2021年11月2日
- 初級
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渡辺省亭1852-1918
今回も6課です。
パリの三大美術館といえば、ルーブル、オルセー、ポンピドゥーセンター。この三つを訪れば、古代から今日までの美術の全体像をざっと見渡すことができるとのこと Ces trois musées ...couvrent des pérides différentes...vous aurez un aperçu de l'art de l'Antiquité à nos jours 。ルーブルには古代から 1848 年まで、オルセーには 1848 年から 1914 年まで、そしてポンピドゥーセンター ( 国立近代美術館 ) は 1905 年から今日までの作品が収蔵されているそうです。
木島櫻谷 1877- 1938
© Maestro 2, Editions Asahi
- 中級
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今週は「ファルコン 9 の打ち上げ」について。子供新聞の記事です。タイトルは『 Ça y est, Thomas vole à 20000km/h, il est en apesanteur ! やりました、トマスは時速 2万キロで地球を回っています。無重力状態です 』。
ファルコン 9 の先端にある宇宙船クルー・ドラゴン la capsule Crew Dragon には4人の宇宙飛行士が搭乗しています。ファルコンが打ち上げられるのはフロリダの宇宙センターですが、フランスのトゥールーズにあるスペース・シティ la Cité de l'espace à Toulouse でも実況中継がなされています。
モジホコリ
ファルコン 9 が炎をはいて地面を離れた時には、中継センターに一瞬の沈黙がおとずれたそうです ...le silence se fait dans la salle 。しかしその後、宇宙船が大気圏をぬけ、軌道にのると、その速度は時速 2万キロ (!)。そしておなじく地球を回っている宇宙センター ( ISS ) が 2万8千キロ。24時間をかけて、宇宙センターに追いかけてもらってドッキングするそうです。
ちなみにフランスの宇宙飛行士トマス・ぺスケ氏はモジホコリ le blob ( Pysarum polycephalum ) という粘菌を託されたそうです。学習能力をもつとされる粘菌、はたして宇宙ではどんな動きを見せるのでしょう 。
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今週は『Zazie dans le métro 地下鉄のザジ 』です。
以前にレゼコー紙の記事 ( こちら ) をご紹介しましたが、その原文を引用します。
" Mais au-delà d'un éloge à la langue française et ses dérives argotiques, Queneau souhaitait dénoncer le poids et la bétise des conventions sociales de cette époque d'après-guerre. "Zazie dans le métro" aborde ainsi les thèmes de l'homosexualite, la question du genre, l'inceste et la pédophilie, les violences policières et le racisme." © L'Echo
今回読んだ部分は、まさしくこの l'inceste et la pédophilie ( 近親相姦、小児性愛 ) のくだりでした…。私の話しを信じないなんて、新聞の切り抜きだってちゃんととってあるんだから、とザジは言いはります。ちょび髭男は無反応。ザジが冗談を言ってみても無反応。それでも、しばしの後に男は「話してみなさい je vous écoute 」とザジをうながします。
あの日、お父さんはグデングデンだったの。私がサッカーの試合を観てから家にもどると、いつも通りただいまってキスをしたんだけれど、その後、お父さんは私に変なことをし始めたの。私は逃げたけれどつかまって( 以下少々省略!!…)。実はその時お母さんは斧をもって隠れていて、この時とばかりに部屋に入ってきて、お父さんの頭を割ってしまったの。
ひどい光景だったけど、理由が理由だったからお母さんは無罪になったの。でも、お母さんの愛人のジョルジュも私に悪さをしようとして…。だから、お母さんはジョルジュと別れて、新しい恋人を見つけたの。パリジャンよ。私達が今パリにいるのはそういう訳。私はガブリエル伯父さんのところに預けられているんだけれど、それはガブリエル伯父さんなら心配がいらないからですって。… … …
と、いろいろ話しのやり取りがありましたが、ちょび髭男はザジにそのガブリエル伯父さんの住所をたずねます。ザジは心のなかで、なんでこのちょび髭おじさんは私のことに首をつっこむの、と腹をたてます。そして、ようしそれならばと、突如立ち上がり、ジーンズの包みをつかんで、脱兎のごとく逃げます。人ごみのなかに全速力で突っこみ、右に曲がっては左に折れ、辻々をぐるぐるとまわります。次回は、p72 の " Elle allait commmencer à rire du bonhomme et.. " からです。
