今回は EN と Y (中性代名詞)、そして条件法のおさらい。
条件法といえば Le portrait chinois という言葉遊びがあります。自己紹介などに使ったりします。例えばこんな感じです…
- Si j'étais un instrument de musique, je serais le violoncelle.
もし私が楽器なら、私は「チェロ」です。
- Si j'étais une couleur, je serais le vert olive.
もし私が色なら、私は「うぐいす色」です。
- Si j'étais un poème, je serais "liberté" de P.Elluard
もし私が詩なら、私は「エルュアールのリベルテ」です。
- Si j'étais un personnage fictif, je serais Alice dans "Alice aux pays des merveilles"
もし私が物語の人物なら、私は「不思議の国のアリス」です。.
- Si j'étais un moyen de transport, je serais une caravane.
もし私が乗り物や移動手段なら、私は「キャラバン」です。
- Si j'étais une étoile, je serais une supernova.
もし私が星なら、私は「超新星」です。
- Si j'étais un adjectif, je serais "indiscernable".
もし私が形容詞なら、私は"indiscernable (つかみどころがない)"です。
Si vous étiez une fleur, qu'est-ce que vous seriez?
© Esplanade 2 Editions Asahi
今週は第15課。テーマは「食卓から二酸化炭素を減らそう Réduisons le CO2 dans notre assiette 」です。
水を飲むなら水道の蛇口からコップで、というのがADEM(1)の奨めです L'ADEM recommande...de boire de l'eau du robinet。ペットボトルは製造、運搬、貯蔵をしなければならず、これが GES ( les gaz â effet de serre ) の排出につながります。
またテキストによれば焼肉よりは焼き鳥がお勧めとのこと…。牛の飼育には穀物がつきものですが、その栽培に窒素をふくんだ肥料 ( engrais azotés ) が必要で、これが二酸化窒素 NO2 をだす…。さらに牛のような反芻動物は消化のときに、口からメタンガスが… ( ゲップですが)。このメタンガスの温室効果が炭酸ガスの21倍 ...le méthane a un effet de serre vingt et une fois plus fort que le gaz carbonique.。
そしておいしそうなイチゴがのったクリスマスケーキ…。これもいただけません。季節はずれのイチゴを1kg 収穫するのに、100リットルの軽油を燃やした場合と同じだけの GES が出されるのだそうです。
(1)ADEM : 環境・エネルギー管理庁 ( Agence de l'Environnement et de la Maîtrise de l'Energie) 。 ADEM という通称はそのままながら、現在では L'Agence de la transition écologique となっています。
© INFOS 3 駿河台出版社
今週は " Le chien "です。長いブランクがありましたので、ちょっとおさらいから。
「私」は作家。孤高の生活を送っていた医師サミュエルが胸襟を開いた数少ない人物。そのサミュエルが自殺をしてしまいます。愛犬が事故死したことが引き金ではないかと思われるのですが、「私」には愛犬の死がそれほどの絶望をもたらすものなのかという思いがあります。サミュエルの一人娘のミランダも父の死を受け入れられません。
実はサミュエルは亡くなる直前に手紙をしたためていました。そしてその手紙はサミュエルの死の翌日に「私」のもとにとどきます。ホッチキスで留められた原稿も同封されていました。原稿は娘のミランダに宛てたものでしたが、まずは「私」に読んで欲しいと添え書きがありました。
この原稿は、サミュエルの子供時代から始まります。近所の者の密告があり、家族で夕餉を囲んでいる時に、ナチスの親衛隊がやってきて家族全員を連行していってしまったのです。姉の機転でサミュエル一人が助かります。サミュエルはその後、幾多の人々にかくまわれて命をつなぎます。しかしやはり密告があり、サミュエル自身も収容所に送られることになりました。以下、原稿の続きです。
「 収容所では「選別」があった。人間が振り分けられ、あっという間に私は仲間を失った。
寝起きするワラ布団はどれも排泄物だらけ。私はわずかな隙間に腰をおろし、空腹をごまかすために木切れをくわてまどろんだ。15歳の時だった。」
ここで「私」は原稿を読むのをやめます。あまりに辛すぎます。気持ちを切りかえるべく片付けやら、アイロンかけやらをし、紅茶をいれます。火にかけた水が小刻みにふるえ、あわをたてて沸騰するさまを凝視し、ティーパックからゆったりと茶の色がひろがっていくのをながめます。紅茶の香りに落ち着きをとりもどした「私」はふたたびサミュエルの原稿を手に取ります。
「 髪をそられ、腕に番号の入れ墨を彫られ、行進の末に工場で働かされ…それでも私は耐える、家族と再会するために耐える…そう心に決めていた。会う人ごとに両親らを知っているかと尋ねた。が、ガス室に送られなかった者でも、家畜のように使われ 6ヶ月と持つことはないと知らされた。
この新たな事実を知り、私は亡くなった家族のためにも生きのびることを自分に課した。その決意は固かった。しかし収容所の生活はあらゆる意志を砕いた。全てをはぎ取られて番号をつけられ、使役の道具として使われる…さもなければ医療の被験者となる…そんな日々だった。次回は p61 Comme du bétail, je devenais un objet entre les mains de... からです。