リヨンとローヌ川
©:2016 - VaNuPied
今回は条件法の練習問題を少々。 動詞の条件法は、
- ① 本当は違うけれど「もし~だったら、何々」と言いたいときに使います。「もし~」という"但し書き"をつけて使いますが、
- ② 但し書き抜きで用いられることもあります。その時は「もしかしたら…」とか「できたら…」なんていうニュアンス含まれます。
以下、① の例文です。② は次回に…。
① 本当は違うけれど「もし X だったら Y 」と言いたいときは、X の部分の動詞は半過去形、Y の部分の動詞は条件法です。
- Si tu étais invisible, tu ferais quoi ?
透明人間だったら、何する? ( 子供の頃、よく考えておりましたなあ… )
- 人間不信に陥ったタイモンの話しから。シェークスピア作であります !
Si tu étais lion, le renard te duperait ; si tu étais agneau, le renard te mangerait.
もしお前がライオンなら、キツネに騙されてしまうだろうし、羊なら、食べられてしまうだろうよ。
- 古い古い歌ですが、アダモがこんな風に歌っておりました。
Si tu étais le vent, moi je serais voilier et je me gonflerais de toi.
もし君が風なら、僕は帆になって君を体いっぱい受けとめる!!
来週も p49 ロナルプ La région Rhône-Alpes です !
今回のテーマは「アカデミーフランセーズ L'Académie française 」。16世紀、フランスの公式言語はラテン語からフランス語になりました。しかし規則がまだととのっていません。このため言語を統一して誰もが理解できるようにしようと、1635年にアカデミーフランセーズがつくられました。以来、辞書編纂をおこない、現在では第9版 (!!)の作成が進行中とのこと Actuellement, l'Académie est en train d'écrir la 9e édition 。
会員数は40名。終身会員で les membres...sont élus à vie 、新しい会員は、現役会員の推薦で決まるのだそうです。
蛇足ながら、会員がまとう重厚な刺繍の上着は、つくるのに6ヶ月もかかるのだそうで、刺繍のモチーフはオリーブの葉。糸は金と緑。そのために「緑の服」とも呼ばれています。会員には剣も与えられます。握りの部分は宝石職人がつくっていて個性豊かです。
ちなみに、女性会員が生まれたのは1980年のこと。マルグリット・ユルスナールでした。テキストには、会員になることを辞退した作家の人達の名前も挙げられていましたね。上級クラスで今読んでいる『Le collier rouge』の作家J.C.リュファンはアカデミー会員ですが、以前に読んだ『L'œil du loup』の作家 D.ぺナックは辞退組です… 。
次回は、第13課(p49)です。
© "A la page 2017" Editions Asahi
"The Stranger"
by L.Visconti
(テキストでは、ムルソーが一人称で語っていますが、このまとめでは三人称で記しています)
今週は " L'étranger " です。
マッソンとサラマノ老人が証言台にたちます。二人は「ムルソーはまじめな男だ」「私の犬にも優しかった」などと話しますが、これが聴き入られることはほとんどありませんでした C'est à pein si...on a écouté Masson qui a déclaré que j'étais un brave homme...c'est à peine encore si on a écouté Salamano quand il a rappelé que j'avais été bon pour son chien... 。
最後の証人はレイモンです。「殺された男が嫌っていたのは私であって、ムルソーではない。ムルソーはたまたま浜辺にいただけだ...c'est lui que cette dernière haïssait...。ma présence à la plage était le résultat d'un hasard 」と述べます。
検事はこの"たまたま"という言葉をとらえ、つめ寄ります。あなた(レイモン)はあの殺された男の妹を叩いたが、その場にムルソーが居合わせたというのは"たまたま"なのか。警察ざたになって、ムルソーが署であなた(レイモン)を擁護したのも"たまたま"なのかと il a voulu savoir si c'était par hasard que j'avais servi de témoin au commissariat...。そしてとどめを刺すかのように、検事は「この証人の職業は買春の斡旋であり le témoin exerçait le métier de souteneur 、被告もこれに一枚噛んでいます。これはいかがわしいうえにもいかがわしい事件なのです Il s'agissait d'un drame crapuleux de la plus basse espèce...」と述べます。
レイモンと弁護士は反論を試みますが認められず、検事はなおも続けて、母親の葬式後のムルソーの振る舞いを糾弾します。これにはさすがに弁護士が、"この裁判は母親の弔いの仕方を裁いているのか"と揶揄します。が、これに対して検事は、埋葬と殺人とは別個のことではあるが、両者は深く本質的なところで痛ましいほどにつながっていると主張 ...il y avait entre ces deux ordres de faits une relation profonde, pathétique, essentielle 。
弁護士もムルソーも法廷の空気ががらりと変わったことを感じます Cette déclaration a paru faire un effet considérable sur le public 。
閉廷し、護送車に乗りこむムルソーは、夏の夕刻の匂いや色を感じとります。道中、護送車の窓の外を流れるのは、新聞売りやサンドイッチ売りのかけ声、路面電車のきしむ音、港に広がる黄昏時の空…ムルソーがよく知る光景でした Dans l'obscurité de ma prison roulante, j'ai retrouvé un à un...tous les bruits familiers...le cri des vendeurs de journaux...l'appel des marchands de sandwiches, la plainte des tramways...。
次回は、"Le concierge m'a regardé alors avec un peu d4étonnement..." からです。