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2020年10月6日

初級

画面を四角に刻むように
描かれた地平線と農夫婦


今週もミレーの『晩鐘』のつづきです。はるか地平線までつづく広野の画面手前…農夫婦の存在がとても大きく描かれています Au premier plan, la présence des personnages est massive 。ミレーは祖母の姿を思い出しながら描いたそうです。

* * *

文法は、不規則動詞の活用と、近接未来・過去などを少々。部分冠詞も致しました。フゥ…

蛇足ながらミレーの『Le semeur 種まく人』は岩波書店のロゴになっていますね。


J-F Millet : Le semeur

© Au Musée du Louvre, Editions Asahi

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中級

ラ・グルヌイエール La Grenouillere

今回のタイトルは『クロード・モネ Claude Monet 』です。

テキストによりますと…" マネはわずかな期間しか、パリ美術学校に籍をおいていませんでした...Monet a étudié à l'École des Beaux-Arts de Paris, mais peu de temps 。アトリエにとどまることも多くはありませんでした。戸外に出て、光が織りなす反照や陰影を描いていたのです。"

ルノワールと共に出かけたグルヌイエール La Grenouillère のセーヌ河畔では、詳細な写実ではなく、その場の賑わいを点描ですばやく描いたと言います Les deux peintres ( Renoir et Monet ) peignaient rapidement, par petites touches...voulaient peindre l'ambiance du lieu, pas les détails

ところでこんな風に画家が戸外に出れるようになったきっかけのーつは、チューブ入りの絵の具の発明があるようです。それまではアトリエで顔料をつぶして絵具をつくっていましたが、やわらかい錫のチューブができてからは、イーゼルをもって簡単に戸外にでれるようになったとか。チューブ以前は、豚の臓器の皮袋や注射器などを絵具入れにしていたそうです ヨ

© A la page 2020    朝日出版社


上級

今週は " Pierre et Jean " です。

翌朝、ジャンは考えます。昨夜のあの汽笛の啓示をどう現実のものにするか…。何ヵ所かに立ち寄り、さぐりを入れた後、両親とピエールのいる家に向かいます ...après quelques démarches et quelques visites, il se rendit à la maison de ses parents 。昼食時ですが、食堂にはロラン氏のみ。ロラン氏とかわす朝の挨拶は表向きはいつもと変わりません。が、ジャンにとっては、このロラン氏が自分の父ではないことをあらためて感じる瞬間でした。

ジャンは2階に上がり、部屋にこもったきりの母親を食堂につれだします。ためらうピエールも昼食にいざないました。母親とピエールの挨拶はぎこちないものでした。

食事が始まりました。ピエールは真実を白日の下にさらけだしてしまったことを悔いて食事がのどに通りません。しかしジャンと母親とのやり取りを聞き、この二人は許し合ったのだとと理解します Pierre alors comprit qu'ils (Madame Roland et Jean) avaient pleuré ensemble...。そして自分の存在が、この二人には苦痛であるに違いないと感じ (Pierre)...sentant...qu'il les torturerait toujours malgré lui, rien que par sa présence....できることならすぐにもこの家を去りたいと考えます...il aurait voulu partir sur l'heure n'importe où...

ジャンとロラン氏の対話も上の空でしたが、なぜかジャンの話しぶりは、ピエールに向けて話しているようにも聞こえます ...il(Pierre) crut sentir cependant une intention dans la voix de son frère...

「あの6500トンの船は来月にも出航するらしいですよ」というジャンに、ロラン氏は「ロレーヌ号の大西洋横断はもっと先かと思っていたが…」と驚きます。「今朝、会社の幹部の人と会ってきたから確かです」とジャンが語れば、船好きのロラン氏は「ならば、進水の時には是非ともじっくり船内を見学できるようにして欲しいねえ ...alors tu me feras visiter en grand détail  la Lorraine  dès qu'elle entrera dans le port, n'est-ce pas? 」と応じます。

次回は " - Certainement, c'est très facile ! からです。

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2020年10月13日

初級

今週は 4 課。テーマはルイ・ルナンの『農民の家族 Famille de paysans 』です。

横1m半ほどの画面いっぱいにならぶ8人の大人と子供…それぞれが絵の鑑賞者を見ているような錯覚をおぼえます。

手前右からは明かりが射して影をつくっています。8人の姿も床の鍋も…何もかもがありのままに緻密に描かれているのですが、左の女性がもつワインと男性がかかえているパン les saintes espèces とが、聖餐 l'Eucharitie を想起させているとのこと Le vin et le pain donnent au tableau une signification religieuse...

