初級
ピウス7世
L.ダヴィッド
今週は『le Sacre de Napoleon 1er ( ナポレオン一世の戴冠式 ) 』のテキストの続きです。
ルイ・ダヴィッドはナポレオンのお抱え画家。第一帝政での出来事を絵にして、それを後世に残す役割をになっていたとのこと (註1)" David était le peintre favori de Napoléon qui le chargea d'immortaliser les grands événements de son règne" 。
戴冠式の絵を描くことは、国から受けた公的な任務。ですからダヴィッドはその期待に十分に応えたいと考えました。またその任務の命ずるところに従って、人物の特徴を一つ一つできるかぎり正確に描いたそうです " Cette mission officielle à laquelle le peintre veut répondre entièrement, lui ordonne aussi de dessiner le plus précisément possible chaque trait du visage " 。
テキストのフランス語がだんだん複雑になってきました !! ガンバリマショ ...
( 註1 ) 画家のダヴィッドは、実際にはナポレオンの時代だけでなく、王制、革命期、共和制と目まぐるしく変わったどの時代にも第一線にいた画家だそうです。そればかりか驚いたことに、革命期には国民公会議の議員でもあったそうです !!
マラーの死
L.ダヴィッド
© Au Musée du Louvre, Editions Asahi
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中級
今週は第2課。タイトルは『 Jacques Chirac ジャック・シラク 』です。
1995年から2007年まで大統領職をつとめたシラク氏。特に評価されているのは 2003 年のアメリカ主導のイラク戦争に反対したこと。第二次世界大戦中、ユダヤの人の強制移送にフランスの国がかかわった事を認めたこと。
他方で、批判を受けているのが、架空雇用事件で有罪判決(執行猶予付)を受けたこと。経済政策や社会保障で特段の成果を上げることができなかったこと。
とはいえ世界のさまざまな文明、文化に関心をよせ、ケ・ブランリ美術館を開設したことでも知られています。欧州以外の美術・工芸品や、トロカデロの人類博物館 le Musée de l'Homme から引き継いだ文化人類学上の"資料"などが展示されています。
いずれにしても、在任中はともかくとしても、退任後のシラク氏にたいする人気はとても高いとのことでした 。
新聞によると、アフリカとの歴史的な関係について歴史家グループが膨大な調査をおこない、官製とは一線を画す報告・提言書を大統領府に出したとのこと(Rapport de B.Stora ; Rapport de V.Duclert ) 。大統領の真の評価はこうしたことも視野に入れてなされていくことになるのでしょう。
© A la page 2021 Edition ASAHI
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上級
今週は " Zazie dans le métro " です。
ガブリエルは、ザジの旅行かばんを持ち上げ「さっ、行くぞ」と勢いよく歩き始めます。小走りに後ろからついていくザジはたずねます。「ねえ、地下鉄に乗る ? 」「無理だね。ストで動いていない」とガブリエル。ザジは怒りだします。なにしろパリには、地下鉄に乗りたくてやってきたのですから。
ガブリエルはもう一度片手でかばんをもち、もう一方の手でザジを引っぱり、タクシー乗り場まで連れていきます。タクシーの運転手はシャルル。ガブリエルの義弟です。
ザジは「ぼろっちいタクシーね」とまずはごあいさつ。ガブリエルがザジの横に腰をおろすと「あたしを押しつぶす気?」。車中で「ほら、あれが地下鉄の高架線だ」と教えられると「うそばっか」。
「先が思いやられる…」とシャルルがつぶやきます。
ガブリエルは気をとりなおして「ほ~ら綺麗だろ、パリは。あれがパンテオンだ」とそびえる建物を指します。が、すぐにシャルルから「あれはパンテオンじやない」と物言いがつきます…。
次回はp19 Napoléon mon cul, réplique Zazie からです。今少し珍道中がつづきます。
© "Zazie dans le métro ", Raymond Queneau, Folio
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