2022年4月5日
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©entreprendre-en-guyane.fr
前回は、簡単そうで、その実、難題という質問でした。「フランスはどの国と国境を接していますか "Citez les pays ayant une frontière avec La France" 」という質問です。欧州大陸でフランスの周囲にある国はすぐに思いつくのですが…。
フランスは今もなお広く海外に領土 DROM-COM 註1 を持っています。
なかでも、南米には (1) 仏領ギアナ Guyane française があり、カリブ海には (2) サン・マルタン島 l'île de Saint-Martin があります。
(1) の仏領ギアナはブラジル le Brésil とスリナム共和国 la république du Suriname に接しています。国立宇宙センターがあるところです。
(2) のサン・マルタン島は島の北半分がフランス領、南半分がオランダ領です !!という訳で、解答は「ベルギー、ドイツ、ルクセンブルク、スイス、イタリア、スペイン、スリナム、ブラジル、オランダ」の 9 ヵ国でした。
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ところで海外領土の一つ、ニューカレドニアでは、2021年の12月に、独立を問う投票がありましたね。結果はフランスにとどまることになりましたが、投票が行われた背景には、国連による「非自治地域」指定がありました。「非自治地域」とは「非植民地化が完了していないと、国連が指摘している地域」のことだそうです。グアムなどもその一つです。フランス語ですが、こちらがその国連のサイトです。
註1 : 海外県・海外領土は DROM-COM ドロム・コム (あるいは DOM-TOM ドムトムと呼ばれます) ( départements et régions d'outre-mer et collectivités d'outre-mer ) 。
© Maestro 2, Editions Asahi
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今回は 14 課『厳寒プラン le Plan Grand Froid 』についてです。
厳寒ブランとは、文字どおり寒さが厳しいときに発動される支援活動です。自治体や SAMU ( 緊急医療救助サービス )、あるいは民間団体が街を周回しながら、路上生活者に声をかけて、保護施設に送り届ける等々をするそうです "...des équipes de travailleurs sociaux sillonnent les rues pour aider ces gens qui ont tou perdu, à aller dans un foyer..."。
© 『聴いてわかるフランス語ニュース』 第三書房 - 上級
今週は『Le chapeau de Mitterrand ミッテランの帽子』です。
ピエールはすべてに投げやりになっていました。しかし帽子を手にいれて以来、再び調香師として自分を試めしてみようという気になっていました。どう試すか。チュイルリー公園の入口からカルーゼル凱旋門までを歩くのです。歩いて、すれ違う人々の香りをすべて嗅ぎ分けるのです。
調香師として絶頂期にあったピエールが、突如、嗅覚に異常を感じた時、チュイルリー入口からカルーゼル門まで、おなじ道程を歩いたことがありました。その時は、行きかう人の 4 分の 3 しか香りをかぎ分けられませんでした。調香師であることを断念した瞬間でした。しかし帽子を手に入れた今、思いもよらぬ勇気が沸いてくるのでした。
ピエールは歩き始めます。黒いスーツの女性が通り過ぎていきました。1 秒... 2 秒... ピエールの方に空気が流れてきます。ピエールは独りごとをいいます。「フィジーだ…」。髪を後ろでたばねた男性が横を通りすぎます。「パコ・ラバヌだ」。30代とおぼしき3人連れの女性が向こうからやってきす。ブルーネットの女性は「ヴァン クリーフ&アーペルのファースト…」、ポニーテールの 2 人目は「エル・デュ・タン」。失礼な人ね、とピエールに向って言った 3 人目は「ロシャスのロー」。どの匂いも識別できました。「 3 連勝だ」と悦に入っている間もなく、赤いベレー帽にジーンズの女性が通りすぎます。「ポイゾン」。革ジャケットの男性は無香、アフタージェーブローションと刻みたばこの匂いのみ。赤信号で足踏みしているジョツキング中の男性からは、汗の匂いと「オー・ソヴァージュ」。観光客の夫婦とも出遭いました。妻は「シャリマル」、夫の方は、どうやら妻のヘアスプレーのエルネットを借りたようです。先を急げば、三つ編みの女性からは「アルページュ」。続いて「ハバニア」、そして再び「エル・デエタン」。「ソルスティス」とは 2 度通り過ぎました。「ラコステ」、「アナイス・アナイス」、「ジョイ」、… … …。
終着点のサン・オギュスタン広場にたとりつきました。頭がクラクラしています。カフェのボーイがやってきて、ピエールを気づかいます。「大丈夫ですか」。ピエールは答えます。「ギラロッシュのダカル・ノワルだね」。雪がちらちら舞い始めました。家にもどったピエールは、帽子の雪をはらいラジエーターの上に置きました。
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場面は変わって、1982年4月18日。ピエールは調香師としての最後の日をむかえます。香水の並ぶ調合台を片付け、アトリエに鍵をかけたピエールは、周囲の人に明言します。何があってもこの部屋の鍵はあけてはいけないと。爾来、アトリエは、ピエールの才能が眠る墓場と化したのでした。次回は p 91 の " Aslan avait dessiné lui-même ce meuble en demi-cercle..." からです。
