2025 年 1 月 7 日
- 中級
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前回に続いて今回も、小学2年生のフランス語の教科書を読んでみました。
「文の始まりは大文字」「句読点をつけよう」というテーマの第 4 課です。 Plaçons un point et une majuscule dans le texte pour qu'il se lise mieux 読みやすくなるように次の文にピリオドと大文字をいれなさい という問題 。
下の最初の文はとても読みにくいのですが、ピリオドをいれて、大文字を使えばすっきり。読みやすくなりました !!Lentement le petit champignon soulève la feuille qui le cache maintenant il se dresse tout fier sur son pied.
Lentement le petit champignon soulève la feuille qui le cache . Mmaintenant il se dresse tout fier sur son pied.
( 葉っぱの下に隠れた小さなキノコが葉っぱをゆっくり持ち上げています。そして今ではピンと立っています。)以上、小学2年生の教科書でした !!
- 上級
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今週は『影泥棒 Le voleur d'ombres 』です。
前回は、4年生になった「僕」の医学部生活の話しでした。学業とインターン、夜勤・・・と忙しく過ごしています。同学年のソフィーとは、双方、忙しすぎて、どういう関係なのかをあやふやにしたまま相棒としてつきあっています。そのソフィーが、一人の患者の男の子について話しはじめました。2週間、食事を拒絶しているのだそうです。
* * *
男の子は今や点滴にたよっています。いろいろな医師が診ましたが、拒食の原因は不明のまま・・・ソフィがそう語るのを聞きながら、僕は、僕たちの前で遊んでいる女の子を漫然とながめていました。女の子は石蹴りをしているようにも見えましたが、両足をそろえて飛びはねているようすからすると、どうやら自分の影と遊んでいるようでした。
僕はそれを見て、ソフィーに男の子をこの中庭に連れてきて欲しいと頼みました。なかなか賛成してくれませんでしたが、ようやく男の子を捜しに病棟に戻っていきました。
この間、僕は女の子に、他言はしないようにと念を押しながら、あることを頼みました。
ソフィーに連れられて車椅子に坐った男の子がやってきました。僕はソフィーに他の患者を診に⾏くよう促しました。
ソフィーがいなくなったところで、僕は男の子を抱き、芝ふに腰をおろし、男の子の背中に陽があたるようにしました。痩せこけて青ざめた顔の男の子は、僕の胸に体を委せています。こうして男の子の影と僕の影とが重なりました。
僕にあの影の力がまだ残っているかは定かではありませんでした。しかし、僕は尋ねてみました。「身がやつれていくのに、どうして食事をとらないの」と。するとささやく声が返ってきました。男の子の声なのか影の声なのかはわかりませんでしたが、僕は拒食の理由を理解しました。
やがてソフィーが戻てきました。石蹴りの女の子は僕がお願いした通りに、男の傍に寄りそってくれました。
次回は p134 の " Le petit garçon s'était entiché d'un lapin, un animal devenu son confident ...からです。
© " Le voleur d'ombres ", Marc LEVY, Edition Robert Laffont
2025年1月14日
- 中級
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今週もふたたび小学校の教科書から。「 "音節" を学ぼう」です。
単語はどれも "音節" と呼ばれる部分からなっています Chaque mot est formé d'une ou plusieurs parties appelées syllabes。
たとえば Képi ( つば付きの帽子 ) は Ké と pi の二つの音節の単語です。
Animal は A と ni と mal の三つの音節の単語です。…とこんな感じです。練習問題は、例えば…「音節を組み合わせて単語をつくろう Réunis deux syllabes pour trouver des mots 」などなど。
[ che, son, jo, min, mai, li ]
はいかがでしょう。答えは、maison, chemin, joli 。二音節の単語が三つできました !
© Hirondelle 2024 Editions Asahi
- 上級
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今週は、ミュエル・バルベリ Muriel Barbery の『優雅なハリネズミ L'élégance du hérisson 』です。
前回は、パロマが、同じマンションに住むご婦人たちとその飼い犬とについて語るくだりでした。
俊才少女パロマは『この世の運動 ( 人や物の動き ) 』を記すことを自分に課しています。マンションの 1 階で起きた二匹の犬の出会いと、その時の飼い主たちの動きは、まさに『この世の運動』に記載されるべきできごとでした。
というのもネプテューンがエレベーターから降りると目の前にアテナのおしりがあり、ネプチューンは待ってましたとばかりに、アテナに飛び乗ってしまったのです。二人の御婦人は慌ててリードをひっぱり、犬を引き離そうとします。…と前回はここまで。
***
それ以後の顛末は、パロマにとってまさしく特筆に価するものでした。二匹を引き離すには、エレベーターの前は狭すぎます。そこで飼い主の二人は二匹をひきずって広いフロアへと移動。ネプチューンは⼀端は、姿勢をくずしたものの、すぐに持ち直してアテナにしがみついたままです。ですので両婦人はここぞとばかりに、リードを力一杯ひっぱります。
その時でした。バドワーズさんが足をすべらせ、足首をねじったあげくに倒れてしまいました。犬たちは、自分たちの上にバドワーズさんが倒れてきましたから、ひとたまりもありませんが、アテナは地べたに押し潰されたおかげで、ネプチューンの縛りから逃れることができました ...Athéna, en s'écrasant au sol,, a échappé à Neptune. 。もちろんネプチューンの方は飼い主の足首の痛みなどはおかまいなしに、アテナ(のお尻)の方へとリードを引っぱり続けています。
ちょうどその時でした。ミシェルさん ( = ルネ )が管理人室から出てきました。バドワーズさんの足首がカボチャと化しているのを見て、すぐに救急車を呼んでくれました。
ところで話しは飛びますが、我家の両親のトイレにはフランシス・ベーコンの絵が飾られています。便坐にすわった人物の絵です。我家ではそれぞれが自分専用のトイレをもっているので (!)、ベーコンの絵を毎回見るわけではないのですが、あまり気持のよい絵ではありません。
どちらにしても、バドワーズさんにかんしては、まるでスローモーションでも見るよう倒れていったのです。まるで糸の切れた操り人形のようでした。膝、腕、頭が奇妙な角度に曲がり、足首をねじらせ、そのねじれと同じ方向に身体も倒れていったのでした。ただバドワーズさんのポニーテールだけは反対側に倒れていました。この姿はまさにあのベーコンの絵そのもの。
とするならバドワーズさんの転倒は『この世の運動』に記載されるべき出来事と考えました。…が、しかし結果はどうでしょう。ネプチューンは望みを果たせず、散歩も棒に振ったのです。『この世の運動』に書き留めることはあきらめました。
次回は p81 の " Prophète des élites modernes ; Ce matin, en écoutant France Inter, j'ai eu la surprise... からです。
© " L'élégance du hérisson ", Muriel Barbery , Editions Gallimard