© "Zazie dans le métro ", Raymond Queneau, Folio
2021年11月9日
- 初級
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今回も " L'artiste et son oeuvre " 絵画・彫刻をめぐるテキストです。
アンリ・マティス Henri Matisse の『王の悲しみ La tristesse du roi 』はマティスが亡くなる 2 年前の作品。292cm x 386cm の大きな作品です。自画像とのこと。中央の黒いフォルムがマティスその人だそうです"Matisse y apparaît comme la forme noire au centre" 。
La liseuse
初期(1894)の作品画面に散る黄色い葉っぱのようなものは、マティス ( 黒いフォルム ) が奏でているギターのメロディーなのだそうです。
こちらのマティス美術館 Musée Matisse をのぞいてみたら、この『王の悲しみ』は、レンブラントの作品『サウルの前でハープを弾くダビデ David jouant de la harpe devant Saul 』に想をえたとのことでした。
David jouant de
la harpe devant Saul© Maestro 2, Editions Asahi
- 中級
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今週も子供新聞から。夏休みにもってこいのゲーム、マンガ、本、ボッドキャスト un jeu, une BD, un document et un podcast を教えてもらいました。原文はこちらから。
ゲームでお薦めは " ミッドナイト・エクチェンジ "。ゲームの参加者は腕のいい ( ? ) 泥棒になって、盗みをはたらき Cambrioleur de haut vol, il va te falloir récupérer des objets pour ensuite les échnager des oeuvres d'art 、盗品を美術作品と交換します。いい交換ができたら得点。高得点の人が勝ち。
一押しのポッドキャストは、オルマ OLMA 。ラジオ局 France Inter で放送されている番組です。ポッドキャストですから、いつでも好きな時に聞くことができます。架空のマシン Olma に乗って、星空に行ったり海底に降りたり、脳のなかをのぞいたり、はたまたホッキョクグマたちのただなかに立ってみたり "...te voilà embarqué dans les étoiles, au fond des océans, dans les recoins du cerveau, ou au milieu des ours polaires..." 。子供たちに科学に親しんでもらうためのシリーズ番組 ...un podcast qui met la science à la portée des enfants " です。
© 2021 Milan Presse - 上級
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今週は『Le chapeau de Mitterrand ミッテランの帽子』です。
エドワードはファニーの帽子に触れようとします。しかしファニーは後ずさりします。「触わらないで、私の帽子に」と 言うファニーに、エドワードは「私の帽子 ? 」とたずねかえします。「男性の帽子じゃないか」とエドワードが指摘すれば「だから ? 」とファニー。 エドワードは、別の男性からのプレゼントなのではと疑いはじめます。
こうなってくると、ファニーの腹はすわってきます。なぜかは分かりませんが、フェルト帽のおかげです。「その男は誰 ? 」というエドワードの質問が引き金となって、ファニーは居もしない架空の男性との話しを滔々と語り始めます。
エドワードはどう反応したものかと考えていました。が、ファニーから「だからあなたと別れる」と静かに告げられた時に、エドワードはファニーを失ったことを理解します。ファニーは沈着でした。しかしその実、本来であれば家庭をもちたいと考えていた男性に別れを告げたのですから、心は完全に萎えていたのでした。次回は、p57 の " Tu n'avais qu'à me l'annoncer... " からです。
© " Le chapeau de Mitterrand ", Antoine Laurain, J'ai lu
2021年11月16日
- 初級
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© Capsules Video par
Christophe Salome今回は 6 課までの " まとめのテスト ! "でした。
どんな問題だったかと言うと…。引用してみます。" Conjuguez au présent / au future simple / au passé composé / à l'imparfait", "Complétez par le pronom correspondant", "Faites des phrases avec les éléments ci-dessous", etc., etc. いろいろな時制に動詞を活用したり、文をつくったり、目的語の代名詞を挿入する練習だったり…いかがでしたでしょうか。手ごたえやいかに !!
