初級
春 - 地上の楽園
今回の絵は二コラ・プッサン Nicolas Poussin の『春 - 地上の楽園 le Printemps ou le Paradis terrestre 』です。
四季をテーマにした連作の一つ。旧約聖書をもとに 4 つの場面を描いているそうです。『春』は地上の楽園にいるアダムとイブです。
雲に乗った神が見守る中 Dieu, sur son nuage, surveille Adam et Eve、イブはアダムにリンゴをとってと頼んでいるようです N'est-elle pas en train de dire à Adam : "Prends-moi une pomme"? リンゴは禁断の実。これを食べると、神が為すはずの善悪の判断を人間ができるようになります。リンゴを食べた二人はこの後に楽園を追われます。
© Au Musée du Louvre, Editions Asahi
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中級
ラ・グルヌイエール La Grenouillere
今回のタイトルは『ランジュ・ブラン L'ange blanc ( 白衣の天使 ) 』です。
第二次世界大戦時のディエップ Dieppe 。ノルマンディーに侵攻し占領していたドイツ軍を討つために、連合軍(1)はディエップに上陸...les Alliés...ont organisé un débarquement...à Dieppe 。襲撃をしかけますが大敗 Ça a été un fiasco 。負傷兵はドイツが接収した病院で治療を受けます。戦時ですから、味方の治療が優先されますが、看護にあたった修道女 アニェス-マリー・ヴァロワ Soeur Agnès-Marie Valois は、ドイツ兵の度々の威嚇・妨害にもかかわらず、連合軍の傷病兵の看護にあたりました。「ランジュ・ブラン L'ange blanc ( 白衣の天使 ) 」は帰還兵がヴァロワさんにつけた呼び名なのだそうです。
最後のパラグラフの一文はこうです… La guerre est absurde et terrible 「戦争は愚かでおぞましい」。どんな大義があってもそうだと思います。
レッスン後半は「看護師の仕事とは ? 」というこちらのビデオをみました。コロナウィルスの第一波のおりに病院ではたらく人々に拍手をおくる様子がしばしばニュースで映されましたが、その頃につくられたビデオです。
(1) les Alliès ( 連合軍 ) に対するのは les Puissances de l'Axe ( 枢軸国 : ドイツ、日本、イタリア) 。
© A la page 2020 朝日出版社
上級
今週は " Pierre et Jean " です。
ジャンはロラン氏に語りかけている振りをしていますが、その実、話しはピエールに向けられています。大西洋を横断する大型船での生活はなかなかなものらしい C'est une vie très acceptable qu'on mène sur ces grands transatlantiques …ニューヨークもアーブルもいい港町だし、船上では後々役立つ出会いもある…給料もいい…船医は手取りは5千フランだが、住いの心配も食べる心配もいらない等々…と。
それまで目を伏せていたピエールが顔を上げます。ジャンと視線が合いました。そしてジャンの意図を理解します Pierre, qui avait levé les yeux, rencontra ceux de son frère, et le comprit 。
" ロレーヌ号の船医になるのも解決策の一つかもしれない Pierre songeait. Certes ce serait une solution s'il pouvait s'embarquer comme médecin...。一生続けるかどうかは別として、とにかく今は食べていけるようにしなければならない " などといろいろな思いがよぎります。ためらうようにピエールは「できることなら、乗船したいけれど」と口にします。「できないわけがないよ Pourquoi ne pourrais-tu pas? 」とジャンはすぐさま応じます。なおも思案気のピエールが「医学部の恩師に推薦状を書いてもらおうか…」というに及んで、ジャンは胸をなでおろします...il(Jean) sourriait, rassuré...sûr du succès...。
食後、ジャンは母(ロラン夫人)と共に婚約者のもとにむかいます。道中、ロラン夫人はピエールが不憫だとつぶやきますElle murmura : Le pauvre garçon 。もう忘れなければとジャンに言われても、胸におさめていた思いをおさえておくことができません。夫(ロラン氏)の無頓着さ、愚鈍さ、その疎ましさ…たった一度それらから逃げたばかりにその罪を背負わなければならないなんて、何て嫌な人生…。ピエールを絶望の淵に追いやったのも、ジャンがつらい真実を受け止めなければならなかったのも、ロラン夫人自身がそのために血を流す思いをしたのも、すべて夫の度し難い凡庸さのせいだ…...c'était... à la vulgarité de cet homme qu'elle devait ...d'avoir désespéré un de ses fils et fait à l'autre la plus douloureuse confession dont pût saigner le coeur d'une mère 。
次回は "Elle murmura : " C'est si affreux pour une jeune fille..."からです。
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