© Au Musée du Louvre, Editions Asahi

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中級

今回のテーマは国や文化、宗教の違う人同士の結婚 " Mariage mixte " についてです。

このテーマをあつかった映画に " Qu'est-ce qu'on a fait au Bon Dieu ? "(邦題『最高の花婿』)があります。フランスで大ヒットしたコメディ映画ですが、どんな内容かというと…

* * * *

裕福なカトリック教徒のヴェルヌイユ夫妻には4人の娘がいますが、それぞれがアラブ、ユダヤ、アジア、アフリカの男性と結婚。この結婚を、夫妻はもろ手を挙げて歓迎しているわけではなく、戸惑いをかくせません。そんなわけで、それぞれが一堂に会すると必ずひと悶着。先入観と陳腐な決めつけ、偏見と思いこみ…そういう言葉が飛び交うのですが、これがなぜか愉快。一波乱(も二波乱も)ありながら、大笑いして大団円。

* * * *

テキストの〆は、「ミックスであってもなくても結婚には、寛容であることが肝心 Finalment, c'est comme pour tous le mariages . il faut être tolélerant ! 」。教室で一同、胸に手をあてて納得した次第デシタ…



© A la page 2020    朝日出版社


上級

今週は " Le chien " です。ミランダに書き遺した手紙のつづきです。

ミランダ、君は「一人の人間を糾弾するのに、そんなにわずかな調査でいいのか」と言うかもしれないね。でも間違いなかった。

マキシム・ド・シールはどうやら高校をやめ、親の広大な領地の管理を手伝っているようだということも分かった。ある日曜、私はアルゴスと共に彼の領地にむかった。時折、杖をとおくに投げるとアルゴスは嬉々として追いかけ、得意満面で私のもとにその杖をくわえてもってきた。久しぶりの遠出が楽しくて仕方ないようすだった。

領地の近くで馬を駆るマキシム・ド・シールを見つけた。自分でもどうしてなのか分からないのだが、私は彼を追いかけた。やがて彼を見失ったが、1時間ほどさまよったところで、キノコを摘んでいるマキシム・ド・シールを見つけた。私の踏んだ小枝の折れる音で、マキシム・ド・シールが私に気が付いた。目をみひらき、悲鳴ともつかぬ声をあげた。

私には自分がなにをしようとしているのかが分からなかったが、怒りがこみ上げ、彼のもとに走り寄った。彼を殴るつもりはなかった。しかし、どんな形であれ、とにかく彼の目の前に彼の犯した罪をつきつけてやりたかった。

杖を武器と思ったのか、突如、彼は逃げ出した。しかしやがて木の根に足をとられて倒れてしまった。目をむき、よだれを垂らしておびえていた。

私は思った。彼が殴られることを覚悟しているなら、その通りにしてやろうと。両親や祖父母、姉…収容所で果てた六百万の人々に対する罪を、この男は償わなければいけないのだと。

次回は Je léve mon gourdin en l'air... からです。

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2020年10月20日

初級

今週もルイ・ルナンの『農民の家族 Famille de paysans 』。テキストの後半です。

17世紀の農家の日常の一場面 C'est une scène de la vie quotidienne...( des paysans du ) XVIIe siècle とのことです。三世代の家族 ( 祖母と夫妻と子供 ) とともに、犬と猫もおなじ屋根の下に住んでいるようです Deux animaux, un chat et un chien, partagent aussi la maison



© Au Musée du Louvre, Editions Asahi

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中級

今回のテーマは『カンヌ映画祭 Le festival de Cannes 』です。

カンヌ映画祭の生みの親はフィリップ・エルランジェ Philippe Erlanger。1939年、ヴェネツィア国際映画祭からもどる時に、フランス版の国際映画祭をつくろうと寝台電車に揺られながら考えたそうですEn revenant de la Mostra de Venise, Philippe Erlanger a eu l'idée de fonder un festival de cinéma international français dans le wagon-lit。最初の企画は大戦勃発で実らず、第一回の開催は1946年。今年で73回目を迎えます。

