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Article 9. Aspirant sincèrement à une paix internationale fondée sur la justice et l'ordre, le peuple japonais renonce à jamais à la guerre en tant que droit souverain de la nation, ou à la menace, ou à l'usage de la force comme moyen de reglement des conflits internationaux. Les hommes naissent et demeurent libres et égaux en droits.

かまくらフランス語教室

備 忘 録

Les hommes naissent et demeurent libres et égaux en droits.
かまくらフランス語教室
Article 9. Aspirant sincèrement à une paix internationale fondée
備 忘 録
sur la justice et l'ordre, le peuple japonais renonce à jamais à la guerre en tant que droit souverain de la nation, ou à la menace, ou à l'usage de la force comme moyen de reglement des conflits internationaux.

2023年2月7日

中級

今週のタイトルは『ピエール・スラージュ Pierre Soulages 』です。

ピエール・スラージュは、南仏アヴェロン県生まれの抽象画家。1979年以後は黒のみを用いて描くようになりました "...depuis 1979, il utilise exclusivement du noir 。しかし単彩というわけではありません。画材、技法、道具をさまざまに変えて、無限の黒を表現しています "...Soulages...varie les matériaux, les techniques, les outils "

とはいえスラージュが求めているのは黒そのものではなく、黒の表面における光の屈折なのだそうです " ...ce qui intéresse Soulages...n'est pas le noir lui-même, mais la réflexion de la lumière sur la surface noire " 。スラージュ自身これを「黒を越えるもの 'outrenoir ' 」と名付けているそうです。

スラージュは 2022 年 10 月に亡くなりました。享年は 102 歳。存命中にはルーヴル美術館で回顧展がひらかれました。同館での存命中の回顧展というのは、スラージュ以外ではピカソとシャガールのみであったそうです" ...avant Soulages, seuls Picasso et Chagall avaient eu cet honneur (= une retrospective au musée du Louvre ) "


篠田桃紅作


© A la page 2022, Editions Asahi

上級

セゲラとミッテラン

今週は『Le chapeau de Mitterrand ミッテランの帽子』です。

ジャン氏 M.Djian はうっかりしていたのでした。ベルナール一家を招待したものの、金曜は、ジャク・セゲラ宅でパーティーが予定されていたのです。アンディ・ウォホールが生前に描いてくれたセゲラの肖像画が、ようやくニューヨークから届くことになり、それを祝ってのパーティーでした " c'était le soir où le publicitaire ( = Jacques Séguéla )organisait une grande fête pour célébrer l'arrivée de son portrait par Andy Warhol "

そういうことであれば、ベルナールー家をこのパーティーに連れていけばよい、セゲラ氏がそれをことわることはあるまいと考えたのでした "Une idée lumineuse lui est venue : demander s'il pouvait venir accompagné. Séguéla ne dirait pas non "

しかしこれがシャルロットの逆鱗に触れることになりました。「左派の成り上がりにヘイコラするのは、まっぴらごめん。行くなら一人で行ってちょうだい " Il est hors de question que j'aille faire des ronds de jambe aux parvenus de la gauche ! " 」とシャルロット。長男は「僕は行ける?」とたずねますが、母親のシャルロットは「金曜は、ラリー ( rallye:富裕層のお見合いパーティー ) の日よ ! 」とニベもありません。

という訳で、金曜当日、ベルナールは一人で階下のジャン氏宅に寄ります。「大したことはないのですが、妻は体調がすぐれませんので " Ma femme est souffrante, rien de grave " 」と詑びつつ、ジャン氏のロールスロイスに乗りこみます。後部座席にはジャン氏の奥さんが。1960年代のイタリア女優を彷彿とさせる美貌の持ち主です。疾走するオープンカーに髪をなびかせています。

葉巻を口にくわえハンドルを握るジャン氏は、軽快に流れるロックに体を揺らし、赤信号を突っ走り、車を右へ左へと蛇行させます。ベルナールは最初はあっけにとられていましたが、しまいには声をあげて笑い始めます。こんなに笑ったのは一体いつのことだったか、いや初めてのことかもしれない… " Bernard se mit à rire -- un rire d'étonnement, de stupéfaction. Il n'avait pas ri ainsi depuis des décennies. Peut-être même jamais " 。ベルナールには、もはや車は宙を浮いているかのようでした。やがてセゲラ氏の邸宅に近づきます。ポルシェ911 Porche Carrera 、ロールスロイス・シルバ―・スパー Rolls Silver Spur 、ランボルギーニ Lamborghini …そんな車が次々とセゲラ氏の邸宅へと吸いこまれていきます。

