顛末を小説にし、これが受賞。受賞式はプルーストが過ごしていたことで知られるグラントテル・ドゥ・ カブール Grand Hôtel de Cabourg でした。その受賞式で出会った男性が新たな伴侶となりました」等々…。そして手紙の末尾には「残念ながら、お探しの帽子は手放してしまいました。」の一文。
* * * * *
と、こういう手紙がダニエルのもとに届きます。それまでダニエルが受けとっていた知らせは、どれもこれもにせ情報ばかりで した。しかし今度は違いました。ファニーにすぐに返事をしたためます。「手紙を読みました。あなたの小説も拝読。 語られている帽子は、間違い無く私の帽子です…」。
次回は、p109 "Et puisque vous vous êtes livrée à moi avec autant de confiance..." からです。
グラントテル・カブール
© " Le chapeau de Mitterrand ", Antoine Laurain, J'ai lu
2022年5月31日
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今週は接続法の " 仕上げ " です。
心配だったり、怖かったり、希望にあふれていたり、悲しかったり…本日は、接続法を駆使して (?) 、心の起伏を表す練習をば…。
ちなみに、命令や希望を述べるときに「Que + 接続法」を使う例を少々。
- Qu'il entre. お入りください
- Que tout le monde sorte d'ici. 皆、ここから出ていって !
- Qu'on en finisse. 終わらせましょ !
© Maestro 2, Editions Asahi
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M.パニョル:La gloire de
mon père:ライシテによる教育が楽しく描かれています今週は「ライシテ la laïcité 」についてです。
テキストを引用しますと、" On peut pratiquer toutes les religions en France mais la vie politique, l'administration, l'enseignement sont indépendants de la religion ( フランスではどのような宗教も信仰することができますが、政治や行政、教育は宗教から独立しています )"。
国教という単一の宗教ではなく、多様な宗教が容認されると同時に、公共という場や領域ではどの宗教にもくみせずに、政治や行政、教育がなされることがさだめられたわけです。が、テキストでは、さらに敷衍してイスラム教のスカーフなどは、( 他者から見れば ) 宗教上のサインとなり、これがさらには「宣教活動にもつながるとみなされる」としています。
ライシテは、共存のためなのか、排除のためなのか…と少し気になります。難しい問題です…。
ちなみに欧州連合の人権憲章 ( Convention européenne des droits de l'homme ) をちょっとのぞいてみました。こんな条文がありました 。
" Toute personne a droit à la liberté de pensée, de conscience et de religion. Ce droit implique la liberté... de manifester sa religion ou sa conviction, en public ou en prive ,...(すべての人は、思想、良心、宗教の自由にかかわる権利をもっています。この権利には...公にまた私的に... その宗教や信念を表明する自由が含まれています) ナルホド…© AFP
© 『聴いてわかるフランス語ニュース』 第三書房
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今週は『Zazie dans le métro 地下鉄のザジ』です。
婦人はたずねます。「この方 ( ガブリエル ) に何を答えてほしいの」。ザジはすかさず返事。「ガブリエルおじさんがホルモセシュエル ( hormosessuel ) かどうかということよ」。「それなら間違いないじゃない」と婦人。「何が間違いないんだ」とやや眉をつり上げたガブエル…。婦人の答えは「あなたがホルモセシュエルなのは間違いないということよ」。
しかしザジは実のところ、ホルモセシュエルの本当の意味をよくわかっていません。「だいたいの察しはつくけど」などとつくろうものですから、「どんな察しだ」と問い詰められます。そこで、ガブリエルに、例の強烈な香りの香水を吸いこんたハンカチを胸のポケットから出すよう頼みます。以前、シャルルに「ホルモセスュアルは香水をつけている人のこと?」と質問したら、「まさしくその通り」と太鼓判をおしてもらっていましたから。ザジは胸を張ります。
しかし婦人からは、全然、わかってないじゃないとあしらわれてしまいました。一瞬たじろぐザジですが、それでも強気に、ガブリエルに向かって「私の質問に答えてよ」とゆずりません。しかも執拗に、ガブリエルをつねりつづけます。ガブリエルは、腿をさすりさすり「ああ子供とは何と愛くるしいものだ」とさながら殉教者のよう。
婦人は、どうやらガブリエルがザジのことをよく知らないのだと見抜き、しばし預かっているだけだということを知るに至ります。「姪ごさんですのね」と婦人が確めれば、ザジは「ガブリエルは、私のおばさんよ」と調子にのります。
そんなところに、なんと、かのバスツアーの観光客が、タクシーで乗りつけます。ガブリエルを大ガイドとあがめる客たちは、ガブリエルをかつぎあげ、乗りつけてきたタクシーに押しこみ、連れ去っていってました。とり残された婦人は、「ガイドさらいよ~、ガイドさらいよ~ ( kidnappeur をもじって " Aux guidenappeurs, aux guidenappeurs" ) 」と大騒ぎ。そこヘお巡り flicard が「一体何事じゃ " Y a kekcchose qui se passe ? " (原文ママ) とやってきます。「男性がさらわれたんです。しかもハンサムな方よ(!)」と婦人。次回は、p132 "Crénom, murmura le flicard mis en appétit " からです。
© "Zazie dans le métro ", Raymond Queneau, Folio