© " Le chapeau de Mitterrand ", Antoine Laurain, J'ai lu
2022年4月12日
- 初級
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今週のテーマは、13 のフランス本土の地域圏 les Régions です。各圏の有形無形の ( 歴史的 ) 財産 patrimoines について…でした。 ところで、それぞれの圏とその首府を組み合わせるとどうなるでしょう。下のビデオで答え合わせをどうぞ
Région( 地域圏 ) Capital( 首府 ) Ile de France ▪ ▪ Paris Hauts-de-Frnace ▪ ▪ Lille Grand Est ▪ ▪ Strasbourg la Normandie ▪ ▪ Rouen la Bretagne ▪ ▪ Rennes Pays de la Loire ▪ ▪ Nantes Centre-Val de Loire ▪ ▪ Orléans la Bourgogne-Franche-Comté ▪ ▪ Dijon la Nouvelle-Aquitaine ▪ ▪ Bordeaux l'Auvergen-Rhône-Alpes ▪ ▪ Lyon l'Occitanie ▪ ▪ Toulouse La Provence-Alpes-Côte d'Azur ▪ ▪ Marseille la Corse ▪ ▪ Ajaccio © Maestro 2, Editions Asahi
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コリューシュ主演の
『チャオ・パンタン』今回もひきつづき、コリューシュ Coluche のレスト・デュ・クール ( les Restos du coeur )です。
コリューシュはコメディアン、俳優です。風刺新聞 シャルリー・エブド "Charlie Hebdo" の前身のアラキリ "Harakiri" にも参加していました。豊かなフランスで、食べるにも事欠く人々がたくさんいる現実を目にして、1985 年に「心のレストラン」の設立を決めたそうです "C'est lui ( Coluche ) qui a eu l'idée des Restos du coeurs en 1985, car il ne supportait plus de voir des gens avoir faim dans un pays riche comme la France " 。このようなレストランがやがて不要になることを望んでいたそうですが、その需要は ( 残念ながら ) ますます増えているとのこと。
© 『聴いてわかるフランス語ニュース』 第三書房 - 上級
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今週は『 Zazie dans le métro 地下鉄のザジ 』です。
ザジの質問はなおも続きます。ガプリエだけでなくシャルルにも「おじさんはホルモセスュアル ? ( 原文ママ: hormosessual ) 」、「僕がそう見えるか ? 」、「いや、だっておじさんタクシーの連転手たもん」という展開から、さらに質問が連射されます。「どうして結婚しないの ? 」「タクシーに乗ってくる客には…な人 ( ここのセリフは省略 ) もいるんでしょ ?」 「コンプレックスがあるなら話して。女の人が怖いの ?」、etc., etc.シャルルは、脳みそがおかしくなりそうだ…目まいがしてきた…と訴え、下へ降りていってしまいました。
シャルルが一人で降りてきたのを見て、ガブリエルは大いに慌て、つぶやきます。「ザジを一人にしたら、また何をしでかすか "...qu'est-ce qu'elle peut encore causer comme emmerdements "」。
ガブリエルはため息をつき、なぜか唐突に疑問を発します。「しかしそれにしても、なぜパリは女性にたとえられるのか…。」ついでにガブリエルは ' 少々不適切 ' な言葉も付け加えますが、これは省略 。 それを聞いていたシャルルはふさぎ込み、やがて両手で頭をかかえて、声をしぼり出します。「どこもかしこも、セシュアリテ(sexualité 原文ママ) の話しばかりだ…うんざりだ…」。
「気分がよくなさそうだな」とガブリエルがシャルルの肩に手をかけますが、シャルルは「あんたの姪っ子にはもう会いたくない、アディウ Adieu 」と言い残して去っていってしまいました。次回は p114 " --- Comment qu'on fera pour rentrer ? (原文ママ) ---- Tu prendras le métro. "からです。
© "Zazie dans le métro ", Raymond Queneau, Folio
2022年4月19日
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今回のテーマは「話してみましょう Exprimez-vous 」。たとえば、こんな場面…
(1) " 私 " が友達を夜のパーティにさそいますが " 'Je' propose à un ami de m'accompagner à une fête " 。(2)友達は断ります D'abord il refuse 。理由を述べますが " Il explique pourquoi il ne veut pas " 。 (3) " 私 " は引き下がりません。ねばります。 J'insiste 、(4) すると友達がおれます "Finalement il accepte "…ってな具合のシーン…。はてさて、どんなやり取りがなされるのか…。レッスンでは実に愉快な会話が飛び出しました ゾ!!!