ジャン夫妻とベルナールは、大理石の玄関ホールでコートをあずけ、鳴り響くロックにいざなわれて宴会ホールに入ります。シャンペグラスを手にした招待客が、優に300人はいるでしょうか…。

次回は p153 " Deux joueurs de saxophone à lunettes noires et constumes de soie blanche jouaient des variations sur la chanson..." からです。





© " Le chapeau de Mitterrand ", Antoine Laurain, J'ai lu

2023年2月14日

中級

今週もピエール・スラージュ Pierre Soulages についてです。「C'est qui, Soulages ? ( スラージュって誰 ) 」というタイトルの子供新聞を読みました。原文はこちらです

スラージュは子供のころから黒が好きで、服は黒。結婚式の衣装も黒だったそうです。やはり子供のときに、白い紙のうえに黒で雪を表わしたそうです。雪の白をきわだたせるためだったとのこと " Pour lui, le noir faisait ressortir le blanc de la neige "

12 歳のときに訪れたコンク大修道院教会では、射しこむ光に魅せられて画家になることを決心したそうです " A 12 ans, il est ébloui par la lumière qui entre dans l'abbatiale de Conques...et il décide de devenir peintre " 。あかるい黒から深い黒までを描きながら、いろいろな道具と技法をもちいて、さまざまに光を反射させることをもくろんだとのこと。そしてこれを " l'Outrenoir ( 黒を越えるもの ) " と名づけたそうです。今日、コンクの大修道院教会には、スラージュによる 104 枚のステンドグラスがはめ込まれています。





© A la page 2022, Editions Asahi
© 2023 Milan Presse

上級

今週は『地下鉄のザジ Zazie dans le métro 』です。

ガブリエルの店に向かうべく、全員がシャルルのタクシーに乗り込みます。オウムのラヴェルデュールも一緒です。マド・プチ・ピエは「この子 ( オウム ) は、ガブリエルのショーを楽しめるかしら」といぶかしがります。が、オウムのラヴェルデュールはすかさず「オシャベリ、オシャベリ、オマエニデキルノハオシャベリダケ Tu causes, tu causes, c'est tout ce que tu sais faire 」と応答。「ほらね、こいつらは人間が思っている以上に、いろいろ理解してるんだ」とグリドゥがラヴェルデュール ( オオム ) を擁護。

すると、マド・プチ・ピエが「本当ね。人間の方が、なア~ンにもわかってないのかも " Ça c'est vrai...D'ailleurs nous, est ce qu'on entrave vraiment kouak ce soit à kouak ce soit ? (原文ママ) 」と舌足らずながら、考え深げです。そしてさらにため息まじりに「ジツゾンって、やっかいなものねえ Quelle colique que l'egzistence (原文ママ)」とも。「そんなことはないさ」とグリドゥが慰め (?) ますが、ここで再びラヴェルデュールが「オシャベリ、オシャベリ、オマエニデキルノハオシャベリダケ」。

この間、テュランドが運転手のシャルルの腿をパチリとたたいて、シャルルがあやうくハンドルを切り損ね、「やめろよ !! Me fais pas chier 」と叫び・・・と、車内はハチャメチャ。

おまけにチュランドが神父気取りで「汝はシャルルを夫とすることを望むか」とマド・プチ・ピエにたずね、シャルルに向かっては「汝はマド・プチ・ピエを妻とすることを望むか」などと言って、両者が「アイ Voui (原文ママ)」と答えると、「ここに二人はむすばれました」と〆めます。さらにグリドゥが「アーメン」と余計な一言。面白くない冗談はやめて、とマド・プチ・ピエが憮然としたところで、車はガブリエルの店に到着。

ガブリエルの店のまえには、提督の格好をした男が店番をしています。「あーら、このオウムも入るの」と提督は気持ち悪がります Il regardais le perroquet avec l'air d'avoir l'air d'avoir (原文ママ) le coeur soulevé de dégoût 。これに対してテュランドは「悪いか、でかい顔するなÇa de dérange ? ...sois pas insolent 、このオ○マ 」と一悶着。そこへガブリエルがやって来て「ずいぶん騒いでいるねえ、さあ入って入って」と一行をうながし、ようやく店に落ち着きます。

次回は p189 " Et, (vous) qui, ajouta Madeleine, n'avez jamais voulu que nous vous admirassassions(原文ママ) dans l'exercice de votre art ..." からです。