レッドカーペットや盛装したスターなど華やかな祭典ですが、賞をえる作品は film commercial よりは cinéma d'auteur --- つまり興行収益の高さではなく芸術性の高さに賞が与えられるとのこと。

審査員たちは 2000もの映画を観て約20本にまでしぼり、そこからただ一つの作品だけがパルム・ドールの栄誉に輝くのだそうです ...des comités de sélection...regardent environ deux-mille (films), ils en choisissent une vingtaine. Un seull gagne la Palme d'or

2018年の受賞作品は想田和弘監督の『万引き家族 Une affaire de famille 』でした。

とても心にズシリ?とくる映画でした。最後に家族のそれぞれが世の中の規範を諭されます。至極まっとうな諌めであるのになぜか虚ろに聞こえたのはどうしてなのでしょう…。

© A la page 2020    朝日出版社


上級

今週はお休みでした m(__)m 。

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2020年10月27日

初級

5課の絵は二コラ・プッサンの『春・地上の楽園 Le Printemps ou le Paradis terrestre』です。どんなテキストがあるのか楽しみにしていましたが、その前に文法問題が立ちはだかっていました !!

-ir 動詞の活用、命令法、非人称構文、on や tout の用法…いやはや練習問題が満載でした。テキストの問題のなかに、こんな文( 非人称構文です )が載っていました。Il faut avoir du courage pour apprendre le français って

© Au Musée du Louvre, Editions Asahi

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中級

今回のテーマは『二人の偉大なシェフ Deux grands chefs 』です。

1970年代、フランスに新しい料理が登場します。1世紀前の エスコフィエ Auguste Escoffier の調理法が長い時間火にかけて、たっぷりのソース(煮汁)でいただく料理だとすると、新しい料理 la nouvellle cuisine は、調理時間は短く素材を活かしてシンプルに。ポール・ボキューズ Paul Bocuse とジォエル・ロビュション Joël Robuchon はこの la nouvelle cuisine の代表格とのこと。ボキューズは 39 才までに 3つの星を、ロビュションはトータルで 32 もの星を獲得したのだそうです。 テキストの最後は "Leur art culinaire était sublimement simple "と〆ていました !!

テキストとあわせて、" Pourquoi les Français sont-ils si fiers de leur cuisine ? "という こちらのビデオのディクテーションも少々いたしました。

© A la page 2020    朝日出版社


上級

©DOG IDEAS

今週は "Le chien " です。サミュエルの遺稿の続きです。

私は杖を振りあげた。するとすぐにアルゴスが、倒れているマキシム・ド・シールに駆けより、彼のうえに前脚をのせて吠えた。マキシム・ド・シールは恐怖で唸り声をあげた。するとアルゴスはどうしたことか、彼をペロリとなめた。そして飛び跳ね、彼のまわりを駆けまわりはじめた。遊ぼうよという合図だ。

私は狼狽した。私の気持ちをくみ取ること知っているはずのアルゴスが、いったい何をしているのか。アルゴスはなおも頭を地面につけ尻を上げて、ぐずぐずしないではやく遊ぼうとマキシム・ド・シールをたきつける。そして私を見る。目が「この人、とろいね」と言っていた。

© 2017 Red Cat Media Ltd

私の体から怒りが消えた。アルゴスに微笑みかけ、振りあげた杖を思いきり遠くに放った。アルゴスはダッシュした。私は、唇をふるわせているマキシム・ド・シールに起きろと言った。アルゴスはこの男を救い、私を救った。意気揚々と杖をくわえて戻ってきたアルゴスに、私は帰ろうと伝えた。

泥だらけのマキシム・ド・シールがおずおずと私達の後をついて来た。「自分がしたことを恥じている、弁解の余地はない」と言うマキシム・ド・シールの言葉は空々しかったが、私の心は晴れやかだった。アルゴスがいなければ私はこの男に私刑を加えていたかもしれない。自分に対しても、他者に対しても人間らしくいることをアルゴスは教えてくれた。

次回は " Voilà, Miranda, tu connais maintenant mon histoire. " からです。

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2020年10月