© Espacebuzz.com
© Maestro 2, Editions Asahi
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今週のタイトルは『ヴィルジニ・ドゥデュー Virginie Dudieu 』。
シンクロナイズドスイミングla natation synchronisée の第一人者です。2003年のバルセロナ世界選手権では、10 人の審査員のうち 8 人が10 点満点、残りの 2 人が 9.9 点をつけました "...elle a eu huit 10 sur 10 et deux 9,9 sur 10 " 。得点がアナウンスされるや、会場の観衆は ( 当然のことながら ) 大喝采 "A l'annonce des résultats, le public ... a ovationné la nageuse " 。
併せて読んだテキストによれば、シンクロナイズド・スイミングは、ソロ en solo、デュオ en duo 、チーム en équipe と 3 形式があり、デュオの場合は 1 人の、そしてチームの場合は 2 人の補欠をつけることができるとのだそうです " Les duos ont droit à une remplaçante et les équipes peuvent en avoir deux "。
© 『聴いてわかるフランス語ニュース』 第三書房 - 上級
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今週は『Le chapeau de Mitterrand ミッテランの帽子』です。
アトリエにある調香台は、ピエール自身が設計したものでした。木工職人が、最高の木材をつかって1年半かけて造ったものです。人魚の彫刻も施されています。人魚はたかく手を掲げ、その手にムイエット ( 香水の試験紙 ) を持っています。この人魚像は、ピエールの使う封筒にも便箋にも印刷されていました。
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再び1986年。ピエールは、妻のエステルも息子のエリックもいない、一人の大晦日を過ごそうとしていました。テレビの前にすわれば、一年の出来事をふり返る番組が放送されていました。保革共存の政権ができ、チェルノブイリ ( チョルノービリ ) の原発が爆発、そしてコリューシュが事故死。いずれもこの年の出来事でした。
ピエールはシャンペンをあけ、テレビに向かってグラスを掲げます。ーロ飲むと、画面が変わりました。灯りに照らされたエルゼ宮の中庭が映し出され、続いて豪奢な大統領執務室にすわるフランソワ・ミッテラン大統領が映し出されます。「親愛なる国民の皆さん、年の終わりに皆さんに向かってこのような挨拶ができることを感謝します。そして失業、貧国、孤独、苦しみの中にいる人々に対して思いを馳せたいと思います。… フランスが一つとなり、民主主義の国として、民主主義とともにあることを願い… … …」。ピエールの耳から大統領の声が徐々に遠のいていき、ピエールの眼が居問のなかを泳ぎはじめます。
これまでに一度として嗅いだことのない芳香が漂っているのです。ヴァニラ、ケラカク…ジャスミン…、微細だが革の匂いも…それぞれの香りが、瞬間々々に均衡をたもちつつ融合して空中を漂っています。一瞬、ピエールは自分が空想に耽っているのかと思いましたが、間違いなく、得体の知れない香りが居間のなかを漂っています。ピエールはふり返ります。そう、帽子です…ラジエーターの上の帽子が香りを放っているのでした。
次回は p94 " Il se leva avec autant de lenteur que de précaution pour ne pas déplacer aucune molécule d'air..." からです。
© " Le chapeau de Mitterrand ", Antoine Laurain, J'ai lu
2022年4月26日
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今週は、Révisions 。12 課までの復習ということで、" すごろく ( jeu de l'oie ) もどき " をしました。
CASE DÉPSRT から CASE ARRIVÉE まで、コマを進めていきながら、一コマ毎に質問に答えていきます。 Présentez-vous ( 自己紹介を )、 De quoi avez-vous besoin maintenant ? ( 今必要なものは ? ) 、 Conjuguez au futur 'être et partir' ( être と partir を未来形に活用しましょう ) … … … まるで障害物競走のようでした ネエ
