2025 年 9 月 2 日
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今週は第五課の『 Les sites et plateformes d'avis clients 利用者の口コミ評価サイト 』です。
インターネット上にはたくさんの " 口コミ " が書かれています。買った商品や予約したサービスがよかったかどうか。いろいろな意見が書きこまれていて、ランク付けもなされています On peut y écrire des commentaires et donner des notes sur les produits ou services qu'on a utilisés 。
こうした利用者の意見は便利といえば便利なのですが、落とし穴がないとは言えません Les avis clients ... semblent bien pratiques.... Néanmoins, ces interfaces ont également des défauts 。
口コミが " やらせ " の場合もあるからです。
そのため ( ちょっとややこしい名前の組織ですが…) DGCCRF ( la Direction générale de la concurrence, de la consommation et de la répression des fraudes 競争・消費・不正抑止総局 )という機関があるそうです。日本の公正取引委員会に相当するのだとか。疑わしいコメントを見つけだすためのソフトも開発したのだそうです。ただしこのソフトもまた消費者の健康や宗教などにかんするデータを収集するリスクがあると批判をうけているとか…ウ~ム 。古今東西、" 情報 " は世界を動かすこともあるコワ~イ存在でもあるのです ウ …。
© 『時事フランス語 2025年度版 Hirondelle 2025 』 朝日出版社
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今週は『影泥棒 Le voleur d'ombres 』です。
前回は、リュックがお父さんに連れられて、僕のアパルトマンにやってきたくだりでした。どういう訳でそういうことになったのか、その顛末をリュックが語ります。まず父さんがなぜか優しくなり、僕 ( = リュック ) にパン屋は向いていないから、前から望んでいた医学を学べ。医学で挫折したら、パン職人の修行をあらためてさせてやるから、と言って、僕をお前のアパルトマンまで送ってきくれたんだ・・・とのこと。
リュックは⼀体全体どういうことなのか、いぶかしがるばかりでしたが、僕はしらをきって、とりあえず二人で乾杯。学年こそことなりますが、リュックと同じキャンパスに通う日々がはじまりました・・・と前回はここまで。
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リュックとの同居はなんの問題もありませんでした。僕は夜勤ですから、リュックは僕のベッドで寝 Il ( = Luc ) profitait de mon lit pendant que je faisais mes gardes de nuit ..、リュックが授業に出たときに僕がベッドで寝るといった具合。
新学期から2ヶ月目、リュックにアナベルというガールフレンドができました。アナベルがリュックに会いにアパートにやってくると、僕はソフィーのところに行くようになり、多少ともソフィーとの仲が好転するという思わぬおまけもついてきました。
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母から手紙が来ました。老朽化しているのは家だけではないけれど、心配はしないようにという内容 Dans sa lettre, elle m'écrivait que, tout comme elle, la maison vieillissait 。クリスマスには母と会うことになっていましたから、僕は列車の切符と母へのクリスマスプレゼントを買い、イブの日の夜勤は人に任せ、仕事をいれないようにしていました。
ところが当日、かばんに荷物をつめている時に、連絡がとびこんできました Je préparais mon sac quand mno biper s'était mis à vibrer... 。
バスが横転し、48人の乗客と16人の歩行者とが負傷したとのこと。
病院にかけつけると、救急棟のホールは大混乱。リュックも、蒼白になりながらも救急隊員として、担架で負傷者を運んでいます。ところが現場が野戦病院の様相を呈するなか、折れた骨が皮膚をやぶって突出している患者を見るや、リュックは血の気をうしない倒れてしまいました。夜が明けようとするころ、ようやく病院に落ちつきがもどりはじめます。床の血や散乱するガーゼなどの掃除もはじまりました。
リュックはずっと椅子に座ったままでした。体を前にたおし、頭は両膝のあいだです Luc n'aviait pas quitté le fauteuil... Il se tenait la tête entre les genoux " 。 初めての壮絶な現場で、誰もが経験することとはいえ、リュックの落ちこみは大変なものでした。いくら僕がなぐさめてみても、らちがあきません。傷ついた人を治せるのは、素晴しいことなのだよと言ってみましたが、リュックは納得しません。「僕はパンで人をいやすことができる」というのがリュックの返事でした。
次回は p189 の " Je le retrouvai chez moi un peu plus tard ... " からです。
© " L'élégance du hérisson ", Muriel Barbery , Editions Gallimard