© "Zazie dans le métro ", Raymond Queneau, Folio

2023年2月21日

中級

今週のタイトルは『モンマルトルのサクレ=クール寺院 La basilique du Sacré-Coeur de Montmartre 』ですが、実はサクレ・クール寺院とパリ・コミューンとの切っても切れない関係についてです。というわけで「ルイーズ・ミッシェルって誰 ? C'est qui Louise Michel ? 」というタイトルの子供新聞も読みました。こちらのサイトで読むことができます。ビデオもついています ヨ 。

さてパリには歴史的記念物が約 2000 あり、そのうちの 60 は教会なのだそうです 。ところが、その教会の一つであるサクレ・クール寺院は、パリのシンボル的存在でありながら、2020年になるまで歴史的記念物として指定されることがなかったのだそうです "...cette basilique n'avait aucune protection au titre des monuments historiques jusqu'en 2020 "

その理由は、サクレ・クール寺院が、パリ・コミューヌと深くかかわっていたことが原因でした。

パリ・コミューヌは、民衆による共和制をかかげた革命でした。一方、( 第二帝政直後の当時の臨時 ) 政府にはカトリックや聖職者が深くかかわっており、革命はこのような政府に対して起こされました "La Commune, c'est une révolution populaire et républicaine contre le gouvernement clérical et catholique de l'époque 。政府はこれを鎮圧します。「血の週間 Semaine sanglante」と言われるほど激しい鎮圧でした。多くがモンマルトルの丘でなくなりました。その後すぐに第三共和制が成立し、そのモンマルトルの丘に、サクレ・クール寺院を建てることが決められました。寺院建築の決定をくだしたのは、パリ・コミューンの鎮圧を命じた指導者たち ( アドルフ・チエール Adolphe Thiers, パトリス・ドゥ・マクマホン Patrice de Mac Mahon ) でした。

こうした経緯がもとで、サクレ=クール寺院の歴史的記念物としての指定がなかなか決まらなかったそうです。

パリ・コミューンがかかげた政策は、子供の労働の反対であったり無償の義務教育であったり、はたまた婦人参政権、政教分離等々、今にひきつがれているものがたくさんあります。



© A la page 2022, Editions Asahi

上級

人種差別反対のロゴ

今週は『Le chapeau de Mitterrand ミッテランの帽子』です。

パーティー会場では、巨大なミラーボールが天井で回転し、サックスプレーヤー達が音楽を奏でています。紹待客のなかにコンサバな人は見当たりません。長髪を後ろで束ねた男性諸氏、青のメッシュにライオンのたて髪のようなへアスタイルの女性の面々、「僕の友達に手を出すな」(人種差別反対の標語)と書かれた黄色い手のロゴマークをジャケットにつけている客ら certains arboraient à leur veste la petite main jaune de ' Touche pas à mon pote ' ・・・そんな人たちのあいだをジャン ( Djian ) 夫妻とベルナールはすり抜けていきます。

彫刻家セザール

と、そこに突如、セゲラ氏と彫刻家のセザールとが歓談しているところに出くわしました。セゲラ氏が、あっ来てたのか!と顔をほころばせます。ジャン氏は「こちらがラヴァリエールさん」とベルナールをセゲラ氏にひきあわせます。セゲラ氏は「ようこそ、おや、シャンパーニュをお飲みになってないですね」とそつなく応じて "...' Soyez le bienvenu...vous n'avez pas de champagne... Champagne ! ' cria-t-il.."、ボーイにグラスを持ってこさせます。

そこへベルナールの肩にふれた男性が「おっと失礼」と詫びます。ベルナール・タピでした。べルナールと同じ名前ですが、レーサー、歌手、実業家、サッカーチームのオーナーと、次々と肩書きをかえ政界にまで進出した逸材です。そのベルナール・タピにむかって、ベルナールは「いえ大丈夫、乾杯」とシャンペングラスを持ち上げ、互いにグラスを合わせます " Bernard choqua sa coupe contre celle de cet autre Bernard..."

ベルナールは思います。まるであの映画の " Hibernatus ( 邦題『冬眠者』)" のようだ、と。" Hibernatus " とは、氷河で凍結したまま眠っていた男が、60年振りに目をさます話しです。ベルナールには自分がその男のように、別世界にやってきたように思えたのでした Il se sentait parfaitement décalé, plus encore qu'Hiernatus..."

