
今回も巻末の文法練習をいたしました。
前々回同様、ことわざが出てきましたので、以下3つほど。
- Les murs ont des oreilles.「壁に耳あり」
- La nuit porte conseil.
「果報は寝て待て(?) / 待てば海路の日和あり(?)」
- Petit à petit, l'oiseau fait son nid. 「塵も積もれば山となる」
次回はp63 9-4-3 からです。
ノーベル平和賞を受賞した
ナショナル・ダイアログ・カルテット
今回のテーマは「チュニジア La Tunisie 」。
ローマ遺跡のあるチュニジア。そのチュニジアは近代においてはフランスの植民地でした。1956年に独立を果たしますが Cette ancienne colonie française est indépendante depuis 1956 、強権的な長期政権が続いていました。そんな中、野菜売りの青年が警察などの執拗な干渉に抗議して焼身自殺 En s'immolant, il voulait protester 。これに呼応して政権に対する反対運動が燎原の火のように広がったのでした Cet événement a déclenché des émeutes dans tout le pays 。ジャスミン革命です。運動は国を超えアラブ諸国におよび、アラブの春と呼ばれました。
チュニジアでは長期政権に終止符が打たれたものの、政治的な危機が何度もおとずれます。が、4つの全く異なる団体が対話のための集団をつくります。名付けて「ナショナル・ダイアログ・カルテットLe Quartet du Dialogue national 」。その運動により、立場を超えた者同士の対話が可能になり、2015年、このグルーブはノーベル平和賞を受賞しました En 2015, ce quartet a reçu le prix Nobel de la paix 。
チュニジアのDirectinfoというニュースサイトに「カルテット」のインタビュー記事が載っています。隣国リビアなどについて、大国が軍事的に介入してくることに強く反対していますネ。
© "A la page 2017" Editions Asahi

今週は"L'Etranger" です。
弁護人の最終弁論が終わりました。改めて法廷内を見まわすムルソー。マリーがレイモンとセルストに挟まれて座っていることに初めて気づきます。かの新聞記者とも目があいました。マリーが「とうとう最後まで来たわね」とでもいうように、微笑みながらも、心配そうに合図をおくってきました Elle m'a fait un petit signe comme si elle disait : "Enfin", et j'ai vu son visage un peu anxieux qui souriait 。が、心がふさいでいて微笑み返すことができません。
陪審員たちは別室で評議しています。ムルソーも小部屋に移されます。弁護士がやって来て、"大丈夫、数年の禁固刑で済む Il(=mon avocat) pensait que tout irait bien et que je m'en tirerais avec quelques années de prison ...重い判決が出た場合は上告はできないことになっているが、恩赦がある(1)" と慰めます。

法廷にベルが鳴り、人々があわわただしく入廷すると、別室にいるムルソーの耳に、陪審員たちが評決を読みあげる声がもれ聞こえてきます。もう一度ベルが鳴り、ムルソーが入廷。一種独特な静けさのなか...c'est le silence de la salle qui est monté vers moi,...、ムルソーとかの新聞記者と再び目があいますが、記者は視線をそらします j'ai constaté que le jeune journaliste avait détourné ses yeux 。奇妙な言い回しでしたが、裁判長が「フランス国民の名において、斬首する 」と告げます le président m'a dit dans une forme bizarre que j'aurais la tête tranchlée sur une place publique au nom du peuple français 。「なにか言いたいことは」と聞かれますが、「ありません」と答え退廷。
独房では、司祭が2度面会に来ました。が、3度目、ムルソーは会うことを拒みます。"脱獄したものはいるのだろうか。処刑という非情な儀式からのがれることができた者はいたのだろうか...je me suis demandé s'il y avait des exemples de condamnés à mort qui eussent échappé au mécanisme implacable... この轍から抜け出したい、一度でいいからチャンスをつかんで逃亡したい… Ce qui comptait, c'était une possibilité d'évasion, un saut hors du rite implacable..." と、一人、考えます。

しかし処刑は確定し、歯車は確実に回り始めています。ただムルソーにとっては当然のことながら容易に受け入れられることではありません...je ne pouvais pas accepter cette certitude insolente 。そもそも死刑宣告の前と後とではあまりに違いすぎます。公判中は全てが不確定でした。いつ判決がおりるのかも、どのような決定になるのかも分かっていませんでした...elle(=la sentence) aurait pu être tout autre 。そして何人かの人間によって決められたことが、"フランス国民の名において"などといって宣告されました...elle avait été prise par des hommes... (et) portée au crédit d'une notion aussi imprécise que le peuple français 。そして一度決定がくだってしまえば...dès la seconde où elle(=la décision) avait été prise、まるで機械仕掛けのように確実に儀式が進行していきます...ses effets devenaient aussi certains... ... ...la mécanique me reprenait。
次回は、"Je me suis souvenu dans ces moments d'une histoire que maman me racontait..." からです。
(1) "pourvoi(上告)" を "recours en grace(恩赦)" の意味に置き換えています。参考文献 : "La condamnation à mort de Meursault : aspects juridiques" par Claude Sigaud, dans le "BULLETIN D'INFORMATION" de "la Societe des Etudes camusiennes", n°56, 2000