© Maestro 2, Editions Asahi
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中級の備忘録はしばしお休みになります m(__)m 。
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今週は『Zazie dans le métro 地下鉄のザジ 』です。
「これでよし !! 男はまいた」。そう踏んだザジ、笑いがこみあげてきそうでした。しかし足元を見れば、ザジと歩調をあわせて歩いている人が…。顔をみて確かめるまでもありませんでしたが、世の中なにがあるかわかりませんので、一応、視線を上げてみました。案の定、ひげ男。何事もなかったかのように涼しい顔で歩いているではありませんか。
ザジは考えます。それならば、周りを行く老若男女にむかって大声で叫ぼう、「この変態 !」って。
ところがひげ男はザジより上手でした。ザジが鬨の声をあげる前に、ザジから包みをとり上げ、それを高々とかざして、こうなじります。「はずかしくないのか、人が見ていないうちに、人様の物を盗むなんて」。
ザジは周囲から冷たい視線をあび、なじられもしました。が、この界隈には少し不釣り合いな上品な御婦人が通りがかり、「この子は悪い教育を受けたのでしょう。この子にその教育の責任はありません」とザジをかばいます。
ちょび髭は、「その両親が何と言うか、会ってきましょう」というせりふを残して、ザジを連れさリます。
男とザジは黙々と歩いていたのですが、男が突如「かさ ( pébroque ) を忘れた」とつぶやきます。ザジはピンときました。このオジさんは本当はお巡りなんだ ( maison pébroque が警察所をさすことから (?) )。そして目の回るような理屈をひねり出します。「この髭おじさんは、偽のお巡りに見せかけた変態ではなくて、本物のお巡りだけど、見せかけは、お巡りを装った偽の変態だったんだ ???? 」と。そうよ、そうに決まっているとザジは確信。そして、だったらこのお巡りと、お巡の嫌いなガブリエル伯父さんとを会わせたら面白いことになるかも・・・とひらめきます。
という訳で、ザジは迷うことなくちょび髭にガブリエル伯父さんの住所を教えたのでした。
ガブリエルがドアを開けます。するとザジが「このお巡りが話したいことがあるんだって」。
ガブリエルの顔から少し血の気がひいたかに見えましたが、玄関が暗いので、その真偽のほどは不明。マルスリーヌはザジが無事に戻っておおいに安堵します。次回は、p76 の " De sa propre initiative, le type s'étail assis, ... " からです。
© "Zazie dans le métro ", Raymond Queneau, Folio
2021年11月30日
- 初級
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今週は 6 課。ナナさんの再登場です。
どうやらナナさんは、学校での発表の準備がちゃんとできるかどうか、気になってしかたないようです。
「心配なの ? 」と聞かれれば、" Bien sûr que je le suis " 。
「大丈夫だよ、できるよ」と太鼓判を押してもらっても、"Mais moi, je ne le crois pas" 。
次回は le や y, en などの中性代名詞を復習しましょう。© Maestro 2, Editions Asahi
- 中級
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中級の備忘録はしばらくお休みします m(__)m
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今週は『Le chapeau de Mitterrand ミッテランの帽子』です。
エドワードは俄かにベッドから体をおこします。まるで床や部屋が炎につつまれ始めているかのように、慌ただしいしぐさで、靴をさがし、服のボタンをとめ、腕時計をはめてファニーの前にはだかり、別れを告げます。彼は傷ついてはいましたが、それでいて半ば安堵をおぼえている自分に気づいていました。
エドワードの廊下を行く靴音が消えました。ベッドの上の帽子が月あかりに照らされています。ファニーはその傍らで眠りにつきました。翌朝、帽子は朝陽を浴びていました。ながい間、自分をだましだまし続けてきた関係でしたが、何ももたらされなかったことに、ファニーはあらためて気づくのでした。小説家の卵のファニーは思います。「そう言えば、今度の懸賞小説のテーマは「実体験」。それなら、帽子のおかげで終わったエドワードとのこと…これこそ、書かなければ…」と。次回は、p60 の " A aucun moment, Édouard ne s'était pas relevé... " からです。
© " Le chapeau de Mitterrand ", Antoine Laurain, J'ai lu