再び紹待客たちの間をすり抜けていくと、アンディ・ウォーホールの絵の前に出ました。ベルナールはしばし、そのポップに描かれたセゲラ氏の肖像画をながめます。すると背後から声をかけてくる男が・・・。自分でもどうしてかわからないのですが、ベルナールはその男にむかって「ウォーホールはもはやちょっと古いですね "...c'est déjà un peu le passé, Warhol, non ? "」などと口ばしっていました。そればかりかビューランのオブジェやらルーヴルのピラミッドやら、果ては工事現場の囲いに描かれていたグラフィティについて滔々と語りはじめていたのでした。

次回は p155 " Il se surprit lui-même en employant plusieurs fois le mot 'radical'..." からです。

© " Le chapeau de Mitterrand ", Antoine Laurain, J'ai lu

2023年2月28日

中級

今週は 19 課『 Le survivalisme サバイバリズム 』です。

" サバイバリズム " は、将来の大惨事にそなえて、生存のための準備・訓練をする人たちの運動を指すそうです。1960年代にアメリカで、ネオナチで極右主義者であったカート・サクソン Kurt Saxon によってはじめられたそうです " Le survivalisme est né aux Etats-Unis dans les années 1960...avec Kurt Saxon"

今日では" プレバーズ preppers " と名前を変え、当初の運動とは一線を画すようになっているようです。以前のように核戦争にそなえてシェルターをつくったり、銃器のあつかい方の訓練をしたりするのではなく "...ils(survivalistes) se préparent à la vie dans des bunkers, s'entraînent ...au maniement des armes à feu... "、より自然に近い自給自足の生活を目指すようになっているとのこと (?!)。

© A la page 2022, Editions Asahi

上級

今週は『地下鉄のザジ Zazie dans le métro 』です。

マド・プチ・ピエの一行が店にはいったところで、グリドゥがガブリエルにたずねます。これまでどん風な仕事をしているのか、一切、教えてくれなかったのに、どうして今日に限って招待してくれたのかと "Pourquoi que spécialement tu nous as dit de venir ce soir ? " 。ガブリエルが「どうして…どうして…とそのように聞かれたとしても…もはやワタクシ自身、何が何で何なのか、分からないのです」と、( 詩情たっぶりに ? ) 答えます。

やがて店内の赤ビロードのカーテンが上がり、パリで最も有名なオカマ・クラブ " モン・ドゥ・ピエテ " の舞台やテーブルが姿をあらわしました。 まだ宵の口ですから、客はガブリエルが連れてきた観光客と、相変らずぺらぺらしゃべっているザジがいるだけでした。

その客達の席に、マド・プチ・ピエの一行が分け入っていきます。ラヴェルテュールもテーブルの端におさまり、満足気にひまわりの種を巻き散らかしています " Laverdure au bout d'une table...manifesta sa satisfation en foutant des graines de soleirl un peu partout autour de lui "

しかし女性風のボーイがラヴェルテュールを気持ち悪がり、くさします。すかさずテュランドが「ミニスカートなんか履きおって、このオ○マ」とやりかえします。仲にはいったガブリエルは、まずはテュランドにむかって、「ミニスカートは、やつの商売道具なのだからとやかく言うな " Laisse-le tranquille 」、そしてボーイにむかっては「あのオウムは俺が連れてくるように言ったんだから、とやかく言うな」両者をなんとか黙らせます。

ようやく酒の注文をとる段になったところで、ザジが顔をつっこんできました "....Zazie...se mêle tout à coup à la conversation " 。「結婚するらしいわね」と声をかけられたシャルルは、そっけない反応しかしませんが、ザジのとなりのムアック夫人は「まあ感動的」と気持ちをたかぶらせています。

ムアック夫人を初めて見るテュランドが「ありゃ、誰だ」とたずねれば、「昼から、お巡りと一緒に、俺たちにくっついてまわってるんだ " Depuis staprès-midi ( 原文ママ ) , elle nous colle aux chausses avec un flicard ..." 」とガブリエリが説明。お巡りってのが、気にくわないねぇというのが一行の一致した見解でした。

そこへお酒が運ばれてきます。ガブリエルが「友よ、旅行者の皆さん、愛しい姪よ(=ザジ)、そしてなによりも婚約者たちよ ! ここにいる婚約者に乾杯 ! 」と音頭をとります。ツアー客たちは感動のあまり、( なぜか )ハッピーバスデー(!)を歌いはじめ " Les voyageurs...chantèrent en choeur apibeursdè touillou (= happy birthday to you ) " 、ボーイたちは涙でマスカラが溶ちないよう(!)、目をぎゅっとつぶります。

ここでガブリエルはようやくのこと、「皆様、いよいよ私の才能をお披露する時かやってきました」と告げます。

次回は p193 " Depuis longtemps certes vous savez, et quelques-uns d'entre vous ne l'ignorent plus depuis peu..." からです。

© "Zazie dans le métro ", Raymond Queneau, Folio