© Maestro 2, Editions Asahi
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今回はコンピューターウイルスについて。コンピューターがウィルスに侵されると、データが盗まれたり壊されたり、はたまたコンピューターそのものが壊されたり…。
テキストによれば「ウィルスとは、インターネットを介して広がる時限爆弾 Une vraie bombe à retardement, le virus se répand par l'internet et s'attaque aux ordinateurs... 」なのだそうです。
並行して読んだ子供新聞のタイトルは、" C'est quoi, les dangers d'Internet ? ( インターネットの危険ってなあに ) " 。個人情報は書き込まないこと "...ne donne JAMAIS d'informations personnelles "、書かれてあることを丸呑みしないこと " Ne crois pas tout ce que tu lis "、きっとウィルスがはいっているから、添付書類はひらかないこと " Le pièce jointe sur laquelle on te dit de cliquer contient sûrement un virus " 等々…。
© 『聴いてわかるフランス語ニュース』 第三書房 - 上級
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今週は『 Zazie dans le métro 地下鉄のザジ 』です。
シャルルが去ってしまい、立ち尽くすガブリエル。深く静かに ( ? ) 思いをめぐらし、独り言をつぶやきます( 内容は、深遠なのか意味不明なのか…) 。
「存在か無か、それが問題だ L'être ou le néant, voilà le problème 。動きまわった挙句に消え去る…これが人間の運命。しかし ( エッフェル ) 塔も凱旋門もそんなことは知ったことじゃない。パリはまぼろしだ。ガブリエルもザジも夢のようなもの ( ザジの場合は悪夢だが ) 。共和国広場の先には骨が山とある(註 1)。この世に引っぱり出された人間は、しまいには霊柩車で運び去られ、その骨は不安をたっぷり吸い込んだ土のなかで朽ちるのだ。
とはいえ、私は生きている。今、ここで、私がわかっている唯一のことはこうだ。アレクサンドラン風に ( つまり 12 音節で alexandrinairement ( 原文ママ ) ) 言おう。 ( シャルルも、ザジも、愛しのマルスリヌも、今は皆ここに居ない。だから ) かくなる不在は死に等しいのだ ! 」と、こんな具合の チンプンカンプンな 独り言をつぶやいたのでした。こう語るあいだ、ガブリエルはなぜか観光客に取り囲まれていました。ガブリエルをツアーガイドと勘違いして集まってきたのでした。そこへザジが ( エッフェル ) 塔の上から降りてきます。ザジはシャルルがいないことに気づき、ガブリエルに質問します。
ザジのことが嫌になって去っていったとはさすがに答えられませんから、ガブリエルは、しばし答えをはぐらかします。するとザジは「シャルルがどうして逃げのたか答えになってないじゃないの !! Tout ça ne me dit pas pourquoi charlamilébou ( = Charles a mis les bouts ) 」と糾弾。ガブリエルは答えて曰く「それは、シャルルの年では理解できないこと (!) を君が尋ねたからだ」。容赦のないザジは「じゃあ、おじさんの年で理解ができるかどうか質問してみる。たとえば Par egzemple 原文ママ、おじさんはホルモセシュアルかって聞いたら理解できる ? 」
ガブリエルは溜息をつきます。そしてシャルルに同情するのでした。その間もザジは「答えるの答えないの ? 」とつめ寄ります。この二人のやり取りに喜んだのは観光客。しかしちょうどその時、正真正銘のツアーガイドのフェドール・バラノヴィッチが登場します。
次回は p118 " --- Where are we going now ? --- A la Sainte-Chapelle, répondit Fédor Balanovitch. "からです。
( 註 1 ) バスティーユ広場の7月革命記念碑 "Colonne de Juillet" のことでしょうかね エ。地下には数百もの納骨堂があるそうですが…。
© "Zazie dans le métro ", Raymond Queneau, Folio