初級
今週は、最終章 13 課の文法。
接続法の用法の諸々をみましたが、そのうちの一つ。こうあったらいいなあ、こうして欲しいなあ、こうしなさい、というときの例を少々( optatif, injonctif という用法です) 。
通常、人に何かしてもらう場合は命令法をつかいますが、これはあくまで、話し相手に対していう言葉。二人称 ( もしくは一人称複数(=自分を含めた私達 ) ) しか使えません。ですので、それ以外の人に、こうして欲しい、こうさせたいと言いたいのであれば、que + 接続法というのも一つの手です。
- Qu'il revienne un autre jour ! 別の日に来て欲しいなあ
- Que personne ne sort e ! 誰も外に出るな
- Que le Ciel vous entende ! 神があなたの声を聞きとげんことを
- Qu'on me derage pas. 邪魔しないで欲しい
© FLE d’Aphelie
© Au Musée d'Orsay Editions Asahi
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中級
今回は、次のテキストが来るまでの中継ぎ。プチ・ニコラ Le petit Nicolas を読みました。( プチ・ニコラ第2弾です。第1弾はこちら) 。
タイトルは、 「ブイヨン Le Bouillon 」。ブイヨンとは、ムッシュウ・デュポンのあだ名です。
なぜブイヨンなのか。---- 肉と野菜をコトコト煮てつくるブイヨンスープには、まるい脂が浮いていますが、これをles yeux du bouillon といいます。かのブイヨンさんはことあるごとに「私の目を見なさい Regardez-moi dans les yeux 」と生徒にむかって言います。生徒は先生の目 les yeax を見ざるをえません。そこでデュポン氏の目と、あのスープに浮いている les yeux du bouillon という言いまわしが混ざりあって、デュポンさんはブイヨンと呼ばれるようになったそうです。もちろんご本人の前では言いませんが。
さて、今日はニコラのクラスの担任の先生が病気でお休み。代りに監督官のブイヨンがクラスにやってきました。ニコラたちにとって、あまり嬉しいことではありませんが、幸いなことに「私は校長先生と仕事があるので、ずっとはいれません。よい子にしているように」と告げます。ニコラたちがほっとしたのもつかの間、クラスで一番勉強のできるアニャンにクラスの監督をまかせて
Bon, a dit le Bouillon, tu(=Agnan) vas venir t'asseoir à la place de la maîtresse et tu surveilleras tes camarades.、出て行ってしまいました。
アニヤンは意気揚々と先生の席に坐わりに行き、「算数の教科書とノートを出しなさい」と先生口調。これに「ちょっと頭がおかしいんじゃないの "T'es pas un peu fou ? "」とクロテールがかみつきます。当然、一悶着が起こりますが、「こんなことだろうと思った」とブイヨンさんが戻ってきます。ブイヨンさんはクロテールに「私の目を見なさい」と言って罰の宿題を出し、また戻って来ますからね、と念をおして去っていきました。
すると、ジョアシャンは、もうこんなことがあってはならぬと、率先してドアのところに行き、鍵穴からブイヨンさんが来ないか見張ることに。すっかり先生気分のアニャンに、席に戻りなさいと叱られますが、意に介しません。アッカンベーをするだけ Agnan...criait : "Joachim, à votre place ! ". Joachim a tiré la langue à Agnan 。誰かに「ブイヨンが見えるか」と聞かれ、ジョアシャンが「何も見えないよ」と答えるや、クラスは騒然となります。先生のお気に入りのアニャンをやっつけようとする子、そんなことよりボール投げしようと言う子…。教室の中を、ボールがあっちに行き、こっちに行きしているあいだに、ジョアシャンが叫び声をあげます。見ればへたり込んで両手で鼻をおさえています。ブイヨンさんが戻ってきたのでした。
少々もてあまし気味みのブイヨンさん。アニャンを見習いなさいと、ひとしきり説教をして出ていきます。アニャンは鼻高々に 「 1ダース500フランの卵を28個もった農夫が‥・...dans un panier, il(=un fermier) a vingt-huit oeufs à cinq cents francs la douzaine..." 」 と算数の問題を読み始めたところで、鼻を腫らしたジヨアシャンが、「おまえのせいで鼻をうった」と叫びます。「そうだ、そうだ」と加勢する者も出て、アニャンが泣き出す始末に。そうこうするうちに再びブイヨンさんが来て、「今度は君か」と泣きじやくるアニャンに目をやります。もうお手あげとばかりに「いいですか、私の目を見なさい・・・」。
と、本日はここまで。テキストの残りはあと少しですが、どんな結末が待っていることやら !!
© A la page 2018 Editions Asahi
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上級
今週は、『ピエールとジャン Pierre et Jean 』。
翌朝、ピエールはベットのぬくもりの中で、弟に遺産が転がり込むのなら、自分は自分の力で財をなそうと決心します "Le docteur se éveilla ...avec la résolution bien arrêtée de faire fortune. ... Enfoncé dans son lit entre les draps chauds, il méditait."。絵空事としか思えぬものの、ピエール自身は真剣に、てっとり早いかせぎ方に頭を巡らせます。
「 午前は裕福な家に往診。往診料は20フラン。10軒まわれば、一年で7万フランは稼げる "En prenant...dix par jour, à vingt francs l'un, cela lui ferait...soixante-douze mille francs par an..."。午後は自分の診療室で診る。診療費を10フランとして、10人の患者を診れば、3万5千フラン…広告も出し、診療以外の小遣い稼ぎをすれば、ジャンよりはるかに金持ちで有名になる。結婚はしない。美人の患者を愛人にすればすむことだ…」。
妄想は確信となり、ジャンはベットからはね起きます。服を着るが早いか、外にとび出し、診察室を兼ねたマンション探し。並みのマンションは眼中にありません。横柄にかまえて " 私は医者でたくさん患者が来るから、階段は広く、頑丈でなければ… 3 階以上はダメだ… (Pierre) annonçait qu'il était médecin et qu'il recevait beaucoup. Il fallait que l'escalier fût large et bien tenu ; il ne pouvait monter d'ailleurs au-dessus du premier étage. "、などと不動産屋に注文をつけ、いくつか候補をしぼったところで帰宅。
帰宅してみると、はやくもピエール抜きで昼食が始まっていました。ピエールが機嫌を損ねていることにはお構いなしで、ロラン夫妻は遺産が入ったらどうするかという話しに花を咲かせています。ジャンに上流階級の仲間入りを勧めたり、新しい船でセネガルまで足をのばそうと、夢物語を語ったり…。
次回は、" Pierre, à son tour, donna son avis. En somme, ce n'était pas la fourtune qui..." からです。
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